ぐるっと日本を旅してみた Vol.66
せっかく長崎まで来たのだ、少しは観光をしようと思った。
ホテルの提携駐車場に車を停めていても24時間以内なら上限が決まっているので駐車料金を気にせず観光ができる。
長崎は高校の修学旅行で来て以来だった。
当時は、決められたルートを決められた通りに回っただけであまり思い出もなかった。
今日は、限られた時間の中でできるだけ見てみようと思った。
ホテルの提携駐車場に車を置いて長崎市内を見て回ることにした。
車に荷物を入れて僕らは歩き始めた。
月曜日の朝はまだ夏休みというのもあり人通りも少なく静かだった。
目的地は眼鏡橋。
ホテルから 15分ほど歩いて眼鏡橋に着いた。
眼鏡橋はやはり観光地で打って変わって朝早くから大勢の人が歩いていた。
思い思いのアングルで写真を撮ったりして楽しんでいる。
道路から川沿いに降りていき川べりを歩いてみる。
水辺を歩くのはまた雰囲気が違って楽しい。
飛び石のようになっている場所もあって子供が楽しんでいた。
「魚がいるかな?」等と、川を覗き込んだりして僕らも楽しむ。
道路へ上がってくると目の前に自転車が停まっていた。
正確には、自転車の屋台。
「ちりんちりんアイスだ!」
ミィが早速反応する。
ちりんちりんっていうのは、ベルの音だろうか?
面白い名前のアイスだ。
雰囲気は、秋田のババヘラアイスのようだ。
まだ開店前で準備をしている。
店の前でしばらく待って開店と同時にアイスを買う。
アイスの見た目は花びら。
味はミルクセーキみたいで美味しかった。
ごちそうさまでした。
「よりより食べたい!」
よりより、麻花兒 (マーファル)は中華菓子で細長く伸ばした生地を折り曲げてよった縄のような見た目のかりんとうか、固いクッキーのようなものだ。
ミィの大好物で長崎土産は「よりより」と決まっている。
眼鏡橋から中島川沿いに歩いて中華街まで来た。
中華街の入口にはちょっとした公園があり、「新地中華街」と書かれた門(朱雀)がある。
その門をくぐり中華街へ入って行った。
開店している店は少なく、通りは静まり返っていた。
通りから少し脇道に入ったところに蘇州林という小さなお店があり、ここにお目当ての「よりより」がある。
店内は、中華菓子で埋め尽くされている。
ミィはその中から「よりより」を取り出して嬉しそうにレジへ向かった。
「私のだからね。 後で食べるんだからね」
「よりより」は、しばらく車中での旅のお供になった。
中華街からオランダ通りをぶらぶら歩いていく。
裏道を歩いている感じで特に観光化されているわけでもない。
それでも、路面電車の大浦天主堂停留場まで来ると観光客で賑わっていた。
この辺りは大浦天主堂、グラバー園等の観光地も多いので賑わっているのも頷ける。
ほとんど路面電車で来ているようだ。
流れに合わせて歩いて付近を散策し、海の方へ歩いてきた。
目の前に大きなビルが立っている。
いや、ビルではなく船だった。
巨大クルーズ船が停泊していたのだ。
その船多くの人が出入りしていた。
ここは、国際ターミナルになっているそうだ。
いつか、あんな船でクルーズ旅ができたら良いなぁ。
・・・夢物語を頭に浮かべてしまう。
長崎市の沖合に浮かぶ島、端島。
海底炭鉱の採掘で栄え、日本初の鉄筋コンクリート造りの高層住宅街などが残っている。
その島の見た目から別名軍艦島と呼ばれ世界遺産になっている。
現在は、構造物が朽ち、廃墟となっているがその様子が人気となっているようだ。
島へ渡るツアーもあるようだが、軍艦島をお手軽に体験できる施設があった。
それが軍艦島デジタルミュージアムだ。
建物に入るとカウンターがあり、軍艦島ツアーの受付もやっていたが、僕らは入館料を払うと2階へ上がっていった。
そこは軍艦島の様々な資料があり島を紹介している。
一角には、軍艦島の生活の様子を再現しているコーナがあった。
さらにフロアを上がると軍艦島を映像で表していたり、建物の模型があったりして島の様子を知る事ができる。
面白かったのは、VRゴーグルを使った軍艦島散策。
空中を浮遊しながら軍艦島の中を探索する事ができた。
実際に行っても入ることのできないエリアも VRで再現しているので細部まで見る事ができる。
ツアーに参加すればもっと楽しむこともできたのだろうけれど、僕らはこの仮装空間の廃墟を眺めて満足していたのだった。
長崎の街歩きは、意外と観光地同士が近いところもあり、そこは歩いて周ることができる。
でも、その行く先々で見かける路面電車。
長崎と言ったらやっぱりこれに乗らなくちゃ。
と、言うことで大浦天主堂停留所から長崎駅まで路面電車に乗ってみることにした。
路面電車に乗ることが楽しい。
長崎市内のどこへでも行けるのが良いね。
西九州新幹線「かもめ」も来たことだし、
「今日は、良い日になりそうかもめ」
by 長濱ねる
昨夜、食事のついでに食べた五島うどん。
もう一度ちゃんと食べてみたいと思った。
「お昼は、五島うどんを食べに行こう」
ミィと僕の意見は一致した。
再び長崎駅の長崎街道かもめ市場に来てみた。
ここに五島うどん専門店「だしぼんず」さんがあるのだ。
店内は混み合っていて少し待つ事になった。
15分ほど待ってテーブルにつくと、鯛だしうどんと、鶏だし親子うどんを頼む。
昨夜の地獄炊きとは違い、しっかり出汁の効いたスープに入ったうどんは、細くてツルッとしていてやっぱり美味しい。
あっという間に食べてしまった。
ごちそうさまでした。
「今日キャンプ場空いてますか?」
「今日?空いてるよ」
「予約したいんですけど」
「午後3時までに来れる? 人いなくなるんだよね」
「えっ、3時ですか? あぁ、行けます」
僕らは、移動しながらツーリングキャンプの様な旅をしていた。
ギリギリまで観光をして、キャンプ場はチェックイン時間の終了間際に飛び込んでその日の宿を確保するような旅だった。
午後4時、5時位だと余裕で午後も観光ができる。
しかし、3時は早過ぎる。
お昼を食べると、午後の観光はしないで結の浜マリンパークキャンプ場に向かう。
長崎市内から30分ほど、午後2時半過ぎにキャップ場に着いた。
人気の無い受付で声をかけると、建物の裏からおじいさんが現れて受付をしてくれる。
申し込み用紙に必要事項を書いて、使用料を払う。
「この建物から向こうの公園内はどこでも使って良いです。」
チェックインが終わると、おじいさん達は帰っていった。
今日も安定の僕らだけ。
ここは、キャンプ場の目の前が砂浜。
まさにプライベートビーチ!
とは言え、まだ午後3時、陽はまだ高い。
「もう少しどこか行ってこようか」
テントを設営すると僕らは車で出かけることにした。
キャンプ場から 10分程で長崎ペンギン水族館に着いた。
駐車場から林の中の小道を歩いて行く。
ここはビオトープとなっていて、田んぼや水辺が再現されている。
時間がないので水族館へ急いで行くので、帰りにゆっくり見てみようか。
一歩館内に入るとそこはペンギンの世界。
水族館なのだが、
ペンギン、ペンギン、魚、
ペンギン、ペンギン、魚、
ペンギン、ペンギン、魚、
みたいな感じでペンギン中心の展示なのだ。
ペンギンプールは、もちろんペンギン。
大水槽もペンギンが泳いでいる。
9種180羽!
こんなに多くのペンギンをいっぺんに見る事ができるのがすごい。
閉館間際の時間だったが、閉館ギリギリまでペンギンを見て回った。
ペンギン水族館でペンギンと戯れた僕らは、温泉に行く事にした。
水族館からキャンプ場を挟んで反対側へ20分ほど進んだところに「いいもり月の丘温泉」という日帰り温泉があった。
月の丘公園という体育館なんかもある広い公園の中にある温泉で、空いていたのでゆっくりとお湯に浸かって身体を温めた。
スーパーで食材を買いキャンプ場に戻ると陽はすっかり傾いていた。
砂浜で遊んでいた人達もいなくなり僕らだけとなる。
簡単な夕食を食べると、砂浜に行ってみた。
月が出ていて、水面を照らしている。
辺りは波の音だけが響いていた。
公園内なので時々、海を見にくる人もいるがほぼ僕らだけ。
プライベートビーチで海を照らす月灯りをいつまでも眺めていた。
その夜は、波音を聞きながら眠りについた。
2023/08/29(火)
天候:晴れ 最低 26.6℃/最高 33.0℃
長崎県長崎市〜長崎県諫早市
走行距離:39.2kmkm
総走行距離:9325.8km
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