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カテゴリー「日本一周」の71件の投稿

2023年6月〜10月に日本一周してきました。

2025/06/26

ぐるっと日本を旅してみた Vol.78

2023年9月10日(日)78日目

「高天原」とか「天孫降臨」とか。

古事記や日本書紀を読んでおけば良かったと思ってしまうような神社や土地を回っていく。

九州、特にこれから進んで行く宮崎県周辺は特にそのような場所が次から次へと現れる。

意味は分からなくても、ありがたく回ってみることにする。

 

大行列 霧島神宮

赤い大きな鳥居が立っていた。

霧島神宮の一の鳥居だ。

道路はその下を潜ってまっすぐ伸びている。

鳥居の脇に観光案内所があったので寄ってみることにした。

霧島周辺の観光案内パンフレットがあり、チラチラ眺めてみる。

温泉のキャラクターなのか温泉むすめ霧島黒恵という等身大の看板がありミィが写真を撮っていた。

サイクリストが多いようで自転車関連のパンフレットや案内も多いようだ。

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鳥居をくぐり霧島神宮の駐車場へ車を停めた。

駐車場はそこそこ埋まっていて、大勢の人が来ていることを感じさせる。

駐車場脇に池があるがどうやら温泉が沸いているようで温かい。

霧島神宮の境内は、結構広い。

駐車場から参道を進むと道は直角に右へ曲がりその先に神宮の本殿が見えてきた。

「真ん中を歩いちゃダメだよ。 神様の道だから」

うっかりと広い参道の真ん中を歩いてしまいそうになるが、ミィが注意してくる。

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参拝をし、御神木や神楽殿を見ている時だった。

大勢の人が参道を歩いてくるのが見えた。

そういえば車を駐車場に停めた時、大型バスが何台か到着していたなぁ。

海外からの観光客の団体だった。

あっという間に参道に行列ができ、その列は長い参道の先まで伸びていた。

「早くお参りできて良かったね」

僕らはちょっとほっとしていた。

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山神社と亀石

人混みを避けて、拝殿の左手奥にある山神社へ行ってみることにした。

山神社への道は、文字通り木々の間を進む山道で「高千穂嶽道」と呼ばれている。

シーンと静まり返り、参拝へ向かう人の足音と、話し声しかしなかった。

山神社は、御主神を瓊瓊杵尊とし、そのお后、木花咲耶姫を相殿神として祀っている。

木々の中にある神社は、鳥居と石祠があるだけのシンプルな神社だった。

その分、何か独特な雰囲気があった。

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山神社から下ってくると亀坂という坂道がある。

その石段を降りて行くと亀石という石があるらしい。

僕らは石段を降り始めた。

しばらく歩くとすれ違った人が「もうすぐですよ」と声をかけてくれた。

この人も亀石を見に行ったのだろう。

「ありがとうございます」と会釈し、しばらく降りると「亀石」と書かれた看板とその石が石段の脇にあった。

思いの外大きな石で、亀が頭と4つの足を広げているように見える。

伝説では、神様との約束を破ったために石にされた亀。

薄暗い杉木立の間で、足を踏ん張っているこの亀は、どこへ行こうとしていたのだろうか?

今だに神様から許されていないのだろうか?

どんな約束を破ったのだろう?

石になった亀は、何も答えてくれなかった。

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天孫降臨 霧島神宮古宮址

霧島神宮は、元々霧島山の高千穂峰にあったのだが、霧島山の噴火により焼失したり、再建後も火災により焼失したとのこと。

そのため現在の場所に鎮座している。

初期の霧島神宮の跡地が霧島神宮古都址として残っている。

そして、この高千穂峰が天孫降臨で瓊瓊杵尊が高天原から降り立った地とされている。

宮崎県の高千穂もその地とされていて、意見が分かれているそうだ。

霧島神宮から車で15分ほど山を登ると高千穂河原に到着する。

ビジターセンター脇の駐車場に車を停めて、広い登山道のような参道を歩いていく。

やがて「天孫降臨神籬斎場」と書いてある場所に出る。

周囲に拝殿のような建物はまったく無く、高千穂峰をバックにして鳥居がポツンと立っている。

階段を上がり、鳥居をくぐると祭壇のような場所があり、何か特別な場所という雰囲気がある。

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「霧島の山の上に天の逆鉾があるらしいよ」

とミィが言う。

高千穂峰の頂上に逆さに刺さっている鉾があると言う。

いつ、誰が、何の為に挿したのかは分からない。

エクスカリバーのように抜けないわけでは無く、坂本龍馬も抜いたことがあると言われている。

今はレプリカらしい鉾。

「行ってみる?」

「行かないよ!」

参道の一部が登山道となっているらしく、しっかり装備をした登山者とすれ違った。

それに比べるとサンダルにTシャツ、ジーンズの僕らは山に入る資格が無さそうだ。

神様に挨拶をすると山を下りることにした。

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ビジターセンターまで戻ってきた。

ビジターセンターの前の広場で登山者がクッカーでラーメンを作って食べていた。

「おなかすいたなぁ」

「お昼食べに行こう」

僕らは天孫降臨の地から、地上界へ戻って行った。

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幻の流しそうめん 流水苑

鹿児島県に入ってから気になっていたのが「そうめん流し」だ。

所によっては市営のそうめん流し場があるくらいだから食べてみたいと思った。

しかし、ここまでそうめん流しを体験することができなかった。

霧島神宮から降りてきて宮崎県へ入ったところで「そうめん流し」と大きく書かれた看板を見つけたので、寄ることに。

僕らは「食事処 流水苑」さんというお蕎麦屋さんの暖簾をくぐった。

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ところが時期的なものかもしれないが

「今、やってないんです」と、店員さんに言われてしまった。

結局「そうめん流し」を食べることはできなかった。

ちょっとガッカリしたが、お蕎麦を頂くことにした。

ざる蕎麦
肉うどん

それに、
ヤマメの塩焼き

を注文した。

出雲蕎麦以来だろうか、蕎麦を久しぶりにすする。

そばの香りと山葵の香りがツーンと鼻を抜ける。

「美味しい」

ヤマメも大きくて、身がしっかりしていて美味しかった!
ごちそうさまでした。

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鬼磐階段 東霧島神社

霧島神宮からどこへ向かおうかと地図を眺めていると「霧島」と付いた神社がいくつか見つかった。

霧島山を信仰の対象とする山岳信仰の神社が6ヶ所あり、霧島六社権現と言われている。

その一つ、「東霧島神社」へ行って見ることにした。

東霧島と書いて「つまきりしまじんじゃ」と読む。

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霧島神宮から30分ほど山を下ってくた。

JRの線路沿いの駐車場に車を停めて境内に入っていく。

ノーチェックで来てみたのだが、境内には神石、大杉と見所があった。

その中でも一番の見所が「鬼磐階段」。

昔昔、鬼が娘を嫁にしようとしたが、霧島の神様が

「一晩で神殿に通じる階段、千段を石で積み上げたら嫁にしても良い」と約束した。

鬼はものすごいスピードで夜明け前に千段を積み上げそうなほどの勢いだった。

積み上がる前に神様が空を明るくし、鬼に石を積み上げる前に夜が明けたと思わせて、鬼を追い払ったという伝説があるそうだ。

その石段。

結構な急坂を雑に石を積み上げて階段にしているという感じで、ちょっとしんどい坂道でした。

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鬼磐階段を上ったところに本殿があり手を合わせる。

帰りは車も走る舗装道路を降りることにしました。

東霧島神社は、霧島神宮に通じる厳かな雰囲気がありつつ、龍や鬼のモニュメントが立っていたり、「鬼磐階段」などの見所のある不思議な神社でした。

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Mallmall 都城市立図書館

「じゃ、行ってくるね」

ミィは、ぽけふたを探しに行った。

僕は、都城市立図書館の立体駐車場で今夜の宿を探していた。

どうにかキャンプ場の予約をするとミィを待っていたが、トイレにも行きたいし、駐車券を持って行けば無料になるらしいので図書館へ行く事にした。

ミィも図書館にいるらしい。

中に入ると近代的な図書館で中央が大きな吹き抜けになっていて、デザインされた階段が中心にあった。

2階は吹き抜けに沿って通路があり書棚も並んでいるのが見える。

キレイな図書館だなぁと思ったら、以前あったショッピングモールを改装して図書館にしたとのこと。

駐車場も立体駐車場で、公営の図書館らしくないなぁと思ったらそういう事だったのか。

カフェショップもあるらしく、この建物は Mallmall(まるまる)と呼ばれている。

ショッピングモール(Mall) から命名したらしい。

キレイでオシャレな図書館でした。

しっかり、駐車場の無料券をもらってから、出発することにします。

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集中豪雨 都城市

図書館を出ると空模様が怪しくなってきていた。

夕飯の食材を買おうとスーパーへ寄る頃には雨が降り始めてきたのだった。

スーパーで買い物を終えて車に戻り出発する時にはものすごい豪雨になっていた。

雷が鳴り響き、ワイパーが間に合わないほどの雨が吹き付けてくる。

道路はところどころ水没し、川のようになっている。

その中を恐る恐る、水しぶきを上げながら進んで行く。

「なに、この雨!」

ついさっきまで太陽が出ていて、暑さを感じるほどだったのに。

しばらく雨は止みそうに無い。

この雨が続いたら今夜のキャンプはどうなるんだ?

今後の天気を心配しながら、僕は、山の中へと車を進めた。

 

蜂の巣公園キャンプ場

薄暗い雨の山道を走り、蜂の巣公園キャンプ場に着いた頃には雨が小降りになっていた。

チェックインをすると「すごい雨でしたね」と言われた。

「都城から来たんですが、向こうはものすごい雨だったんです。」

「こちらもさっきまでひどい雨が降ってましたよ」

最初、フリーサイトを予約したのだが僕らしかいないということ、また豪雨になったら車に逃げ込めるようオートサイトに変更してもらった。

 

蜂の巣公園は、川が Ω のようになった所にあった。

「蜂の巣」という名前に惹かれてキャンプ場を予約していた。

蜂の巣だらけで、蜂がブンブン飛んでいるわけでもなく。

養蜂家の家の庭にテントを立てるわけでもない。

川沿いの岩に無数の穴が開いている為に「蜂の巣」という名前が付いているそうだ。

・・・その肝心の蜂の巣を見ることは無かったのが、残念。

テントサイトは、Ωの内側の川沿いに並んでいた。

恐らく、公園の一部をキャンプブームに合わせて作られたサイトのようだった。

遊歩道のようなところを乗り入れて車を進めるとオートサイトがあった。

テントを設営すると近くの温泉へ向かった。

小高い山の上にあるリゾートホテルの日帰り入浴はとても気持ちよかった。

キャンプ場に戻ると、管理人さんはすでに帰った後だった。

シーンと静まりかえったキャンプ場。

僕ら2人だけの贅沢な空間。

雨さえ降らなければ、気持ちの良い夜を過ごせそうだ。

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78日目のDATA

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2023/09/10(土)

天候:晴れのち雨 最低 21.5℃/最高 31.2℃

鹿児島県霧島市〜宮崎県日南市

走行距離:123.0km

総走行距離:10425.8km

2025/06/19

ぐるっと日本を旅してみた Vol.77

2023年9月9日(土)77日目

沖縄での時間は、あっという間に過ぎてしまった。

もっと楽しみたかったし、離島にも行ってみたかったが日程的にそれは無理だった。

いつかのんびりと離島巡りの旅をしてみたいものだ。

最終日は、定番の観光をして行こう。

 

首里城 再訪

前日に買ったポーク玉子などで、沖縄らしい(?)朝食を食べた後、宿をチェックアウトすると、大きな荷物を持ち、モノレールで那覇空港へ向かった。

沖縄最終日、まずは荷物をコインロッカーに預ける事にした。

身軽になった僕らは、空港から折り返しのモノレールに乗ると首里駅へ向かう。

そう、首里城へ向かっていた。

最終日は、観光地を回る事にしたのだ。

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首里城への案内看板に従い駅から坂道を登って行くと、徐々に景色が開けてくる。

石垣の上の公園の様なところへ着くと那覇の市街地を見渡す事ができた。

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更に石垣沿いに歩いていくと首里城への入口、守礼門があった。

歓会門、瑞泉門、漏刻門、広福門と通って広い広場と大きな門の前に出る。

古い柱を展示してある建屋があり、休憩所もあった。

日差しが強く、僕らは休憩所に逃げ込んでとりあえず飲み物を飲む事にした。

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首里城は、「城」とはいえ本土のそれとは雰囲気が違う。

どちらかと言えば中華圏の城に近い作りの建物だ。

以前この近くまでは来た事がある。

その時は、いつかまた来た時に入れれば良いな、くらいに考えてライトアップされた首里城を眺めて満足していたのだ。

しかし、2019年10月31日。

首里城で火災が発生し、その大半が消失してしまう。

こんな事ならあの時見ておけば、と悔やんだものだった。

そんな想いもあっての首里城再訪となった。

 

首里城散策

首里城の入場口から中へ入ると本来であれば立派な宮殿を見る事ができたのだろうが、今は大きな倉庫のような建物があった。

外側をぐるっと回るとそれが首里城を修復している現場だというのがわかる。

その中を見学する事がでくるのだが、特別な区域であるため簡単なチェックと注意を受ける。

階段を登り、その建物の上層にある回廊に出ると、修復に関する説明の展示がありその苦労が窺われる。

中に入ると回廊から下の作業現場を見学する事ができる。

回廊自体も倉庫のような役割をしていて、柱などが置いてあるのだがそれぞれ番号やら記号やら書いてあって間違いのないようになっていた。

各パーツは、元の材料と同じように収集され加工され、当時の手法で組み立てられていく。

そのパーツの復元だけでも相当苦労しているようだ。

一度失ったものを元に戻すことはできない。

ただ、できるだけ忠実に再現して、できるだけ元の状態に近いものを復元する。

その技術がこの場所に詰まっている気がした。

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復元現場から出て城壁の上を進むと人がすれ違う事が難しいくらい狭い通路になっていた。

その先は、東のアザナという城壁の一番高い櫓の跡になっている。

そこからは首里城の全体を見下ろす事ができ、更に那覇市内を見渡す事ができた。

首里城自体は、大きな覆いに覆われていて異質な感じに見えるが、ここから見下ろす沖縄の風景は、首里城が栄えていた当時から変わらない風景なのかもしれない。

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沖縄ぜんざい カフェ龍樋

首里城見学を終えて、歓会門まで戻ってきた。

ここから西のアザナの方へ入ったところに広い芝生広場がありその傍に首里杜館(すいむいかん)という建物がある。

中は土産物店、レストラン、そして休憩所を兼ねたカフェコーナがあるところだ。

あまりに暑かったので僕らは中で休憩する事にした。

カフェ龍樋という名前のカフェコーナーでメニューを見ていたら「沖縄ぜんざい」の文字がある。

「ぜんざい食べようぜ!」

ぜんざいと言えば、餅に餡子をかけた暖かい物という気がするが、沖縄は違う。

カキ氷なのだ。

甘く煮た豆の上に大量の氷が盛り付けられている。

どこかで食べてみたかった沖縄のスイーツだ。

「私は、シークワァーサーのアイス」

「エッ?ぜんざい食べないの?」

「うん」

 

日差しでほてった身体に氷の冷たさが染みていく。

優しい甘さのぜんざいは、とても美味しかった。

シークワァーサーもさっぱりしていて美味しい。

ごちそうさまでした。

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バスに乗る

再び、炎天下に出た。

坂道をノンビリ歩きながら首里城公園の入口まで歩いていく。

バスで市内中心部へ行こうと思ったのだ。

公園の入口にバス停があったが、ちょうど良い時間が無かったので別のバス停へ行こうと思う。

記憶を頼りに歩き出す。

坂道を下って通りに出ると次のバス停があったがここもバス時間が合わない。

更に坂道を下っていく。

山川バス停に着く。

ここは2方向からのバス路線が合流するところなので首里城前のバス停よりも本数が多い。

しばらく待つとバスがやってきた。

バスは、市街地へ向けて坂道を降りていく。

どこでバスを降りたら良いか考えていた。

地図を見てもどこをバスが通って行くのかよく分からず、バス停の名前と地名を睨めっこしながら辺りをつけた。

バスは、予想と違う道を走り、少しだけ予想と違う場所で降ろされた。

知らない土地でバスに乗るのはちょっと躊躇するが、意図しない場所で降ろされるのも面白いものだ。

僕らは、那覇市の繁華街へ足を向けた。

 

骨汁 あだん

那覇市の繁華街、国際通りは観光客で溢れかえっていた。

道路を車が行き交い、両側の歩道沿いに土産物や、レストラン、グッズショップ等が並びその店を出入りする人が歩道を埋め尽くしている。

那覇市内一の観光地といっても良いだろう。

日本人よりもアジア系、欧米系の観光客の方が多いんじゃないだろうかという感じだ。

気になる店をのぞきながら歩いていく。

横の道に入るとアーケード街になっていて更に人口密度が増してきた。

どれだけ人がいるんだろう?

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その人混みを交わしながら第一牧志公設市場へ行く事にした。

ここは、2階建て建物で、1階のフロア全体が市場で生鮮品、魚介類、野菜、お菓子などありとあらゆるものが並んでいた。

中央部が吹き抜けになっていて2階が見える。

2階は食堂街になっていて吹き抜けを囲むように店舗が並んでいる。

サンダーアンダーギーや、ジェラートなどのスイーツから、沖縄そば、海鮮やアグー豚などを使った沖縄料理まで様々な店が並び、お昼時というのもあってどこも混雑していた。

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僕らはその中で、「あだん」というお店に入った。

テーブル席についてメニューを見て考える。

ミィは、チャンポンを頼む。

昨夜も食べたが、よほど美味しかったのだろう、今日も頼む事にしたらしい。

僕は最初から一択だった。

沖縄で食べたかったもの。

前回沖縄に来た時に食べて、もう一度食べたかったもの。

それが「骨汁」だ。

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お盆の上にご飯と、丼が2つ。

一つは、空の丼。

もう一つには、山盛りの骨が入っている。

その骨をよく煮出したスープも注がれていて、このスープが美味しいのだ。

骨についた肉をむしゃむしゃと食べ、ご飯と一緒にスープを飲む。

これが至福の時なのだ。

沖縄料理といえば、もずくの天ぷら、海ぶどう、ジーマミー豆腐やアグー豚なんかが浮かび、本州の沖縄料理店でも食べる事ができる。

しかし、「骨汁」は、沖縄県外で見ることはないだろう。

とにかく、ここに来なければ食べる事ができない料理だ。

空の丼にしゃぶりついた骨を入れていく。

あっという間に骨の山ができてしまう。

ご飯食べとスープを飲み干すとお腹がいっぱいだ。

美味しかった。

ごちそうさまでした。

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美ら海水族館 うみちゅらら

市場から出て再びキャラクターショップや、お土産屋をチラ見しながら、歩いていた時だった。

「あっ、美ら海って書いてある。」

美ら海水族館のアンテナショップ「うみちゅらら」があったのだ。

中に入ると、公式のグッズ、ぬいぐるみ、写真集などが置いてあり、ビデオが流れていた。

水族館のショップが、そのままここにあった。

ミィは、喜んで店内をぐるぐる回っている。

「あっ、これ可愛い」

気に入ったものを見つけては手に取っていた。

「昨日、水族館行ったし、美ら海のグッズ見たし。

もう、美ら海行った事にして良いんじゃないの?」

「えぇっ!

なにそれ!」

「そのうち、自分で行ったらいいじゃん」

いつか行ければ良いなと思うが、いつのことになるやら。

今日は、沖縄を離れなければならないのだ。

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最後の晩餐 空港食堂

飛行機には乗り慣れていない。

普段、車や鉄道での移動が多く、飛行機での移動はあまり選択肢に上がらないからだ。

だからか、チェックイン、荷物検査などにかかる時間を想定して早めに行かなければならないという思いがあってギリギリまで観光ができないたちなのだ。

国際通りでぶらぶらしながら時間が気になって仕方なかったのだ。

だから20時発の飛行機に乗るのに那覇空港に16時過ぎには着いていた。

夕飯を空港で食べようと思っていたのだがそれでも余裕がある時間だ。

観光客でごった返す那覇空港の中を散策して回ることにする。

ポケモンとのコラボなのか大きなポスターや、ボードが掲げてあって、ミィが嬉しそうに写真を撮っている。

「夕飯食べに行くか」

ちょっと早めの夕飯を食べることにした。

レストラン街もあるのだが、空港の端っこにある「空港食堂」へ向かった。

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沖縄最後の食事は、ゴーヤチャンプルとトーフチャンプル。

ようやくメジャーな沖縄料理を食べた気がした。

今頃だが、ブルーシールズのアイスも食べて、沖縄最後の晩餐とした。

ほんと、沖縄はなにを食べても美味しいな。

また来たいなぁと、思わせてくれる。

ごちそうさまでした。

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Return to 鹿児島空港

飛行機は離陸すると光り輝く那覇の市街地を後にして、暗い海上を飛んでいた。

所々島陰があり点々と灯りが見えた。

あれが、与論島、これが沖永良部島、こっちが徳之島と、フェリーで寄港した島の名前を挙げてみるが、本当のところは分からない。

それでも暗かった風景が変わり、光の量が増えてくる。

薩摩半島か大隅半島の上空に差し掛かったのだ。

街の灯りが一段と増えてきたのが鹿児島市だな等と思っていると飛行機は高度を下げていった。

21時定刻通りに鹿児島空港へ到着した。

25時間かけてフェリーで通ったルートを、約1時間で戻ってきたことになる。

あっけなかったなぁ。

荷物を受け取ると、到着ロビーへ出る。

まだ1時間くらい離発着があるようで、思った以上に人がいる気がした。

僕らは、駐車場へ行き2日ぶりに車に乗り込むと、夜道を走り始めた。

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最後の客 ホテル国分荘

鹿児島空港から30分ほど暗い山道を走り、ホテル国分荘についたのは22時を回っていた。

ちょっと古い建物で、昔からあるんだろうな、そんなことを思った。

ホテルに入るとロビーで幼稚園児くらいの子供がソファーで遊んでいてびっくりした。

こんな時間に子供?

カウンターでチェックインをすると、どうやら僕らば今日最後の客らしかった。

部屋へ行こうと荷物を持った時、受付の女性が子供のところへ行き子供と話をしていた。

どうやら家族経営らしいこのホテルのオーナーの子供なのだろう。

この時間までロビーにいたということは、僕らを待っていてくれたのか。

ありがとうございます。

 

ツインの部屋は十分すぎるくらいに広かった。

2つ並んだベッドとちょっとしたテーブルと椅子。

それにユニットバスがある。

無機質なビジネスホテルよりもずっと居心地が良い。

明日からは、また車の旅が始まる。

今日はゆっくりと休むことにしよう。

おやすみなさい。

 

77日目のDATA

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2023/09/09(土)

天候:晴れ 最低 24.6℃/最高 31.0℃

沖縄県那覇市〜鹿児島県霧島市

走行距離:11.0km(車での移動のみ)

総走行距離:10302.8km

2025/06/18

ぐるっと日本を旅してみた Vol.76

2023年9月8日(金)76日目

今日は、ミィの要望に付き合う日になる。

旅に出る前からミィが楽しみにしていた日だ。

ただ、目的地がちょっと特殊な場所に合った。

車が使えれば何て事ないのだが。

車は無いので、モノレールや、バスを駆使して那覇を楽しもう。

 

デザイナーズマンションとシーサー 那覇市役所

目の前になんとも不思議な建物があった。

「マンションだよね」

僕とミィは、その不思議な建物の前で首を傾げていた。

その建物は、コンクリート造りで、格子状の柱のような物で覆われたフロアが重なってできている、

その1層が少しづつ小さくなっていて斜めの壁を作っているのだ。

ブーツを正面から見たような感じだろうか。

洒落たマンションだなぁ、と思っていたらそれは那覇市役所だった。

「役所!」

斬新な庁舎にビックリした。

「カッコいい!」

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沖縄に来ると色々なところでシーサーを見かける。

市役所の隣の交番には、赤いシーサーが立っていて、その奥には「愛のシーサー公園」というのがあった。

文字通りシーサーのモニュメントが立っている公園だ。

到着した時には、暗くてあまり実感はなかったが、いよいよ「沖縄」にやってきたという気になった。

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28都道府県庁目 沖縄県庁

28都道府県庁目 沖縄県庁に到着した。

那覇市役所を見た後だと、なんとも特徴のない県庁舎に見えてしまう。

庁舎の正面に公園が整備されていて、一段上がったところに庁舎が立っている。

人影がまばらだが庁舎の中に入ってみる。

中は天井が高く広いホールになっていて、その天井から大きくてバスケットボールの選手が描かれた垂れ幕が何本も下がっていた。

「FIFA バスケットボール 2023」が沖縄で開催されているのだ。

あわよくば、決勝戦を見れないかな?とも思ったが、今更チケットが取れるわけもなく、そもそも試合情報も知らないのだからそれは無理だった。

物産品や特産品の展示や、観光案内的なコーナーも見当たらず、ワールドカップの広告以外にはあまり沖縄らしさを感じる事ができなかった。

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モノレールとバスの旅

沖縄県庁舎を出ると強い日差しが照り付けていた。

湿気はなく、カラッとしているが暑い事には変わりがない。

ここから移動するのだが、車がないので公共交通機関に頼るしかない。

県庁から歩いて大きな交差点を越えると道路を跨ぐように高架がかかっていた。

沖縄県唯一の鉄道、「ゆいレール」だ。

ゆいレールは、那覇空港から那覇市内を通り、首里城の近くを通って、てだこ浦西駅までを結んでいる。

Suicaで改札を抜けてホームに上がる。

ホームは、都会にあるような長さはなく、短いホームだった。

モノレールは、東京や大阪で乗ったことはあるが雰囲気が全く違っていた。

やがて、どこかずんぐりと丸みを帯びた短い車両が2両編成でやってくる。

空港行きということもあり、大きな荷物を持った人がたくさんいて車内は混み合っている。

高架になったレールをゆっくりと進むゆいレール。

その分周囲の景色を見渡す事ができる。

川を渡り、公園の脇をすり抜けると間もなく那覇空港に到着した。

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僕らは、人の流れのまま出発フロアに入るが、すぐに到着フロアから外へ出た。

飛行機に搭乗するのではなく、バスに乗り継ぐのだ。

那覇の市内や市外へと多くのバス路線があり、市内のバスセンターから発着しているのだが、那覇空港もバスが多数発着している。

飛行機で到着した観光客がバスで沖縄本島の各地へ行けるようになっているのだ。

路線番号TK02という糸満のリゾートホテルへ行くバスに乗る。

ホテルの送迎のバスかと思いきや路線バスとして走っているらしい。

リゾートホテルへ行く観光客に混じって僕とミィはバスに乗り込んだ。

同じ観光客だが、手ぶらで乗っているのは僕らくらいだろうか。

多くの客を乗せてバスは走り出した。

沖縄を走っているのに東京バスという会社のバスだった。

リゾート開発した会社のバスなんだろうな。と思ったが、車内で整理券を見たら大阪バスと書いてある。

沖縄を走る大阪バスの整理券で東京バスが運行するバス。

なんかおかしくって、1人で笑ってしまった。

バスは、市街地とは反対の方向へ南下して行く。

しばらく走って通りを右折すると、海中道路を渡って瀬長島へ入る。

小さな島で中央の小高くなったところに大きなホテルが立ち。

海岸沿いの周回道路沿いに、ショップやレストランが並ぶリゾート地だ。

狭い道路に車が路上駐車してあり、そこをすり抜けるようにバスが進む。

ホテルの前のバス停で多くの人が降りていく。

欧米人や、アジア系の訪日観光客が多いようだ。

バスは再び本島へ戻りバイパスのような道路を走っていく。

いくつか立ち寄った後、「道の駅いとまん」に到着した。

僕とミィは、バスを降りる。

ここが今日の目的地だった。

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マルシェ・ド・ピクルス沖縄 道の駅いとまん

道の駅でバスを降りると、ミィは店内の案内図を確認すると足早に店内に入って行った。

物産館の入口脇にあるキャラクターグッズを売っている小さなお店がお目当てだ。

それが「マルシェ・ド・ピクルス沖縄」だった。

ミィが大好きなカエルのキャラクター「ピクルス」のグッズを販売しているショップだ。

日本一周に出る前から「沖縄に行ったらピクルスのお店に行くから!」と、楽しみにしていた場所だった。

小さな店内をざっと見渡して、僕は外に出た。

特に思い入れもないので物産館の中を見て回る。

ぐるっと回って戻ってきたが、ミィは店員さんと話に夢中になっている。

どちらかといえば人見知りなミィがここぞとばかりに話し込んでいる。

好きなものがあることは良いことだ。

僕はベンチに座って待つ事にした。

しばらく待っているとミィが満面の笑みを浮かべてやってきた。

「悩んだけど、買ってきた」と、ピクルスのグッズを大事そうに抱えている。

「ぐんまちゃん」グッズを見ていた時と同じくらいの、この旅一番の笑顔だ。

「東京の亀戸にもあるからよろしくね。」

すでに東京の予定も決まっているのだ。

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ミーバイとイラブチャー おさかなセンター

道の駅いとまんは、4つの建物で構成されていた。

リアルタイムの道路情報案内や、道路状況のモニタ、工事予定などが置いてある道の駅の情報館。

野菜やフルーツを売っている JA沖縄の店舗、ファーマーズマーケットいとまん うまんちゅ市場。

横に長い大きな建物で、物産、土産物、海鮮、フードコートなどが入った物産館、糸満市物産センター遊食来(ゆくら)。

そして、それらの中央にイベント広場として、大屋根がある。

その屋根の下にテーブルや椅子があり、多くの人が売店で買ってきた物をここで食べていた。

僕らは、遊食来の中にある おさかなセンターを見て回った。

特に海鮮のコーナーに様々な魚がいて面白かった。

キレイな色の魚が多くて、青い魚なんかもいる。
おやつ?に刺し身を食べてみることにした。
ミーバイ (ハタ)と、
イラブチャー(ブダイの仲間)
を買って、イベント広場の席で食べてみる。

どちらも白身で淡白で美味しい。

ごはんが欲しくなってしまう。

時間はもうすぐお昼だった。

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タコライス きじむなぁ

道の駅いとまん から再びバスに乗る。

那覇空港へ戻る便で10分ほど乗り次のバス停「イーアス沖縄豊崎」で降りる。

目の前のショッピングモール iias(イーアス)沖縄豊崎が目的地だ。

まずは、フードコートへお昼を食べに行く。

うどん、らーめんから肉、海鮮と種類も豊富だ。

その中から「タコライス cafe きじむなぁ」さんでタコライスを食べることにした。

タコライスとオムタコを注文。

昨夜はタコス、今日はタコライス。

中身は一緒らしいけどやっぱり違うね。

ご飯の上にレタスと挽き肉たっぷりで美味しい!

タコライスの上に薄焼き卵を乗せたオムタコは、見た目がオムライスだが、中身はタコライス。

こちらも美味しかった。

ごちそうさまでした。

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なまけもの DMMかりゆし水族館

「水族館へ行くぞ」と、言うとミィが喜んだ。

「美ら海へ行くの?」

「かりゆし」

「エッ?」

iias沖縄豊崎には水族館が併設されている。

それが DMMかりゆし水族館だ。

美ら海に比べたら圧倒的に小さいのだが、水族館には違いがない。

この水族館、都市型の水族館で、規模は小さいけれど、その見せ方が良くて、沖縄近海の色とりどりの熱帯魚などを飽きずに見ることができた。

他にはペンギンもいて可愛らしい姿で癒やされる。

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さらに進むと扉で分けられた区画があった。

そこは、ペリカン、アルマジロ、ミーアキャットや、大きなリクガメにメンフクロウがいた。

小さな動物園のような場所だった。

その中心には、木の上にナマケモノがぶら下がっていた。

こんな間近で見る事も無いだろう。

ナマケモノはなんともノンビリとした動きをしている。

餌やりもできるようで、子供達がチャレンジしていたが、餌を取るのもノンビリした動きで見ていて楽しかった。

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フロアが変わると今度は、ホールのような広い所に水槽がたくさん置いてあり、ちょっと近未来的な雰囲気もある所に出た。

水槽の周りを子供達が楽しそうに回っている。

更に進むと大水槽があり大小様々な魚が泳いでいた。

その前がフードコートになっていて軽食を食べながら魚を見ることができる。

美ら海水族館の代わりに寄ってみたのだが、なんだかんだ3時間近く見て回っていた。

ミィも満足したようだった。

「今度は、美ら海行こうね」

まだ諦めていなかったか。

美ら海に行けるのは、いつになるかな?

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あんだんすぅ〜 みつ子ばぁばの台所

再び那覇空港行きのバスに乗る。

瀬長島のリゾートホテルによりながらバスは空港へと走る。

途中の赤嶺でバスを降りる事にした。

空港の手前でモノレールに乗れることに気付いたからだ。

赤嶺駅はバス停のすぐ近くにあった。

そこからホテルの近く旭橋駅までモノレールに乗って行くとすでに午後6時を過ぎていた。

「夕飯食べてからホテルに戻ろうか」

今朝、モノレールの駅の近くに気になるお店を見つけていた。

「みつ子ばぁばの台所」と看板に書いてあったのだが、いかにも沖縄料理を出してくれそうな雰囲気だった。

その店は、旭橋駅から歩いてすぐの所にあった。

中を覗くと狭い店内は、大勢の人で埋まっていたが、どうにか真ん中の2人がけの席に座ることができた。

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オリオンビールを飲みつつ、ミミガー、海ぶどう、ジーマーミー豆腐、ゴーヤチャンプルなど耳にしたことのあるものを無難に頼んでみたり。

「あんだんすぅ〜」という耳なじみのないものを店員さんに確認しながら頼んでみたりした。

豚の脂を味噌で炒めた物らしいく、小鉢に入った味噌を少しづつ舐めながらビールを飲んだ。

沖縄の料理は何を食べても美味しい。

地元、新潟では食べることの無い物ばかりを食べて沖縄を感じていた。

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ミィがチャンポンを頼んだ。

「麵じゃないですよ」店員さんにそう言われると

「それが食べたいんです」とミィが答えた。

野菜たっぷりのチャンポンの具が、麵ではなくご飯の上に乗っている。

それが沖縄のチャンポンだった。

野菜炒めライスのようなものだがこれが美味しい。

僕は、シメにソーキそばを食べると、お腹がいっぱいになった。

美味しかった!

ごちそうさまでした。

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76日目のDATA

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2023/09/08(金)

天候:雨のち晴れ 最低 27.5℃/最高 30.5℃

沖縄県那覇市

走行距離:—-km(バス移動のみ)

総走行距離:—-km(車無し)

2025/06/03

ぐるっと日本を旅してみた Vol.75

2023年9月7日(木)75日目

目が覚めると360度見渡す限りの海の上に居た。

ぼうっと風に当たりながら水平線を眺める。

島影も見えるがこんな海の真っ只中にポツンと居るのは初めての事だった。

フェリーはダッダッダッダッとエンジン音を響かせて南へ南へと進んでいく。

このフェリーには、ゲームコーナーも映画も無い。

レストランは時間制限で30分程度開くのみ。

売店も港到着の前後 30分づつのみ。

驚く程にやることが無い。

こんな一日もあるんだな。

少し前までの仕事に追われて忙しかった日々は何だったんだろう?

今日は一日海の上。

まだまだ10時間は海の上なのだ。

 

海の上の朝 奄美大島 名瀬港

下船の案内が流れて、目が覚めた。

最初の寄港地 奄美大島の名瀬港に着いたようだ。

しばらく横になっていたが、外に出てみる事にした。

デッキに出るとまだ薄暗い港が見えた。

船から荷物が下ろされ、それが終わると積み込みが始まる。

ここで下船する人達が何人かタラップを降りていく。

そして乗船してくる人達も。

1時間ほど停泊して出港時間となる。

大きなゲートが閉じて、船を固定していた太いロープが外されて、船上ではウインチを使ってそのロープを巻き取っている。

大きなエンジン音を響かせて船が港を離れる。

見送りの人なのか、旅館の送迎の人なのか、こちらに手を振っている人が見える。

このフェリーは、観光目的ではなく、物資の輸送や人の輸送が目的のものだ。

鉄道や、バス、トラックのようなものなのだ。

島を離れる人、島へ帰ってくる人、それに混じって観光客。

僕にとって異世界な雰囲気は、ここの人達にとっては日常の生命線なのだ。

名瀬港を離れてしばらくすると、東の空を染めて朝日が登ってきた。

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船上の朝食 徳之島 亀徳港

今日の朝、種子島からロケットが打ち上げられると昨日のニュースで知った。

打ち上げ時刻の 8時半に種子島方向を見てみたが、種子島ははるか後方で雲に覆われていた。

打ち上げに成功したと後から聞いたが、この時は痕跡のない空をただ眺めていた。

 

「自衛隊**団の皆様、朝食の準備ができました・・・」

自衛隊御一行様も乗っているらしい。

それらしい格好の人を何人か見かけた。

朝食の時間かぁ。

レストランの開店時間は、6時15分から30分ほどで後はランチまで開かない。

早々と食事をとってもやる事がないのでレストランでの朝食は取らなかった。

前もって朝食用に買っておいたパンを食べる事にする。

 

やがて徳之島 亀徳港到着の案内が流れた、ミィとデッキに出て着岸の様子を眺めていた。

鉄筋の立派なターミナルが見える。

下船した人はそこへ吸い込まれていき、そこから出て来た人達は大きな荷物を持ってタラップを登ってくる。

名瀬港と同じような光景が再び繰り広げられる。

こうして徳之島の1日が始まるんだなぁと思った。

いつか、こういう離島巡りをするのも面白そうだな。

 

船室に戻ると、乗船して来た人達が自分のテリトリーを確保していく。

大きな荷物を置くと、数人が固まって雑談が始まる。

本土でバスや列車に乗っている感覚と同じようだ。

船が島に近づくとスマホのアンテナマークが立つ。

ミィはここぞとばかりにスマホにかじり付いていた。

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お昼寝タイム 沖永良部島 和泊港

船内のロビーは、大勢の人がいて椅子は埋まっていた。

話をする人、スマホのゲームをしてる人、寝てる人。

居場所が無いのでデッキに上がり潮風を浴びる。

船が進んでいる事は分かるのだが、景色はほとんど変わらない。

景色に飽きると部屋に戻るがやることも無い。

「寝る」

と言ってマットレスに横になる。

1時間位寝ると、目覚めて船内ルーティーンをこなしてまた寝る。

その繰り返しだった。

 

船は、沖永良部島 和泊港に着いたようだ。

ターミナルから人々が出てきて下船の人と入れ替わって乗船してくる。

船室内に入ると席を確認して、荷物を置くとマットレスに横になって寝る。

フェリーに慣れている人たちがこうなのだ。

船内でやることが無ければ、お昼寝タイムを決め込むしかない。

ぼくは、何度目かの昼寝を決め込んだ。

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白くまとボンタンアメ 与論島 与論港

与論島に到着した。

驚いた事に与論港には、ターミナルらしきものがなかった。

コンクリートでできた日除けのような屋根の下に人々がいた。

待合所になっているようだ。

日差しの強さもあってなんだか東南アジアの国についたような雰囲気だった。

人と荷物が乗り込むと、船は出港する。

海原をさらに進んでいく。

ここまでくると、遠目に島影が見える。

次の停泊地は、沖縄本島の本部港だ。

ここまで20時間かけて与論島まで来たわけだが、驚くことにまだ鹿児島県なのだ。

僕は、なんとなく鹿児島を出港すると沖縄県の離島に寄りながら那覇へ行くのだと思っていたのだ。

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売店が空いているのは、港に着く前後30分づつだ。

店が閉まる前に見に行こうという事になった。

小さな売店には、パンやカップ麺といった食料品や、お菓子、ジュースやビールなどの飲み物。

ティッシュやタオル、綿棒のような日用品。

フェリーのグッズ。

土産物を売っていた。

アイスでも食べようと冷蔵庫を覗くと、白くまがあった。

そういえば、鹿児島市内で白くまを食べていなかった。

「ボンタンアメも買おう。

これも鹿児島のアメだよ!」

ミィが食いついてきた。

白くまとボンタンアメを買うと席に戻った。

鹿児島市で本家の白くまを食べなかったけど、

どこでも売ってるカップの白くまだけど、

鹿児島県内で食べることに意義がある、はず。

冷たくて具のたくさん入った白くま、美味しかった。

ボンタンアメは、硬い飴ではなく、柔らかい柑橘の風味の飴だった。

グミに近いかもしれない。

素朴な味がして美味しい。


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沖縄県にはもう入ったのだろうか?

海の上には、県境のラインなどない。

遠くに見えていた沖縄本島が徐々に近づいてきた。

 

最後の寄港地 沖縄本島 本部港

沖縄本島の海岸線に沿って船が進んでいく。

沖縄本島は、所々まとまって建物が見えたりして今まで見えていた島々とは違う雰囲気があった。

やがて伊江島と沖縄本島の間を進んで行く。

砂浜が広がっているところが見えて、その上に大きな建物がいくつか見えた。

「美ら海水族館だ。

行くよね。」

ミィがそう言うが、沖縄では車を使えないから行けないのだ。

そう伝えると「えぇぇぇ。」と不満そうだった。

とは言え、それは出発前から言っていたことではあるので分かっているのだが、沖縄へ行ったら美ら海行きたいのだろう。


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瀬底島を大きく迂回し、島と本島の間へ回り込むと本部港に到着した。

ここが最後の寄港地になる。

いよいよ沖縄に来たという感じが強くなってきた。

「あとどれくらい?」と、ミィが聞く。

「もうすぐだよ。

あと2時間。」

2時間を「もうすぐ」と言えるくらい時間の間隔が麻痺してきていた。

25時間のクルーズとはこういうことなのか。

あと2時間。

名残惜しいが残りの船旅を楽しもう。

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25時間後 那覇港

日が暮れて薄暗くなってきた。

その薄暗がりの中でひときわ明るい場所がある。

今までとは違い、街の明かりが強く、大きい。

空には飛行機がひっきりなしに飛んでいる。

那覇市だ。

船が港に近づくまでその風景を眺めていた。

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客室へ戻ると、下船の準備が始まっていた。

僕らも荷物をまとめ下船に備える。

「行こうか」

荷物を持ってエントランスへ出ると大きな荷物を持った人で溢れかえっていた。

港に到着したがまだ下船は始まっていなかった。

気持ちははやるが、焦る必要などない。

扉が開くのを静かに待った。

25時間で遅れることも無く船は那覇へ到着した。

タラップを降りると目の前は立派なターミナルがある。

ただ、手続き的な物は何も無いので下船した乗客は迎えの車に乗ったり、タクシーに乗ったりして那覇の町へと消えていった。

僕らも今宵の宿へ向かうことにする。

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メキシカンディナー ジョージレストラン

フェリーターミナルから通りを歩いて10分ほどの所にある HOTEL Mr.KINJO in HAIBISU西町 に宿を取った。

アパートのような雰囲気のホテルで、ビジネスホテルというよりも、ちょっと広い学生アパートの一室の様な感じの所だった。

ここに2泊する。

荷物を置くと夕食を食べに行く事にした。

沖縄ではタコライスが有名だが、タコスも名物らしい。

もっとも、タコスの具をライスに乗せたのがタコライスなのだからどちらも美味しいに決まっている。

ホテルから5分ほど歩いた十字路の角にメキシカンレストラン、ジョージレストランがあった。

ここのタコスが美味しいと言うことで行って見ることにした。

店に着くと満席なのでしばらく待つことになるので、別の店に行こうかとも思ったが、他を探し回るよりもここで待つことにした。

しばらく店の外で待っていると、「どうぞ」と、店員が声をかけてくれたので店内に入った。

テーブル席はいっぱいで、壁際に2人席を作ってくれたようだ。

メニューにはタコスの他にステーキもあるのが沖縄っぽかった。

ミィは、タコスを、僕はメキシカンディナーというタコスとインチラーダスのセットを頼むことにした。

生ビールは、当然のようにオリオンビール。

美味しい!

タコスにはサルサソースをかけていただく。

パリッとした生地にタコスミートが挟んでありサルサソースのピリッとした感じが良く合う。

揚げないタコス生地で野菜とチーズを包んでミートソースをかけたインチラーダスは、初めて食べたけどこれも美味い。

店の雰囲気も良くて美味しい食事でした。

ごちそうさまでした。

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スパムおにぎり 辻スーパー

十字路に立っているジョージレストランと反対側の角に、辻スーパーというローカルスーパーマーケットがあった。

朝食を買って行こうと、一見コンビニのような小さなスーパーに入ってみる。

ローカルな物もたくさんあるようだけど、朝食は沖縄に来たのでスパムおにぎりを買う。

明日の朝が楽しみです。

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75日目のDATA

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2023/09/07(木)

天候:曇りのち晴れ 最低 28.0℃/最高 31.6℃

鹿児島県鹿児島市〜沖縄県那覇市

走行距離:742km(フェリー移動のみ)

総走行距離:—-km(車無し)

 

2025/05/27

ぐるっと日本を旅してみた Vol.74

2023年9月6日(水)74日目

鹿児島県に入ってからずっと天気が良い。

9月に入ったのに 30度超えの日が続いている。

南国に来たという思いと同時に

まだまだ夏が終わっていない気がした。

僕らの夏は、まだまだ続いていた。

そして、北上する旅は一旦やめて、

更に南へと旅を続けていく。

ますます暑くなる気がする。

 

猫と洗濯物と桜島 黒川岬展望公園

今日も良い天気だ。

ホテルを出ると、宮崎方面へ向かった。

途中、仙厳園とか、西郷隆盛蘇生の家とか、観光バスが止まるような観光名所をいくつも横目に車を進める。

まずは、洗濯をしたかったのだ。

そして、今日の夕方までに車を鹿児島空港の駐車場に停めて鹿児島港に向かわなければならないのだ。

鹿児島空港へ向かうために姶良市にあるコインランドリーで洗濯をする事にした。

国道沿いにあるコインランドリーに洗濯物を放り込むとしばらくやる事がない。

近くに「黒川岬展望公演」というのがあるので、何があるかわからないがいってみる事にした。

日木山川が錦江湾に注ぎ込む場所に黒川岬があった。

目の前には桜島が噴煙をあげている。

かつては、島津氏と肘付氏が合戦を行い初めて鉄砲を使った戦さが行われた場所だそうだ。

今、僕らの前には悠然とした桜島と太陽に照らされて輝いている錦江湾が見える。

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近所の猫だろうか?一匹の猫が目の前を横切っていく。

その猫を追っかけてみたりして、のんびりとした時間が流れている。

洗濯物が仕上がるまでもう少し時間がある。

日差しがだんだん強くなってきた。

もうちょっとここにいて、スーパーで飲み物でも買って行こうか?

猫が背伸びをして、こちらの事は気にもせずに草むらへと入っていった。

そろそろ戻る事にしようか。

 

沖縄行考察

2日前、指宿の駅駐車場で沖縄行きの行程について考えていた。

フェリーの料金と、那覇−鹿児島の飛行機の料金があまり変わらない事が分かったのでフェリーと飛行機を使うことにした。

まず、車を港の駐車場に置いて、マルエーフェリーで1日かけて那覇港へ行く。

到着は翌日の午後7時。

そこから3泊して中2日を観光に当てて、4日目に飛行機で鹿児島へ戻ってくる。

おぼろげながらそんな行程を考えていた。

しかし、飛行機の時間を調べて驚いた。

朝7時台と夜8時の便しか無いのだ。

早朝便はちょっと乗るのが大変だなぁ。どうしようか?

そう思った時、ふとひらめいた。

夜の便に乗ればその日中に観光ができるなぁ。

とすれば、2泊3日で2日目、3日目に観光して3日目の夜の便で鹿児島へ戻れば1泊少なくできるぞ、と。

しかし、夜9時に鹿児島空港に着いてその日の宿はどうする?

実は、鹿児島市内から鹿児島空港の間は車で1時間、高速を使っても40分位かかる。

キャンプは無理だからホテル泊まりになるだろうが、鹿児島港に車を置くと取りに行けなくなってしまう。

で、あれば空港の近くで宿を取ることにした。

実際は、近くには取れなかったのだが車は空港の駐車場に置くことにした。

こうして指宿で沖縄行きを決めた。

 

姶良市で洗濯が終わった僕らは、鹿児島空港へ向かった。

 

焼きそば 山形屋食堂

地方ローカル空港だろう、と思っていた鹿児島空港は思いのほか大きかった。

広い駐車場は車で埋まり、利用者が多いことを感じさせた。

ここに車を4日間置く事にする。

沖縄へ行くための荷物をまとめると車に鍵をかけた。

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まずは、お昼。

空港内のレストランで食事をしようと中に入った。

「山形屋食堂がある! 焼きそばを食べようよ」

ミィが見つけた山形屋食堂は、鹿児島市内の山形屋デパートが出店しているレストランだ。

焼きそばはいわゆるあんかけのかた焼きそば。

長崎の皿うどんのような感じで、山形屋の焼きそばと言えばこれが定番なのだそうだ。

焼きそば大盛りと海鮮焼きそばを注文した。

皿いっぱいに盛り付けられた焼きそばは、パリパリの方焼きそばだが少しずつあんの汁気を吸って柔らかくなってくる。

大盛りが大盛り過ぎてビックリだが、野菜がたっぷり入っていて美味しい。

途中で三杯酢をかけると、さっぱりした感じになりさらに食べ進む事ができた。

「美味しい!美味しい!」と、夢中になって食べてしまう。

美味しかった。

ごちそうさまでした。

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SORA STAGE 鹿児島空港

飛行機に乗らなくても空港は楽しい。

レストラン街で食事をし、

ショップで買い物をする。

空港や飛行機に関したグッズがあったりして楽しい。

展望デッキに行けば離発着する飛行機を眺める事ができる。

場合によっては航空資料館のような物が併設されていることもある。

空港外になるが近隣に建てられている事が多いのだが、ここ鹿児島空港は、空港内に資料館「SORA STAGE」があった。

レストラン街の手前にシンプルな装飾の入口がある。

一見すると何の入口か分からないのだが、「SORA STAGE」の文字を確認しながら中に入ると階段があり、そこを登ると通路に沿って飛行機の歴史についての展示がある。

展示を眺めてさらに進むとホールになっていて、エンジンや、実物大の機体と座席があったり、フライトシミュレーターがある。

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一通り展示を眺めた後は、展望デッキへ出て飛行機を眺めていた。

東京や大阪へ行く大型機の他に離島へ行く小型機が大きな音を立てて飛び立っていく。

鹿児島空港は離島へ飛ぶ便があるからこれほど大きな空港なんだな、ようやくその事に気づく。

僕らはしばらくその様子を楽しんでいた。

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アミュラン 鹿児島中央駅

鹿児島空港からは、バスで鹿児島中央駅へ出る事にした。

大型のバスが15分毎に出発している。

荷物を床下のトランクに入れて車内に入ると間もなく出発した。

バスは高速道路を通って鹿児島市内まで40分くらいで結んでいる。

山の中を進んでるなぁ、とは思ったがいつの間にか寝てしまい気づけばバスはもう市街地に入っていた。

午後2時頃、定刻通りに鹿児島中央駅前のバスターミナルに到着した。

次のバスに乗るまで2時間ほど時間があったので、駅を散策する事にする。

駅前には薩摩の偉人達をまとめた像が立っていた。

見たことあるような無いような、大勢立っている。

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鹿児島中央駅は、新幹線の南の終着駅。

商業施設も併設した大きな駅舎だ。

駅舎の上に大きな観覧車「アミュラン」が乗っていた。

「あれに乗ってこよう」

鹿児島中央駅の写真なんかを見るたびに気になっていた観覧車。

ここまで来たのだ乗ってみようと思った。

アミュプラザの6階に上がると映画館とゲームセンターがあった。

そして中央にアミュランの乗り場がある。

券売機でチケットを買うと、平日で誰も乗ることのない観覧車に2人で乗ってみる。

シースルーのゴンドラもあるようだが、ノーマルのゴンドラに乗り込む。

ゴンドラはゆっくりと高度を上げていく。

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下を見ると、路面電車が走っている。

そして、新幹線が足元に見える。

市街地の向こう側は海でその先に桜島が見えた。

高所恐怖症ではないが、それでも足の裏がむずむずするような感じがある。

ミィは平気なようであっちを見たり、こっちを見たりと忙しそうだったが、その度にゴンドラが揺れる気がしてちょっと落ち着かなかった。

最頂部から徐々に降り始めて降り口に到着した。

係員に誘導されてゴンドラを降りると、足元がしっかりしていてやっと落ち着いた。


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これから長距離フェリーに乗るが、台風が近づいているとのニュースも流れていた。

酔い止めの薬が欲しいなと、ドラッグストアへ行ったがそれでもまだ時間に余裕があった。

僕らはもう少しアミュプラザで時間を潰す事にした。

 

ゴー!ゴー!ウルトラ大航海 鹿児島新港

鹿児島中央駅前の鹿児島新港行きバス乗り場に人が集まり始めていた。

大きな荷物を持った人。

手ぶらで来た人。

海外からの旅行者。

到着したバスに乗り込んでいくが車内が混むようなことはなかった。

バスはフェリー乗り場への直通だと思っていたのだが、通常の路線バスのようだ。

手ぶらで乗っていた人は町中のバス停で降りて行った。

最終的には明らかな旅行者しか残らなかった。

やはりフェリーのためのバスなのだ。

鹿児島から那覇へ向かうフェリー航路は、A”LINE と言うらしい。

マルエーフェリーと、マリックスラインという会社が交互に運航しているが、マルエーフェリーの船がドック入りをしているので今日乗るのはマリックスラインの船 クイーンコーラルプラス だ。

窓口は特に並ぶことも無く、乗船手続きを終えた。

乗船まで少しだけ時間が合ったが、今 A’Line ではウルトラマンとコラボキャンペーンをしていた。

「ゴー!ゴー!ウルトラ大航海」

キャンペーン期間中なのであちこちにウルトラマンのグッズやポスターが貼ってあり、待合室には桜島をバックにウルトラマンとバルタン星人の巨大アートがあった。

「これ!これ!これ!」

ミィは大興奮だ。

船によってはウルトラマンとのコラボ客室もあるようだだった。

ただ、今回乗船するマリックスラインの船ではなく、運航を休んでいるマルエーフェリーの船に設定されているようなのでちょっと残念。

それでも、ウルトラマンを見て楽しんでいたが、まもなく、乗船時間となった。

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鶏飯 クイーンコーラルプラス

那覇行きのフェリーに乗船する。

大きな船だが、今まで乗ったフェリーと言うよりは貨客船の様な感じで客室や共用スペースはあまり広くなかった。

船内も5分もあれば一通り回われてしまうくらいだ。

個室もあるが僕らは2等船室、簡単な仕切りとマットレスと毛布があるだけの雑魚寝部屋だ。

僕らの指定席は、マットレスが並んだ角地で畳半分ほどのスペースが余計にあった。

そして、コンセントも目の前にあるのでスマホの充電にも困らない特等席だった。

250人位が入る大部屋だが、2、30人くらいしかいない感じで1〜3人くらいづつが離れて場所を指定されているので他の人があまり気にならなかった。

ぎゅうぎゅうに混雑していたらちょっと嫌だなと思っていたのでホッとしている。

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夕飯は船のレストランで食べる事にした。

メニューを眺めていてミィが嬉しそうに

「鹿児島名物の鶏飯がある!

鹿児島来たのに食べなかったねぇ。」

と、言った。

鹿児島の奄美地方のローカルフードだという。

他は、カレーとかラーメンとかだったので、鶏飯を食べる事にした。

僕は、鶏肉の炊き込みご飯だろう、と思っていたが目の前には意外なものが置いてあった。

丼に入った鶏の炊き込みご飯風なのだが、たっぷりの鶏がらスープがかけてある。

雑炊、というよりお茶漬けに近いかもしれない。

スープたっぷりの汁かけ鶏ご飯なのだ。

これが美味しい。

鶏の出汁が効いていて、塩加減の良いスープでサラサラっといける。

酒を飲んだ締めにもいいのかも。

こんな事なら鹿児島市内で鶏飯の店を探して食べれば良かったかな?

僕はちょっと悔やんだが、ここで食べる事ができたので良しとしよう。

ほんと、美味しかった。

ごちそうさまでした。

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廊下に出るとちょっとした行列ができていた。

風呂に入る人達らしい。

小さな風呂なので4、5人でいっぱいになるようだ。

風呂を後回しにして甲板に出てみる。

船は、港を離れ錦江湾を進んでいく。

風が気持ち良くて、揺れる船に身を任せて周囲の夜景に目をやった。

出港から2時間くらい経っただろうか、鹿児島市の灯りや桜島が後ろに小さくなると、右手の暗がりの中に開聞岳の姿が見えてくる。

これを過ぎるといよいよ錦江湾から東シナ海、外海へと出るのだ。

長い船旅は、まだ始まったばかりだった。

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74日目のDATA

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2023/09/06(水)

天候:曇りのち晴れ 最低 25.8℃/最高 32.8℃

鹿児島県鹿児島市〜霧島市〜鹿児島市

走行距離:38.9km(車移動のみ)

総走行距離:10299.3km(車移動のみ)

2025/05/22

ぐるっと日本を旅してみた Vol.73

2023年9月5日(火)73日目

大隅半島は面白い。

自然がいっぱい。

海がキレイ。

空港は無いのに飛行機好きが楽しめる。

鉄道は通っていないのに、鉄道好きも楽しめる。

ロケットも飛ぶ。

不思議な神社が建っている。

そして、荒々しい桜島。

見所が多すぎて、一日では回りきれない半島だった。

 

日本本土の一番南の道の駅 道の駅 ねじめ

「宗谷岬 2700km」

そう記された道路標識が立っている。

宗谷岬からここまで車で走ってきた。

寄り道しながらなのでこの倍以上の距離を走ってきた事になる。

そしてたどり着いた日本本土の一番南の道の駅ねじめ は、開店前なのかまだ扉は閉ざされていた。

それでも観光地として成り立っているのか、観光バスが停車して多くの人が降りてくる。

ほとんどの人が開いていない売店を覗き込んではトイレに向かっていく。

そして「日本本土で一番南の道の駅」と書かれた看板の前で記念撮影をしている。

鹿児島市内か、近くの温泉ホテルで宿泊してからやってきたのだろう。

僕らのように宗谷岬から来た訳ではないだろう。

北海道を離れてずっと南下してきた僕らは、再び北上する旅を始めたのだった。

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二式大型飛行艇 鹿屋航空基地資料館

知覧と同様に特攻隊の出撃基地となった場所がある。

それが大隅半島の中央部にある鹿屋市だ。

最も多くの特攻隊出撃したという歴史がある。

その鹿屋市には現在、海上自衛隊鹿屋航空基地がありそこに併設されて資料館がある。

旧日本海軍の資料や、特攻隊員の遺影、遺書なども展示されていて当時の生々しい様子を知る事ができた。

同時に海上自衛隊の記録、資料も展示されていて現在の動向も知る事ができる。

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資料館の周囲にはこれまで見てきた航空博物館と同様に実機の展示もあり、ミィが大喜びで写真を撮っている。

中でも目を引くのが、

「二式大艇だよ!」

ミィが真っ先にかけて行った先には、大型の飛行艇が鎮座している。

二式大型飛行艇、通称「二式大艇」だ。

「でか!」

それが最初の感想だった。

こんな大きな飛行機が戦時中の空を飛んでいたとは、驚いてしまう。

空飛ぶ戦艦とも呼ばれ、攻撃性のも優れているという。

その二式大挺が空飛ぶことなくここに固定されている。

それが平和ということなのだろう。

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ラーメン 一番食堂

鹿屋航空基地史料館を出た僕らはお昼を食べることにした。

近くに一番食堂という食堂があった。

L字型のカウンターとテーブルがある町の食堂といった感じの店だ。

カレーやうどん、定食といったメニューが並び、ここにもチャンポンがあった。

しかし、ここはラーメンが気になった。

ラーメン小、中、大、特

と、メニューが並んでいて力が入っている。

僕らはラーメンを頼む事にした。

スープは豚骨。

醤油や塩といった区分はない。

ラーメンといえば豚骨。

麺の上にもやしとネギ、そしてチャーシューが乗ってるシンプルなラーメンだった。

臭みのない豚骨スープは麺とあっていてとても美味しい。

九州に来たのに豚骨ラーメンは熊本で食べただけだった。

美味しい豚骨ラーメンを味わう事ができた。

美味しかった。

ごちそうさまでした。

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大隈線鹿屋駅 鹿屋市鉄道記念館

「鉄道記念館があるよ」

こんな所に鉄道記念館?

ちょっと不思議な気がしたが行ってみる事にした。

記念館は鹿屋市役所の隣にあった。

車は市役所の駐車場に停める事になる。

小さな駅舎を模した鉄道記念館だった。

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中に入ってここに記念館がある理由が分かった。

国鉄大隈線の跡地にできているのだ。

「いらっしゃいませ」

にこやかに館長さんだろうか?職員さんが出迎えてくれる。

古い鉄道部品や、作業道具が並ぶ館内を見ていると、

「ここはね大隅線の駅だったんですよ。」と、館長さんが話してくれる。

「この道具は線路の補修で使ってね。

こっちは保線用の人力の車両ですよ。

乗ってみます?」

ペダルの付いた作業車を指差した。

「ビデオもあるので見ていってくださいね。」

僕らだけだったのもあるのだろうが、事細かに説明をしてくれたのだ。

外に出るとホームにキハ20が鎮座していた。

もう、走ることのない線路の上に。

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硝子の鳥居 神徳稲荷神社

大隅半島は面白い。

昨日は、並立鳥居の諏訪神社に寄った。

今日は、硝子の鳥居だ。

神徳稲荷神社は、鹿屋市の町外れの丘の上にあった。

驚かされるのは、まず透明な硝子の鳥居が立っているのだ。

両側にキツネを従えた、ちょっと緑がかった硝子の透明な鳥居。

その鳥居の後に稲荷神社らしく、赤い鳥居が木立の間を何本も連なっている。

千本鳥居と言うらしい。

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鳥居をくぐると、池があり赤い橋が架かっている。

その橋の向こう側は、本殿があるのだが。

まるでちょっと洒落た喫茶店か、レストランの様な雰囲気なのだ。

中を覗くと祭殿があり、そこが神社だと言うことを示しているが、土産物でも売っていそうな雰囲気もある。

ところどころ、キツネのマスコットが群れていて可愛らしい。

女子受けしそうな佇まいの神社だ。

鳥居をくぐると、池があり赤い橋が架かっている。

その橋の向こう側は、本殿があるのだが。

まるでちょっと洒落た喫茶店か、レストランの様な雰囲気なのだ。

中を覗くと祭殿があり、そこが神社だと言うことを示しているが、土産物でも売っていそうな雰囲気もある。

ところどころ、キツネのマスコットが群れていて可愛らしい。

女子受けしそうな佇まいの神社だ。

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イルカウォッチング 荒崎パーキング

トイレ休憩をするために国道沿いの荒崎パーキングに車を停めた。

トイレとちょっとした公園のような設備のある小さなパーキングだ。

シュロの木が立ち、錦江湾に面して、桜島も見える景色の良い所だった。

ぼうっと海を眺めていた時だった。

「何かいる!」

海の上に黒い影が見えた。

その影は大きく体を海上に見せるとスッと海中に入りまた出てくる動きをしていた。

「イルカだ!」

僕は、少し離れた所にいたミィを読んだ。

「ミィ、イルカがいるよ!」

ミィもやってきて一緒にイルカを眺めた。

1、2頭のイルカに見えたが、他にも何頭か姿を見せたので結構な群れのようだ。

イルカウォッチングのできる海域を通るフェリーからは見ることはできなかったが、こんな道路沿いの公園でイルカを見る事ができるとは。

遥か彼方、豆粒のような姿だったが、それは紛れもなくイルカだった。

水族館以外で、野生のイルカを見たのは初めてで、僕もミィもちょっとテンションが上がっていた。

イルカ達は錦江湾の奥、桜島へ向かって悠然と海上を進み、やがて視界から消えた。

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溶岩流 有村溶岩展望所

ゴツゴツした岩の間を遊歩道が続いている。

しかし、岩の様相が渓谷で見ることができるような岩では無い。

大粒のサラッとした砂、というより砂利の中に大きなボコボコしたような岩が辺り一面に広がっている。

それが溶岩流の跡だった。

溶岩流には背の低い木々が茂っているのだが、ある場所に出ると木々が無くなり岩だけの風景が広がる。

その背後には三角錐形の山体が迫り、

その頂上部付近から噴煙が上がっている。

それが桜島だった。

遠くからもその山体、噴煙が良く見えていたが、大隅半島から地続きとなっている桜島に渡ると迫力があった。

有村溶岩展望所から間近に見るとさらに迫力を感じる。

噴煙は上り続けているが、更に大噴火が起きたらどうなるんだろうか?

ところどころある待避壕を確認しながら足を進めた。

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30分ほどかけて遊歩道を周遊して駐車場に戻ってきた。

ふと気付くと、パンパンに膨らんだ黄色いゴミ袋が置いてあった。

何でゴミをこんな所に集めているんだろう?

ちょっと疑問に思ったが、「火山灰だ!」と気付いた。

それくらい日々火山灰が降り注いでいるのだろう。

離れている鹿児島市内でも火山灰が降り注ぐという。

麓ではゴミを集めるように、火山灰を集めているんだろうな。

毎日これをやるのは大変だなぁ、と思った。

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火山直下 湯之平展望所

もう少し、桜島の火口に近づこうと思った。

桜島の火口に向かって山道を登って行く。

うねうねと曲がりくねる道は、高度を増していく。

湯之平展望所の駐車場に車を停めて階段を登ると、展望台と言うべき建物があった。

展望台の2階に上り展望フロアから目の前の桜島を眺める。

噴火口が見えるわけでは無いが噴煙が立ち上っていて迫力を感じる。

展望フロアを桜島と反対側に行くと錦江湾を挟んで鹿児島市が一望できる。

眺めの良い展望所だ。

観光客も有村溶岩展望所よりも多いようだ。

外国人客も含めて多くの人が桜島の噴煙を眺めている。

僕らもこの雄大な風景を眺めていた。

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2階建てフェリー 桜島フェリー

「なにこれ?」

それが大型のフェリーを見た時の最初の感想だった。

 

湯之平展望所から降りてきた僕らは、桜島と鹿児島市を結ぶ桜島港フェリーの乗り場に向かった。

乗船は簡素化されていて、フェーリーターミナルの窓口に行かずに車に乗ったまま料金所で料金を支払うと、誘導に従って車両の待機スペースへ進んでいく。

すぐにフェリーが到着する。

かなり頻繁に発着しているようだった。

到着したフェリーから車が降りてくる。

意外と大きなフェリーで車両甲板が2階建てになっていた。

1層目からの車と、2層目からスロープで降りてくる車がある。

まるで、トミカタウンの駐車場のようだった。

乗船の誘導が始まると案内された車が順番に1層目に吸い込まれていく。

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僕らの車列の順番になると、誘導員は2層目へのスロープへ誘導を始めた。

「ラッキー!」

思わず口にする。

体験したことのない事を体験できるのはどんなことでも嬉しい。

僕はスロープを登って2層目の車両甲板に車を停めた。

15分程の航海なので車内で待機する人もいるようだったが、デッキへ出ることにした。

観光客がデッキへ、地元の人は車内で待機、そんなかんじだろうか。

僕らは、風に当たりながら桜島の雄大な風景を楽しんだ。

反対側には鹿児島市の中心部が見える。

大隅半島へ向かうフェリは桜島以外にも何本も出ている。

海上にはそれらのフェリーが何艘も行き来していた。

フェリーが出航してあっという間に鹿児島市側の港に到着する。

僕は車両甲板からスロープを下ると鹿児島市へ車を走らせた。

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27都道府県庁目 鹿児島県庁

27都道府県庁目、鹿児島県庁に到着した。

フェリー乗り場から海沿いを市街から離れるように進んだ所に近代的な高層ビルが立っていた。

20階建ての県庁舎の18階が展望ロビーになっているらしい。

僕らは県庁の中に入った。

すると、吹き抜けになったロビーで目の前にエスカレーターがあった。

そのエスカレーターの2階部分に大きな人影、おそらく西郷さんをモチーフにした絵柄だと思うが、両手を大きく広げて笑っている。

そしてエスカレーターの各段に焼酎の瓶が大量に乗っている。

階段に雛人形が飾られているのは見た事があったが、焼酎の瓶は初めてだ。

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さすが焼酎消費ランキング1位の鹿児島だ。

これほどの種類の焼酎が作られているのか。

焼酎の展示に感心しながら、エレベーターへ向かった。

18階の展望ロビーは、「かごゆいテラス」と名付けられていて周回できる構造になっている。

錦江湾を挟んで桜島が見える他、鹿児島市街地や周囲の山々を見る事ができる。

市内に高層ビルが少なく展望は開けている。

誰もいない「かごゆいテラス」でのんびりと桜島を眺めていた。

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びっくり焼き びっくり焼き亭

今夜は、鹿児島市の繁華街に宿を取った。

宿を出ると目の前に商店街が広がり、デパートもある。

大きな通りには路面電車も走っていて大勢に人々が行き交っていた。

夕飯を何食べよう?と探していると「びっくり焼き」というのを見つけた。

歩いて10分ほどのところに店があったので行ってみる事にする。

路面電車も乗りたかったのだがちょうど用意路線がなかったので徒歩で向かう。

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通りからはずれ、人気の少ない通り沿いに「びっくり焼き亭」はあった。

カウンターとテーブルが3つほどの小さな店だ。

店主が1人でやっているようで、券売機で食券を買うと店主に手渡してから2人がけのテーブルに座った。

生ビールを飲んでいると食事を運んできてくれる。

ご飯、味噌汁、漬物とびっくり焼き。

びっくり焼きは鉄板の上に乗っていて肉とキャベツの炒め物といった感じだ。

元々福岡のB級グルメらしく、福岡のお店がチェーン展開して鹿児島にも店を出しているそうだ。

甘塩っぱくてご飯が進むのだが、卓上に「辛口」「激辛」と書かれた味噌が置いてあり、味変ができて更にご飯がすすむ。

福岡名物だが、鹿児島産の豚肉を使って要る事なので「鹿児島飯」で良いかな?

美味しかった!

ごちそうさまでした。

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73日目のDATA

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2023/09/05(火)

天候:晴れ 最低 24.2℃/最高 31.7℃

鹿児島県肝属郡南大隅町〜鹿児島県鹿児島市

走行距離:123.7kmkm

総走行距離:10252.9km

2025/05/07

ぐるっと日本を旅してみた Vol.72

2023年9月4日(月)72日目

車のメーターが新潟を出発してから 10,000kmを超えた。

ゴールはまだ見えない。

南の折り返し地点、沖縄県にもまだたどり着いていない。

それどころか、沖縄へ行く方法もまだ決まっていなかった。

まずは、本土最南端の佐多岬を目指す。

そして、沖縄へ渡る方法をそろそろ決める。

それが今日の目標となる。

 

知覧飛行場戦闘指揮所跡

知覧という地名は、耳にしたことがあった。

太平洋戦争時に特攻隊が出発した地だ。

道端に「旧陸軍特攻基地 『戦闘指揮所跡』」と書かれた石碑があった。

小高い山に囲まれていはいるが、ここだけ平らな土地が広がっている。

ここから特攻隊が飛び立ったのだろう。

飛行場として利用するにはちょうど良かったのかもしれない。

今となってはその名残は見当たらないが、

ここから多数の零戦が飛び立っていったのかと、

いくつもの命を落として行われた特攻攻撃が行われたのかと。

 

僕の目の前にある知覧の地は、暖かな陽射しと、爽やかな風が吹いている、静かな場所だった。

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知覧茶 知覧

ポッカから出ている「鹿児島知覧紅茶無糖」というペットボトル飲料がある。

この紅茶が好きで、スーパーなんかで見つけると買ったりしていた。

その知覧に来ていた。

特攻隊の発信地としての知覧だが、お茶の産地でもある。

僕らは、茶畑の真ん中にいた。

その向こうには三角錐のような開聞岳が見える。

あたり一面の緑の茶畑。

背の低い、緑の葉っぱを茂らせ、丸みを帯びたお茶の木と、

所々柱が立っていて、その上で回っている扇風機のような羽根。

静岡あたりで見かける光景が、ここでも見る事ができた。

「すごい!すごい!知覧茶だ!」

僕は、ちょっと興奮していた。

昨夜、スーパーA・Z で買った、ポッカの知覧紅茶を飲みながら、知覧の茶畑を眺めていた。

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イッシーを探せ 池田湖

「イッシーを探しに行こう」

と、僕が言う。

「イッシーって、何?」

と、ミィが言う。

ネス湖のネッシーを模倣して日本のあちこちに現れた未確認生物。

有名なのは、屈斜路湖のクッシーと池田湖のイッシーだ。

・・・とはいえ、僕が子供の頃の話。 ミィが知る由もない。

 

池田湖には、イッシー君の看板や、イッシーの絵が書いてあったりして、イッシーブームの痕跡はあった。

だた今では池田湖を中心にした観光地という感じでそれほどイッシーを推していたりはしない。

池田湖自体はそこそこ広いのだが、思ったほど広くは感じなかった。

まぁ、ここに巨大生物がいればすぐに分かるだろうと、思えるほどの広さだ。

屋根がスロープになった建物があり、上が展望台になっているので上がって湖を見渡してみた。

風が吹いて、湖面にさざなみが起きていたが、イッシーがその首を水面に表すことはなかった。

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ぽけフタと沖縄 指宿駅

JR指宿駅の裏の駐車場に車を停めた。

駅周辺にぽけフタがいくつかあるらしい。

「行ってくるね」

ミィは喜んでぽけフタ探しにいった。

僕は車に残り、この後の行程考えていた。

福岡で後回しにした沖縄行きが決まらない。

どうやって行くか悩んでいると友人が Facebook でコメントしてきた。

「沖縄は、フェリーで行くの?」

彼は、沖縄まで車で行くと思っていたらしい。

ただ、飛行機を考えていた僕にフェリーという別の方法を考える機会を与えてくれた気がした。

マルエーフェリーが、毎日鹿児島と那覇を結んでいる。

鹿児島を18時に出港し、翌日19時に那覇に着く。

25時間の船旅だ。

それも面白いと思った。

しかし、ネットで予約をしようとしたと時。

船体整備の為、運休していて乗れないようだった。

更に調べるとマルエーフェリーと交互にマリックスラインという会社がフェリーを運行していた。

こちらは乗れそうだった。

ただ、予約は電話のみ。

早速電話をするとあっけなく予約が取れた。

飛行機も調べるとフェリー代とあまり変わらない値段で鹿児島-那覇間をソラシドエアーが飛んでいた。

こちらも予約が取れた。

これで沖縄行きが決まったのだ。

ミィが満面の笑みを浮かべて戻ってきた。

収穫があったようだ。

「駅前にもあるから、そっちもよろしく。」

仰せの通り、僕は車を駅前に向けて走らせた。

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勘違い 指宿港

薩摩半島の指宿から大隅半島へ渡る。

本土最南端のフェリー、なんきゅうフェリーに乗る為に指宿港へ向かっていた。

しかし、道路標識や、地図の示す方向を見て何かおかしい感じがした。

よく見ると、なんきゅうフェリーは指宿港ではなく、ちょっと離れた山川港から出港するようだった。

完全に勘違いしていたのだ!

あわてて車の向きを変える。

「間違えたの?」

ミィが呑気に聞いてくる。

「別の港だったよ。」

余裕をもって来たはずが、これだ。

1日何便も出ていないので午前の便に乗りたかった。

山川港まで15分位か。

間に合いそうだけど、ちょっと焦っている自分がいた。

僕は、慎重に車を進めた。

 

本土最南端のフェリー なんきゅうフェリー

乗り場を間違えたのだが、港に着くとフェリーはまだ到着していなかった。

バスの営業所の待合室のような所の窓口で乗船手続きをする。

なんとものんびりした雰囲気だった。

やがて、到着したフェリーは、ここまで乗ったフェリーの中では一番小さいかもしれない。

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車に戻り、誘導に従ってフェリーに乗り込む。

天気も良いので眺めの良いデッキを陣取る事にした。

フェリーは、出航すると穏やかな水面を進んでいく。

後方に開聞岳が良く見える。

薩摩半島先端のランドマーク的ポジションだ。

正面に目をやると大隅半島の山々が見える。

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1時間ほどで根占港に着いた。

こちらもバスの待合所のような小さなターミナルだった。

山川港と同じく人気も少なく、のんびりとした雰囲気の港だなと思った。

僕らはこうして、本土最南端の地に足を踏み入れたのだ。

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ちゃんぽん きよか食堂

フェリーで大隅半島の根占港に着いてまずは、お昼。

港の近くで探して、きよか食堂さんへ行くことにした。

カウンターとテーブル、小上がりがある。

10人も入ればいっぱいになりそうな家族経営のお店だ。

「今日はラーメンにしようかな」

近所の家族連れがやって来て、僕らをちらっと見ると、

当たり前のように席に座り、当たり前のようにラーメンを啜っている。

そんな日常からすると、僕らは異邦人なのかもしれない。

メニューは実にシンプルだった。

僕は、チャンポン。

ミィは、ラーメンを注文した。

長崎を過ぎてから結構チャンポンを食べるようになった。

ラーメンとは違う美味しさがある。

きよか食堂のチャンポンは豚骨が効いていて具だくさん。

ラーメンは、豚骨ベースの塩ラーメンに近い感じだけど醤油の香りもする食べたことない味だった。

これはこれで美味しいのだ。

チャンポンもラーメンも美味しかった!

ごちそうさまでした。

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ダム?滝? 雄川の滝

15分くらい先に観光スポットになっている滝があるらしい。

早速、行ってみる事にした。

町を離れ山の中を進んで行くと、道路の脇に駐車スペースがあった。

それが「雄川の滝」の展望所へ行くための駐車場らしい。

駐車場の脇から階段が続いている。

そこからずいぶん降りていくようだった。

木々に囲まれた階段を降りていくと急に視界が開けて木製の展望所に出る。

落差46mの「雄川の滝」より少し高い位置にある。

平らな大地の川の部分だけ何かで削ったかのような両側が切り立った渓谷だった。

水が澱みそうな平面を川が流れていて、その先が突然スパッと切り取られたような崖になっていた。

そこを水が流れ落ちている。

幅は60m。

その中央に白く一筋の滝が流れ落ちている。

渓谷沿いにも遊歩道があり滝を下からも見る事ができるようだった。

ただし、その入り口はこことは別の場所で、僕らがいる展望所から下に降りることはできなかった。

滝の両側にもいく筋かの流れがあって幅の広い滝を形成しているようだ。

下からみると白糸の滝のようだと言うから見に行けば良かったかな?

滝の対岸に何か建物が見えた。

滝があまりにも綺麗に垂直に切り立っているので、一見するとダムでもあるかのようだった。

実は、滝の上部は実際に小さなダムになっていて発電用の取水口がある。

対岸の建物はその発電所だった。

もしも、ダムが無かった頃は、もっと豪快に流れる滝だったのかもしれない。

水量のほとんどを発電用に使われるため細々とした滝になっているが、それでもその景観は美しかった。

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並立鳥居 諏訪神社

「何あれ?」

神社の前を通った時に見えた光景が不思議な光景だった。

もう一度、その光景を確かめたかったので、雄川の滝へ行った帰りにその神社へ行くことにした。

南大隈町にある諏訪神社は、見た目が不思議な神社だ。

小さな神社で、鳥居があり左に手水舎、右に社務所があり奥に拝殿が見える。

よくある町の総鎮守といった感じなのだが。

「なんで鳥居が2つ?」

鳥居が2つ並んで立っている。

こんなのは見た事がない。

長野の諏訪神社に上社、下社があるが、それを表現しているとも言われているらしいが、鳥居が2つある理由は他にも諸説あるらしい。

左の鳥居から入り、右の鳥居から出るのが参拝の作法だとか。

僕らも作法に従い左の鳥居で一礼すると境内に足を踏み入れた。

拝殿で参拝をしてしばらく社殿の造りを眺めていたが、今度は向かって左の鳥居から出る事にする。

世の中にはいろんな神社があるなぁ。と改めて思った。

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日本本土最南端 佐多岬

「本土最南端佐多岬」

と、書かれたゲートをくぐって最南端への道を進む。

道路の周りにソテツやシュロの木が増えてきて南国感が出てきた。

カーブの先端が駐車帯になっていて

「北緯31度線」の文字が見える。

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さらに進むと道路が行き止まりになっている所に駐車場があった。

ここが本土最南端佐多岬だ。

駐車場から先にトンネルがあり遊歩道が続いていて更に岬の先端にある佐多岬灯台まで行けるようになっていた。

しかし、現在は災害復旧の工事を行なっていて入る事ができなかった。

この駐車場が実質最南端だった。

大きなガジュマルの木が立っていて撮影スポットになっている。

その横が木製のテラスになっていて東シナ海を望む展望台になっていた。

岬の先端に佐多岬灯台が見えた。

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ついに来た!

もちろんこの先には沖縄県があり、国土の最南端はさらに先の沖縄県波照間島にある。

流石にそこまで行くことはできない。

この旅では車でたどり着く事ができるこの佐多岬が最南端という事になる。

「遊歩道行ってみたかったね」

災害復旧とは、おそらく7月の台風や大雨の影響だろう。

雨の中を走っていた山陽地方を懐かしく思い出した。

駐車場脇の観光案内所を覗いて見る。

ちょっとした記念品やお土産を売っている。

僕らは、「日本本土4極 最南端到達証明」を手に入れた。

これで「日本本土四極踏破証明書」が完成する。

新潟を出発してから 72日目の事だった。

後は、本州最南端を目指し、残り 20都県を回る旅となる。

まだまだ旅は続くのだ。

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最高の無料キャンプ場 佐多岬野営場

その小さなキャンプ場はとてもキレイなキャンプ場だった。

佐多岬へ続く南大隈町道佐多岬公園線の入口にある佐多岬野営場を今夜の宿とした。

周囲に3箇所ある無料キャンプ場のうちの1ヶ所だ。

トイレは水洗、炊事場は良く整備されていてキレイ、そしてサイトはキレイな芝生が敷かれている。

四角形のキャンプ場は入口の脇にトイレがあり、場内は円形の通路がある。

通路の内側の真ん中に木が立っているがその周りは広い芝生のサイトになっている。

外側は、柵があるのだが柵と通路の間が芝生になっていてそこにもテントを設営できる。

僕らは、外側の区画にテントを設営した。

 

近くにホテルがあるようなのでお風呂に入ろうといってみたが、どうも閉館しているようだった。

そのホテルの先にも無料キャンプ場にも海岸沿いに無料キャンプ場があるのだが、ちょっと荒れている感じで佐多岬野営場にして良かった、と思った。

 

キャンプ場に戻ると、サイクリストが1人中央の木下にテントを立てていた。

今夜は、彼と僕らだけのキャンプ場だ。

すぐ隣に民家があるのでちょっと気を使うが、民家側からは離れた場所に設営したので大丈夫かな?

キレイなキャンプ場で過ごす夜はとても気持ちが良い。

僕らは、本土最南端のキャンプ場でとても静かな夜を過ごす事ができた。

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72日目のDATA

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2023/09/04(月)

天候:晴れ 最低 23.8℃/最高 34.8℃

鹿児島県南九州市〜鹿児島県肝属郡南大隅町

走行距離:128.4kmkm

総走行距離:10129.2km

2025/04/22

ぐるっと日本を旅してみた Vol.71

2023年9月3日(日)71日目

くまモンとワンピースだらけの熊本県を抜けて、今日は鹿児島県へ入る。

自分にとって未知の土地。

車で進める最南端の土地。

どんな所なんだろうか?

ワクワクしながら車に乗り込んだ。

 

洗濯の合間に 芦北町立星野富弘美術館

今日も日差しの強い晴天だ。

テントを撤収した後にまずやることは、

「洗濯に行こう。」

ここのところずっと移動していたので洗濯物が溜まっていた。

国道沿いのヤマグチランドリーというコインランドリーで洗濯をする事にした。

洗濯物をランドリーに放り込むと1時間くらい待ち時間ができる。

その時間を利用して美術館に行く事にした。

芦北町立星野富弘美術館が近くにあったのだ。

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鹿児島県との県境も近いこの小さな町に星野富弘の美術館があるなんて思わなかった。

出身地なのかな?とも思ったがそうでもなかった。

熊本県で展覧会を開催した事を縁として群馬県にある星野富弘美術館の姉妹館として開館したそうだ。

群馬の美術館は行った事があった。

芦北町の美術館はそれよりもこじんまりとした美術館だった。

星野富弘氏の独特なタッチによる花の絵を中心に展示してあり、星野氏の生い立ちについても知る事ができる。

僕ら以外には、誰もい静かな館内でじっくりと鑑賞する事ができた。

 

いきなりだご めぐみ工房よりみち

熊本名物をいくつか食べてきた。

天草チャンポン

太平燕

ネギパン

火山灰ソフト

おべんとうのヒライ

しかし、まだ食べていないものがある。

「いきなりだご 食べてないなぁ」

まだまだ他にも名物はあるのだろうが、「いきなりだご」は、食べてみたかった。

それをまもなく熊本県から出るタイミングで思い出したのだ。

「スーパーか、どっかお店で売ってないかなぁ?」

そんな事を考えながら車を進めていると、国道沿いに「いきなり団子」の幟を見つけたので、寄ってみる事にした。

めぐみ工房寄り道は、産直の直売所の様なところだった。

惣菜や、魚、野菜が並び、お土産も売っている。

そしてお目当ての「いきなり団子(だご)」。

いきなり団子とは言うが、団子にしては大きく、

饅頭のふかふかした皮では無い。おやきとも違う。

小麦粉で作った皮でサツマイモと餡子を包んだ物で、独特な感じだ。

餡子とサツマイモの甘さが程よくて美味しい。

いきなりだごは、素朴なおやつといった感じの食べ物だった。

ごちそうさまでした。

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貝汁 貝汁味処 南里

熊本県水俣市までやってきた。

水俣というと頭に浮かぶのは、「水俣病」。

化学工場から排出されたメチル水銀化合物が皮から海に流れ出て海産物に蓄積されて、それを食べた人が水俣病になった。

新潟にも新潟水俣病という同様の事件あり、水俣病という名前は子供の頃からずっと聞かされてきた。

その水俣に今いた。

「お昼何食べようか?」

ミィがネットを検索してご当地料理を探す。

「貝汁っていうのがあるらしいよ」

「美味しそうだね。行ってみようか。」

貝汁味処 南里さんは、鹿児島県境に近い国道が大きくカーブした所にあった。

駐車スペースは、車で埋まっている。

熊本だけではなく、鹿児島ナンバーも停めてあり、人気の店だなぁというのがわかると同時に鹿児島県が近づいてきたのだな、と思った。

車を停めて店内へ行くと店はかなり混んでいた。

ちょっと待たなければならない様だが、他に行くあてもないし時間はたっぷとある。

僕らは待合の椅子に座って待つ事にした。

30分ほど待ってお座敷に案内された。

広いお座敷には、家族連れや多くの人が座っている。

テーブルについてメニューを見ると貝汁の他にわっぱ飯や海鮮料理が並んでいる。

水俣病があったけど、海鮮料理が名物になる程キレイな海になったんだなと思った。

僕らは、貝汁定食を注文する。

ご飯、冷奴、小鉢と一緒に丼いっぱいにアサリの入った貝汁が並ぶ。

大粒のアサリは身がプリプリしていて味が濃い。

アサリ出汁の効いた汁も美味しい。

混雑しているわけだ。

これだけ美味しい食事を味わえるのは嬉しくなってくる。

たっぷりのアサリを夢中で食べていた。

美味しかった。

ごちそうさまでした。

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かぞくいろ 薩摩大川

鹿児島県に入った。

鶴の越冬地として有名な出水市を通り過ぎて阿久根市に入る。

有村架純主演の映画、「かぞくいろ ーRAILWAYS わたしたちの出発ー」のロケ地だ。

子連れの男性と結婚した女性(有村架純)が行く宛もないので仕方なく、旦那の実家へ子どもと一緒に転がり込む。

その後、いろいろあって地元の鉄道会社へ入社し運転手になるというお話。

ちょっとはまって何度も見ていたので、ここまで来たからにはロケ地を回ってみることにした。

 

まずは、肥薩おれんじ鉄道の薩摩大川駅へ行ってみた。

晶(有村架純)が研修のために鉄道学校へ出発する駅だ。

映画 かぞくいろ の撮影地だったことを示すポスターや、写真が貼ってある。

ミィが「映画のロケ地だったんだね」と少しだけ映画を感じてくれた。

もっとも「駅」の方に興味があるので無人駅をあちこち見て回っている。

カンカンカンカン・・・

踏切の音が聞こえてきた。

「来た!」

僕も、ミィも映画を忘れて列車がよく見えるホーム脇まで行ってみる。

観光列車おれんじ食堂が、目の前を通り過ぎていく。

車内で食事ができる特別列車で、映画にも出てくる車両だ。

通り過ぎるのを見ていると映画のワンシーンに入り込んだような気がした。

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駅から移動して大川小学校の近くに車を止めて歩いてみる事にした。

「ここが駿也が通った学校だよ」

「ふーん。 私、車で待ってるね」

ミィは、映画を見ていないので全く興味が無い。

仕方がないので1人で歩き回る。

まずは、節夫と晶が駿也を迎えに来て車を止めた交差点。

そこから小学校へ向かって歩いていくと右手に坂道が見える。

「この坂を晶が、息子の駿也を追いかけて走った坂だ!」

同じ坂を登っていく。

「この鳥居から晶が走って降りて、そのまま東京まで行っちゃうんだよね。」

映画のシーンが蘇る。

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そこから少し移動して、

「あれが、節夫の家だ! 晶と駿也が節夫を待って座っていた河原!」

もう楽しくてしょうがない。

この旅が終わったら、また映画を見てみようかな。

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がらっぱ 新田神社

薩摩川内市内でカッパをみかけた。

こんなところでカッパ!

地図を眺めると、がらっぱ堂というホビーショップの名前が気になった。

調べてみたら「がらっぱ」とはカッパの事。

薩摩川内市はカッパ伝説がある町らしく、がらっぱ共和国を建国したらしい。

そこら中にカッパの絵が書いてある。

その象徴のがらっぱ大明神が市内の新田神社に祀られているとのこと。

早速行ってみることにした。

駐車場に車を停めると、その脇にりっぱな鳥居があった。

鳥居の先が神社になるのだが、反対側が広くて長い参道になっている。

どこまで続いているのだろう?

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鳥居の先に太鼓橋があり、その奥は鬱蒼とした森の中を登っていく階段がある。

どこか厳かな雰囲気の神社だったが瓊瓊杵命(ニニギノミコト)を祀る由緒正しい神社だった。

特にカッパ伝説の神社ではないのに参道脇にがらっぱ大明神が祀られていた。

ただ、がらっぱ大明神の説明が書かれた看板が足元に腐ちて放置されている。

やる気があるのか無いのか、良くわからない。

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新田神社は不思議な雰囲気の神社だった。

神社の奥には、可愛山陵(えのみささぎ)、つまり瓊瓊杵尊の陵墓があった。

迂闊に近寄ってはいけないような雰囲気を漂わせる場所だった。

僕はこの時、古事記や日本書紀を読んだことは無かったのでどういう場所だかさっぱり分からなかったが、ミィは瓊瓊杵命なにかしら分かっているようだった。

ここから先、古事記、日本書紀が分からないとこの土地がどういう土地なのか理解することが難しい旅になってしまうのだった。

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コノハナサクヤヒメ 道の駅 きんぽう木花館

新田神社から1時間ほど走って休憩する事にした。

道の駅 きんぽう木花館に立ち寄る。

小さな道の駅でレストランは早々に店じまいをしていた。

すでに午後6時、陽が落ちて地平線を赤く染めている。

ふと、薄暗くなった駐車場の一角に一体の像が立っていた。

女神の様な佇まいで像の横に説明が書いてある。

「コノハナサクヤヒメだよ!」

ミィが声を上げる。

古事記の分からない僕は、だから何?といった感じだった。

天照大神の孫、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が高天原から地上へ降り立った時、

美しい女性を見つけて求婚。

父親の許可をもらおうとすると、父親は喜んで姉も一緒にどうぞという。

しかし、姉の容姿が酷かったので瓊瓊杵尊は父親の元へ送り返し、

コノハナサクヤヒメと結婚したという。

なんとも、父親も父親なら、瓊瓊杵尊も瓊瓊杵尊というお話だ。

神の時代の話なのでそういう事もあるのだろう。

コノハナサクヤヒメは、じっとそこに立っておられた。

故郷、笠沙の地を見守っておられるのだろうか。

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黒豚ときびなご ふく福

今日は、ホテル泊まりとした。

だから多少遅く到着しても問題ない。

南さつま市に入った時には、午後6時を過ぎていた。

「ご飯食べて行こうか」

この先小一時間かかりそうだったので夕飯を食べていく事にした。

市内で食事のできるところを探すといくつか出てきたが、

ローカルファミレスの「ふく福」さんへ寄る事にした。

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鹿児島ローカルのうどん、蕎麦をメインにしたファミレスだ。

黒豚とかきびなごとか、鹿児島っぽい名前がメニューに並んでいる。

僕は、黒豚うどん、ミィは、黒豚サラダうどんを頼む。

サイドメニューできびなごの天ぷらも。

黒豚が美味しくて、きびなごの天ぷらもサクサクしていて美味しい。

ファミレスだからどうかな? と思ったけど美味しい夕食でした。

ごちそうさまでした。

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大型スーパ スーパーA・Z

今夜は、大隅半島のまん真ん中に宿を取ることにした。

宿の周辺を検索していたミィが大喜びで言う。

「スーパーAZに行こう!」

僕の頭の中に「?」が浮かぶ。

またTVの情報番組かなんか見ての知識だとは思うが、

「スーパーがお客の要望聞いて要望に答えていたら、なんでも売ってる巨大スーパーになったらしいよ。

車も売ってるんだって!」

夕飯は食べたが、夜食的な物を買いたかったので行ってみることにした。

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小高い丘の上にそれはあった。

スーパーA・Z 鹿児島川辺店

平屋のホームセンターか、北陸でいうとPLANT-5 のような雰囲気。

ただし、店内の案内図を見ると様子が違うことが分かる。

  • 食料品・家庭用品・くすり・日用品・文具・・・ここまではスーパー。
  • 電化製品・カー用品・DIY・園芸品・レジャー用品・・・ホームセンターか?
  • レストラン・・・まぁフードコート的な?
  • ガソリンスタンド・洗車場・・・イオン的な?
  • カーピット・くるま館(中古車販売)・・・何だこれは?

とにかく、ここに来れば何でも揃うのだ。

もうスーパーマーケットの域を超えている?

ローカル・イオン みたいな感じだ。

イオンで車売ってたっけ?

大型スーパーマーケットA・Z は、とにかく巨大で、品物の種類が豊富で、面白いスーパーだった。

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車も売ってる!

 

ホテルAZ 鹿児島川辺店

今宵の宿はホテルAZ。

スーパーA・Z とは何の関係もない(たぶん)。

そして、九州に入ってから定宿と言っても良いくらい利用している。

どこに泊まっても定額で朝食付きなのが良い。

部屋は相変わらずの2段ベッド仕様のツインルーム。

狭いけど寝るだけなら十分。

ミィが下段で、僕が上段。

これももう定位置で決まっている。

ミィは早速テレビをザッピングし始める。

僕は、イヤホンを付けてネットを見始める。

今夜も、気ままに夜を過ごすことにする。

 

71日目のDATA

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2023/09/03(日)

天候:曇りのち晴れ 最低 23.6℃/最高 31.5℃

熊本県葦北郡芦北町〜鹿児島県南九州市

走行距離:167.5kmkm

総走行距離:10000.8km

2025/04/16

ぐるっと日本を旅してみた Vol.70

2023年9月2日(土)70日目

阿蘇のカルデラは巨大だった。

阿蘇中岳の噴火口も雄大だった。

大自然を満喫できる場所だった。

そして、熊本地震の爪痕の残る場所でもあった。

そんな場所を僕らは旅している。

 

道の駅 あそ望の郷くぎの

阿蘇の山々を背にしておばあちゃんが立っている。

にこやかな、優しい顔で杖をついて立っている。

道の駅 あそ望の郷くぎの のフォトスポットなのだろう。

おばあちゃんがにこやかに立っている像がある。

「南阿蘇村地産地消キャラクター かなばあちゃん」

らしい。

なんか見ているだけで心が穏やかに、笑みがこぼれて癒やされる。

そんな風景だった。

道の駅には、

広い芝生広場があり、

ドッグランがあり、

産直販売所があり、

フードコートがあり、

モンベルのショップなんかもある所だったが。

おばあちゃんのその姿に、全部持っていかれた。

そんな気がした。

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噴火口へドライブ 阿蘇中岳第一火口

阿蘇山へ向かっていた。

山腹を走る道路がぐんぐん高度を上げていくのが分かる。

噴煙の見えるあの場所まで行くのだ。

阿蘇山と言う山は無く、阿蘇五岳、外輪山を含めた一体を差している。

阿蘇五岳は、根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳の事で、このうち中岳は今でも噴煙を上げ火山活動を続けている。

外輪山は南北 25km、東西 18km、周囲128km と巨大なカルデラを形成している。

そのカルデラの中に 約4万人の人が暮らしていて、僕らが昨夜泊まったキャンプ場もその中に含まれていた。



中岳に近づくにつれて草木が無くなって荒涼とした山肌になっていく。

やがて、広い駐車場と建物のある所に出る。

ここからバスで火口まで行けるようだった。

僕が駐車場に車を入れようとすると係員がやってきた。

「ここは、有料ですよ。

向こうの駐車場が無料になっていますから向こうに停めたほうが良いですよ。

火口へ行きます? 火口へ行くのならあそこの料金所から道路が続いていますから。」

えっ、バスに乗らなくても行けるの?

僕は、車を料金所に進めた。

火口に進む際の注意書きが書いてある。

「ぜんそくの方、気管支に疾患のある方、心臓に疾患がある方、体調不良の方の火口見学を禁止」

「火山ガスが発生した場合に規制がかかること」

僕もミィも問題ないということで阿蘇山公園有料道路へ車を進める。

草木も生えない石と砂の赤っぽい大地を行く。

山頂の駐車場には退避壕があった。

噴火が始まったらこんなもので避けられるのか?

噴火口は巨大ではるか下の方から白い噴煙が上がっているのが見える。

ドロドロしたマグマが見えるとかそういうのは無いのだが、立ち上る噴煙が自然の物凄さを語ってくれている。

火口脇の遊歩道にも退避壕がいくつも立っていた。

こんなに退避壕を作ってまでしてこんな危険な場所を見に来たいのか?

そう問われたら「見てみたい」そう答えるのだろうな。

もしもの危険と、自然の雄大さを天秤にかけながらこの場所にいるのだと思った。

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あとぜき と 火山灰ソフト 阿蘇山上ターミナル

阿蘇中岳山頂駐車場の隣に阿蘇山火口避難休憩所という建物がある。

阿蘇山上ターミナルへのバス待合所にもなっているようだ。

そんなターミナルの扉にこんな注意書きがあった。

「あとぜきをお願いします」

出た!「あとぜき」

熊本から放送されている Podcast を聞いていたので熊本弁の話を聞くことがあった。

その一つが「あとぜき」だ。

「開けた扉をきちんと閉める」という意味だそうだ。

言葉で聞いたわけではないが、熊本弁に触れた気がした。

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山頂から阿蘇山上ターミナルまで戻って、今度は無料の駐車場に車を停めた。

ターミナルは、火口へ行くシャトルバスと、熊本市方面へ行くバスのターミナルになっている。

中は待合所になっていてお土産を売っていた。

その一角にテイクアウトのカフェがあったので何か食べようとメニューを眺めていると、

「火山灰ソフト」といういかにもというソフトクリームを見つけた。

「火山灰ってどういうこと? せっかくだから、食べてみようか!」

コーンに入ったソフトクリームは、灰色で火山灰を模している。

黒胡麻を練り込んでそんな色にしているらしいが、食べている場所もあって、なんか面白い。

胡麻の香りとソフトクリームの甘さ、冷たさが口の中に広がる美味しいソフトクリームだった。

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緑の草原 草千里

草千里という地名は子供の頃から知っていた。

教科書に出てきた気がする。

阿蘇に行くと草千里という草原がある。

そう聞いていた。

 

草千里付近は、草千里ヶ浜という地名になっている。

さっきまでの草木も生えないような風景とは違い緑に覆われていた。

まさに草千里だと思った。

火山博物館やレストランを併設した建物が建っているのでそこに寄ろうと思ったが、車がいっぱいで入ることができなかった。

しかたない。

僕は、そのまま車を進める事にした。

ヘアピンカーブのような上り坂を回った先にも駐車場があり、そこに停めることができた。

先ほどの建物より高いところにあって、草千里一帯を見渡すことができるのでこっちの方が良かったかな。

目の前には、緑の盆地が広がっている。

その中に遊歩道がありそこを歩く人が点々と見えた。

馬場もあるようで、馬に乗ってコースを周回しているのも見える。

草原から上がってくる風が心地良い。

気持ちの良い場所だな。

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崩落した橋 阿蘇大橋

2016年4月16日に発生した熊本地震でおきた最大の悲劇と言って良いのが阿蘇大橋の崩落だろう。

大学生(当時)が乗った車が橋と共に谷底へ落下した。

遺体は見つからず、捜索隊が捜索を打ち切った後もご家族が谷底を歩いてまわり、約4ヶ月後に遺体を発見する事になる。

その後、新しくかけられた橋が新阿蘇大橋で、そのたもとに新阿蘇大橋展望所ヨ・ミュールがある。

ちょっとした道の駅の様な雰囲気のその場所は、悲劇の起きた場所とは思えないほどにぎわていた。

展望所から長陽大橋、新阿蘇大橋、南阿蘇鉄道の白川第一橋梁を見ることができる。

深い谷を見下ろす風景はとても綺麗だった。

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車で新阿蘇大橋を渡り大分方向へ右折する。

その先に駐車場がありそこに移動して車を停めた。

谷の対岸に崩れ落ちそうな道路が見える。

崖に張り付いた様に見える道路。

それが崩落した阿蘇大橋の残骸だと気づくのに時間はかからなかった。

7年前に崩れ落ちた道路。

7年間そのままの風景。

そこだけ時間が止まったかの様だった。

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滝と九州横断特急 数鹿流ヶ滝

阿蘇大橋の見える駐車場の近くに数鹿流ヶ滝があるというので歩いて行ってみる。

国道沿いにアップダウンする道を進み、階段を登った先に滝を見る為の展望所があった。

思ったよりも距離があり、滝が見えると言っても川の向こう側に滝が見える感じで滝の間近に行けるわけではない。

数鹿流ヶ滝は、水量も多く豪快に流れ落ちる滝だった。

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滝を見て車へ戻る途中、国道脇の線路の方からピーッと甲高い汽笛が聞こえた。

JR九州のコーポレートカラーの赤い列車がこちらへ向かってくる。

九州横断特急だ。

汽笛を鳴らしながら特急列車は大分方向へ走り去っていった。

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山ちゃんラーメン おべんとうのヒライ 益城砥川店

阿蘇の外輪山を越えて、熊本の平野を走っていた。

市街地からは離れたところを走っているため田んぼや畑と住宅が点々とあるだけの道。

「お昼どうしようか」

なかなか食堂が見つからない。

コンビニで何か買おうかな?と思った時だった。

「おべんとうのヒライ」を見つけた。

「よし、ヒライでお昼を食べよう」

おべんとうのヒライは、熊本ローカルのお弁当屋さんだ。

パッと見、コンビニのような店舗で、広い駐車場もある。

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店内に入るとお菓子なんかが並んでいるコーナーもあるが、目の前には弁当、惣菜がてんこ盛り。

さすが、おべんとうのヒライ。

で、弁当を買おうと思ったらイートインコーナーもある。

弁当を買ってここで食べられるかもしれないが、ここで食事を注文して作りたてを食べられるのだ。

僕らは、「山ちゃんラーメン ミニカリーセット」と、「Theかつ丼!」を注文。

惣菜コーナーから「ちくわサラダ」を買ってきた。

熊本ラーメンを食べてないなぁ、と思った。

で、山ちゃんラーメン。・

山ちゃんと言えば手羽先のヤツかと思いきや、ラーメン。

豚骨だが意外とあっさりしていて美味しい。

昔食べたことがある桂花ラーメンとはぜんぜん違うなぁ。

僕は、こっちの方が好きかも。

カツ丼はでっかいカツがどーんと乗っていてさり気なく卵とじ。

メニューには、「大江戸カツ丼」と「Theカツ丼」の2種類あって違いが良く分からなかったけど、The の方が美味しそうな写真だった。

どちらも美味しいのだろうけど、「Theカツ丼」美味しかったです。

ごちそうさまでした。

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コメリホームセンター

熊本県の平野を走っている。

田んぼや畑が広がるのどかな場所だ。

ここで新潟県人として驚かされることがある。

「あっ!コメリだ!」

ミィが声を上げる。

新潟を出発してから70日あまり。

今は日本の南の端に近付いていた。

こんなところにも「コメリホームセンター」があるのだ。

新潟県を中心に店舗を展開している「コメリ」。

都市部にはなく、農村部で主に展開している。

ここまでもとんでもない山の中、辺鄙な田舎、そんなところを走っていて集落があると「コメリ」があった。

今は、熊本県にいるのだが、ここにも「コメリ」はあった。

この先もまだまだ店舗はあるのだろうが、この先どこまであるのだろうか?

そんなことが面白くなってきた。

「あっ!コメリだ!ホーム&グリーンだ!」

見つけるたびにミィが声を上げるのはこの先も続きそうだな。

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くまモンの聖地 くまモンポート八代

子供が大喜びで走り回っている。

大人達はこぞって写真を撮っている。

多くの人々がにこやかに歩き回っている。

あちこちにいるくまモンを目指して老若男女が歩き回っていた。

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くまモンポート八代に到着したのは午後3時を回っていた。

併設しているショップは閉まっていたが、公園のあちこちにくまモンの像があり大勢の人が写真を撮ったり、触ったり、抱きついたりしている。

立ってるくまモン。

戯けてるくまモン。

合唱をするかのような団体のくまモン。

お隣の太平洋セメントのタンクにもくまモン。

くまモン人気は相当なものだなぁ。

ミィは目を輝かせて写真を撮りまくっている。

そろそろ陽が傾いてきた。

僕は、キャンプ場までの時間を考え始めていた。

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御立岬キャンプ場

途中、食材を買ったりしながら八代から約1時間で今日の宿、御立岬キャンプ場に着いた。

名前の通り岬にある広い公園の中にあるキャンプ場だ。

スライダー、ゴーカート等の遊具、海釣りランド、そして2つあるキャンプ場。

海沿いの第1キャンプ場「うみのおと」、岬の中腹にある第2キャンプ場「ほしのもり」、この2つのキャンプ場を持つだけでその広さが良く分かる。

僕らは、「ほしのもり」のフリーサイトに泊まることにした。

広々とした芝生のサイト。

ものすごくキレイなキャンプ場で、炊事場もトイレもキレイ。

水際ではないが海沿いのサイト。

僕らは、海の見える場所にテントを設営した。

芝がフカフカで、気持ち良いサイトだ。

今夜も良い夢を見ることができそうだ。

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又土 御立岬温泉センター

テント設営後は温泉へ。

御立岬温泉センターは、テントサイトから離れているので車で向かうことにする。

日帰り温泉は、広くて、海の見えて、気持ちが良かった。

僕らは、温泉を堪能した。

温泉センターの駐車場で不思議なものを見つけた。

駐車スペースに縦書きで

 又

 土

と書いてあるのだ。

「?」

なんのスペースなんだ?

実はこれ、軽自動車用のスペースで「軽」の文字を省略しているらしい。

何故、車へんが無いのかは不明だが、熊本県内の駐車場で見られるらしい。

なんとも謎の光景だった。

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70日目のDATA

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2023/09/02(土)

天候:曇りのち晴れ 最低 24.2℃/最高 30.9℃

熊本県阿蘇郡南阿蘇村〜熊本県葦北郡芦北町

走行距離:152.6kmkm

総走行距離:9833.3km

 

2025/04/09

ぐるっと日本を旅してみた Vol.69

2023年9月1日(金)69日目

熊本県で有名な観光地は阿蘇だろう。

僕らはいよいよ阿蘇のカルデラに入るのだが、

その前に、熊本地震から復興途上の町を巡りながら、

くまモンとワンピースを巡る旅になる。

 

26都道府県庁目 熊本県庁

2011年、九州新幹線前線開通記念に生まれたくまモン。

この年には東日本大震災があった。

2016年、熊本地震が発生し被災した熊本県。

2019年に復興支援プロジェクトとして「麦わらの一味「ヒノ国」復興編」が動き出す。

ワンピースのキャラクター像が熊本県内に建てられたのだ。

このくまモンと、ワンピースに占拠されたのが 26都道府県庁目 熊本県庁だった。

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県庁へ入る通路の両脇は木立が立ち並び、キレイに手入れされている。

そしてそこの街灯にはくまモンと、ルフィーが描かれているフラッグが下がっている。

通路の途中にルフィー像が立っていて、観光スポットになっていた。

平日なので人影もまばらだが、ルフィー像の前で写真を撮ってる人がいる。

そして、僕らも・・・。

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県庁舎に入ってみると、広いホールにソファーが並んでいる。

僕はソファーに座って休憩をし、ミィは積極的にフロアをうろついていた。

そろそろ次へ行こうか、県庁の裏の駐車場に車を停めたので庁舎内を横切っていく。

隣の庁舎へ入ると木製の格子があり、角度を変えるとくまモンが現れる仕掛けになっていた。

こんなところにもくまモンか。

やっぱり、占拠されているな。笑。

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車に戻ってから気づいた。

「傘が無い」

今日は天気が悪くて小雨が降っていた。

折り畳み傘を持って県庁を散策していたのだ。

「休憩した時にソファに置いてきたのかも」

県庁舎へ戻って探したが見つからない、一応受付の人にも聞いたけど忘れ物として届いていないようだった。

「しょうがない」

僕は諦めて先に進むことにした。

 

日本一広いアーケード サンロード新市街

お昼を食べるために熊本市内の商店街へ行く事にした。

駐車場に車を停めて、大きなデパートの脇を抜けるとアーケード街に出た。

屋根が高く、幅の広いアーケード街、サンロード新市街だ。

アーケードの広さは日本一だそうで、18mある。

平日だというのにアーケード街には多くの人が歩いていた。

佐世保のアーケード街も結構賑わっていたが、熊本のアーケード街もかなり賑わっている。

休日だと更に大勢の人で賑わうのだろうか?

僕らは、買い物をするわけではないが巨大ショッピングアーけどを散策して回った。

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太平燕(タイピーエン) 紅蘭亭

熊本名物で食べてみたかったものに、太平燕(タイピーエン)があった。

サンロード新市街にある紅蘭亭で食べられる様なので行ってみる事にした。

太平燕は、熊本の給食にも出てくる県民食とも言えるものらしい。

僕は、そんな食べ物なら気軽にその辺の食堂で食べられるのだろうくらい簡単に思っていた。


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店の前まで来て驚いた。

立派な店構え!

一歩店内に入るとそこは食堂なんかではなく、小綺麗なお土産屋という感じだった。

目の前にエレベーター。

その脇の椅子に・・・マダム達。

エレベーターの前にスーツの女性。

「いらっしゃいませ。

こちらで受付をしてお待ちください、」

受付機に入力をしてちょっと緊張気味に10分ほど待って名前を呼ばれてエレベーターへ案内される。

到着したフロアにも案内人がいて席に案内してくれた。

席についたけど高級感あふれる雰囲気になんか落ち着かない。

僕らは、太平燕のランチセット、中華定食を注文した。

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太平燕とは、簡単に言えば春雨スープのことだ。

春雨の上に野菜や素揚げしたゆで卵が乗っている。

あっさりとしたスープとツルッとした麺が美味しい。

老舗中華店らしく添えられたおかずも美味しくて、箸が進む。

僕らは、熊本のローカルフードを堪能した。

ごちそうさまでした。

 

チョッパー 熊本市動植物園

熊本市の中心に江津湖という湖があり周囲が公園として整備されている。

その公園の中に熊本市動植物園がある。

割とこじんまりとした動物園だ。

駐車場に車を停めると、小さな女の子が嬉しそうにお母さんと手を繋いで歩いていた。

動植物園の前にある像に近づくとキャッキャッと楽しそうにして走り回り、お母さんが写真を撮っている。

僕らは、その親子の写真撮影が終わるのを待っていた。

そう、ここへ来たのは動植物園へ行くのではなくこの像に用があったのだ。

熊本復興支援プロジェクト「麦わらの一味「ヒノ国」復興編」で建てられたチョッパーの像があるのだ。

小柄で、ツノの生えたチョッパーが笑いながらそこにいる。

「ヒノ国」の復興はどこまで進んだのだろうか?

離れた地に住んでいると復興の状況はなかなか聞こえてこない。

街中を散策する分には平常に戻っている様にも見えるが、実際に住んでいる人にとってはどうなのだろうか?

そんな「ヒノ国」をチョッパーが見守り続けていた。

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ネギパン 高岡製パン

「ネギパンを食べようよ!」と、ミィが言う。

熊本のローカルパンらしい。

一体どこからそんな情報を持ってくるのか?

変な雑学だけは多いのだ。

 

高岡製パンは、健軍商店街ピアレスクというアーケード街の入口を左折したところにあった。

外装がレンガ風の3階建ての建物の1階に店舗がある。

街のパン屋さんといった風情の店内には、惣菜パンや、菓子パンがずらっと並ぶ。

どれも美味しそうだった。

「これ、これ、これ」と、ミィがネギパンを見つけた。

半月の様な形をした白いパンが、ビニルのパッケージに入って売られている。

パンを買うと僕らは車に戻り食べる事にした。

ネギパンは、白いパン生地に刻んだ長ネギを乗せて焼いてある。

中の具はおかか。

ふわっとして、モチっとしたパンはちょっと塩気があって美味しい。

おやつ程度に食べてみたのだが、いろんな種類のパンを買って食べ比べも楽しかっただろうな。

美味しかった。

ごちそうさまでした。

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サンジ 益城町交流情報センター ミナテラス

地震で壊れた道路を修復しているのか?

拡幅工事なのか?

熊本地震の震源地だった益城町はあちこちで道路工事をやっていた。

益城町の体育館に車を停める。

その隣にある益城町交流情報センターミナテラスに用があった。

ここには麦わらの一味の「サンジ」がいる。

サンジの像の前には海外からの旅行者だろうか、東南アジア系の2人の若者が写真を撮りあっている。

僕らは、しばらく待ってから像の方へ行った。

熊本地震で益城町は大きな被害が出た。

学校給食センターも被害を受けていてその復旧に2年かかったそうだ。

その状況を受けて「コックのサンジが益城町を応援に来た」と、いうことで像が立っている。

 

食事の心配はするな、とでも言っているのだろうか?

お盆を片手に持ち、サンジがにこやかに立っていた。

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ナミ 俵山交流館萌の里

俵山交流館萌の里は、思った以上に混んでいた。

物産館を出入りする人が大勢いる。

僕らは物産館の脇の坂道を登っていく。

同じように坂道を上り下りしている人もたくさんいる。

大体目的は同じだと思う。

ここには、「麦わらの一味」のナミがいるのだ。

 

坂を上がったところで撮影大会が行われていた。

皆、カメラを構えてナミの写真を撮っている。

結構海外からの観光客も多いようだ。

それに混じって僕らも写真を撮る。

万国共通。

やる事は一緒だ。

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「X」 桑鶴大橋

つまんない事が気になることがある。

おぉこれは! その時は、そんな風に感じてるのだ。

「X だ!」

思わず目に入ったものを声に出していた。

桑鶴大橋の橋脚が「X」になっていた。

ちょうど、

Twitter の CEO がイーロン・マスクになり、

Twitter が X になり、

ツイートがポストになって約1ヶ月。

そりゃ反応もするよ。

この絵面はまさに「X」だった!

僕とミィは、しばらく「X」で盛り上がっていた。

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学校の施設? 南阿蘇久木野キャンプ場ヒカリトモリ

「学校?じゃないの?」

駐車スペースに車を入れようとしたら入口に

「くまもと清陵高等学校」の看板、というか校門がある。

「南阿蘇久木野キャンプ場ヒカリトモリ」の駐車場案内板は、その校門に向けて矢印が書いてあった。

校門の先に校舎が見える。

ほんとに学校のようだった。

校門を入ってすぐ左へ曲がると校庭というかグランドのような場所があり奥にキャンプ場への門があるようだった。

そのグランドを横切って車を停める。

キャンプ場への門を入ると小屋があり、そこでチェックインをする。

今日も僕らだけなのでサイトは選び放題。笑。

一旦駐車場を出たら受付の脇の通路を奥に進むとテントサイトがあるらしい。

ものすごい森の中へ入っていく感じで簡単に整地されたサイトが森の中に点々とある感じだった。

その一つを選んだが、サイトが広くて、車を置いても余裕でテントを立てることができた。

今夜は、木々に囲まれて静かな夜を過ごすことができそうだ。

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南阿蘇鉄道 南阿蘇水の生まれる里 白水高原駅

阿蘇山の麓を南阿蘇鉄道という鉄道が走っている。

1985年、国鉄 高森線が廃止となり第三セクター鉄道として再出発した鉄道だ。

その途中駅、「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」へ行ってみた。

なんとも長い名前の駅名だ。

この駅の周辺は湧水が多いのでこういう名前になったのだろう。

駅舎に入ってみる。

時刻表を見るとしばらく列車は来ない様だった。

夕暮れ時で人気もなく静まり返った駅。

僕ら2人だけでそんな場所を楽しんだ。

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阿蘇白水温泉 瑠璃

阿蘇白水温泉瑠璃の建物は木造で大きな建物だった。

宿泊棟もあるらしく、その分建物が大きいのだろう。

建物に入ると天井の高いホールになっていて、産直販売所となっていた。

別棟が渡り廊下でつながっていて休憩スペースがあり、そこから階段で下に降りていくと中庭が池になっていて錦鯉が泳いでいるのが見えた。

その先の通路が浴場に続いている。

温泉は、それなりに混んでいたがそれでもゆっくりと温まることができた。

風呂からあがり、休憩スペースでミィを待つことにする。

スペースには椅子ではなく、クッションがたくさんありくつろぐことができた。

風呂上がりのコーラが美味かった。

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僕らは、キャンプ場へ戻り、阿蘇の山々に抱かれながら夜を過ごした。

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69日目のDATA

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2023/09/01(金)

天候:雨のち曇り 最低 24.4℃/最高 29.6℃

熊本県宇城市〜熊本県阿蘇郡南阿蘇村

走行距離:112.0kmkm

総走行距離:9680.7km

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