ぐるっと日本を旅してみた Vol.89
僕は、この旅で初めて高速道路を走る事にした。
鳥取県へ向かうのだ。
関西から中国地方へ抜ける頃、ちょうど台風のコースとぶつかり、鳥取県だけは足を踏み入れていなかった。
四国から和歌山県へ抜ける予定だったが、ここを逃すと鳥取へは行けなくなってしまう。
距離と、時間を稼ぐために高速道路で鳥取へ向かう事にした。
嬉しいことに、全く予定していなかった瀬戸大橋を渡ることができるのだ。
今日は、天気も良く最高のドライブになりそうだ。
鉄筋コンクリートで作られた香川県庁舎の外観は、かなり目を引く建物だった。
ミルフィーユ状に重なった構造の8階建てになっている。
代々木体育館を設計した丹下健三氏の設計で、元々本館として機能していたが現在はその隣に22階建の本館が建ったのでこちらは東館としている。
国の重要文化財に指定されている建物だ。
中は広いホールの様になっていて、県庁舎建築の過程、丹下健三氏の紹介、検討者の模型などが展示してあり自由に見学ができる。
ここだけ博物館の様な雰囲気だ。
奥へ進み本館へ入った。
エレベーターで21階へ上がるとそこは展望フロアになっている。
360度ぐるりと高松市内を見渡すことができた。
香川県内唯一と言って良いほどの高層ビルなので視界を遮るものはない。
海岸線から四国山地まで見渡すことができる。
かずら橋、金比羅さん、仁淀川、足摺岬・・・。
セルフうどん、丸亀の骨付鳥・・・。
行きたかった場所、食べたかったものがまだまだたくさんあったが。
四国を離れる事にする。
この旅は、まだまだ続くのだ。
瀬戸内海の上、瀬戸大橋を走っていた。
青い空の下、青い海の上を一直線に道路が続いている。
視線を遮るものは何も無い。
行く手を遮る信号も無い。
ただただ、鳥取を目指すのみ。
とはいえ、このキレイな風景を一瞬で通り過ぎるのももったいない。
僕は、瀬戸内海の小島、与島にある与島パーキングエリアに寄ることにした。
「キレイだね」
パーキングエリアの展望台から海を眺める。
振り返ると巨大な吊橋、瀬戸大橋が視界いっぱいに入ってくる。
「あっ、電車が来た!」
瀬戸大橋は瀬戸中央自動車道の車道とJR 瀬戸大橋線の鉄道道路併用橋となっている。
その瀬戸大橋線を快速マリンライナーが四国へ向けて走っていった。
四国を離れる前に讃岐うどんを食べようと思った。
パーキングエリアの「架け橋夢うどん」さんで四国最後のさぬきうどんを食べる。
「うどん」と言えば、腰のあるのどごしの良いうどんというイメージを植え付けたのが「さぬきうどん」だと思っている。
それだから九州で食べた腰の無いうどんの衝撃がすごかった。
どちらが良いかという問題ではない。
どちらも美味しいうどんなのだ。
僕らは、腰のある美味しいうどんを堪能した。
青い空の下、青い海の上を一直線に道路が続いている。
視線を遮るものは何も無い。
行く手を遮る信号も無い。
再び、僕は鳥取を目指して走り始めていた。
瀬戸中央自動車道、
山陽自動車道、
岡山自動車道、
中国自動車道、
米子自動車道と乗り継いで米子市を目指した。
中国自動車道に入る頃には、空が曇り米子に近づくにつれて雨足が強くなってきた。
さっきまであんなに晴れていたのに・・・。
米子で高速道路を降りると国道431号線で境港市へ向かう。
水木しげる氏の故郷。
妖怪が溢れる街だ。
境港市営の観光駐車場に車を停めると、ミィは水木しげるロードに行った。
僕は疲れて車の中で休んでいた。
雨はますます強くなる。
30分ほどうとうとしながら車内にいたが、外に出てみる事にした。
JR境港駅が近くにあるのでそこまで行ってみる。
大きな建物があり、「でかい駅だなぁ」と思ったらそこはフェリーターミナルと観光案内所が一緒になった建物だった。
駅舎はその隣にこぢんまりと建っていた。
駅の周囲には目玉親父の街灯が立ち、ゲゲゲの鬼太郎やネズミ男が水木しげる先生を囲んで話をしている。
その他街角のあちらこちらに妖怪の像が立っていた。
妖怪が会議をしているという体らしい。
境港駅はなんとも楽しい駅だった。
水木しげる記念館へ行こうと思ったが、改修中で休館していた。
その代わりに面白そうな場所を見つけたので境港フェリーターミナルへ向かう事にした。
境港フェリーターミナルは、隠岐島へのフェリーが発着していた。
以前は、ここから韓国、ロシアへとフェリーの出る国際ターミナルでもあった。
観光案内所もあり、ここへ来れば境港周辺の情報を手に入れることができる。
レストランもあり食事もできるようだ。
そして、その2階に「妖怪倉庫」がある。
妖怪に関する博物館的なものだろうと、ミィと2人で入ってみる事にした。
中は、狭い通路がありいかにも妖怪が出てきますと言った雰囲気の作りになっている。
そこに、鬼太郎、目玉親父、猫娘、ねずみ男がところどころにいたり、
イッタンモンメが空を飛んでいたりと見ていて楽しかった。
写真を撮ったり、妖怪の造形を楽しんだり、わいわい言いながら進む。
そして、出口まで来た時、僕はふと気づいた。
・・・これは、お化け屋敷だった・・・と。
来日観光客に人気のスポットがあった。
特に観光地ではないのだが、映えスポットだという。
是非とも見て見たいと思いその橋へと向かった。
宍道湖に続く中海に浮かぶ江島。
その島へ向かう江島大橋は、鳥取県境港市から島根県松江市の江島へ渡る橋だ。
車で走ってみるとなんて事はない、2車線の橋。
橋の下を船が通るのか中央が高くなっている。
島根県側へ抜けて、コンビニの駐車場に車を停めた。
今来た道を見てみようと道路へ戻ると、学生らしい4人組が交差点でわいわい楽しそうにカメラを構えていた。
そのレンズを向けた先を見ると、確かに壁の様な坂道を車が上り下りしていた。
「すごいね!」
有名な写真は、江島の先にある大根島から超望遠で撮っているらしい。
ただここからでもその凄さがわかる。
「すごい!すごい!」
学生たちと一緒になって感激していた。
今夜泊まるホテルの周辺に食事のできる場所が見当たらなかったので、コンビニで弁当でも買おうかという話になった。
江島橋を再び渡り鳥取県側へ戻ると近くのローソンに入った。
「ポプラだ!」
駐車場に入るとミィが叫んだ。
店の看板に「LAWSON + ポプラ」と書いてある。
ポプラは、広島発祥の中国地方のローカルコンビニだ。
今は、ローソンと資本提携して「ローソン・ポプラ」というブランド展開をしている。
「ポプ弁を食べようよ」
ポプラの弁当だから「ポプ弁」。
ちょっと楽しみ。
店内はローソンなのだが、ポプ弁コーナーがあり、たくさんの弁当が置いてある。
その中から僕らは、唐揚げ弁当と、焼肉弁当を買うことにした。
この弁当をレジに持っていくと炊きたての御飯をよそってくれた。
コンビニにほか弁がくっついた感じだろうか。
面白い店でした。
そのホテルは不思議な形をしていた。
建物は円筒形になっていてその上は四角いフロアになっていた。
例えると、茶筒の上に箱が乗っている感じだ。
ホテルエリアワン境港マリーナ は、外観が不思議な建物だった。
チェックインを終えて客室のフロアへ行くと廊下が周を描いている。
その外側に部屋があるのだ。
だから部屋の形も四角ではなく、上辺と下辺が弧を描いた台形だった。
なんとも不思議な空間に僕らはいた。
荷物を置くと早速夕飯を食べる。
炊きたてご飯のポプ弁は温かかった。
ふりかけがお弁当に着いているのが嬉しい。
そして、美味しい!
唐揚げはカラッと揚がっていて外がカリッ、中がジューシー。
焼き肉は味付けもちょい濃い目でご飯が進む。
美味しかった。
ごちそうさまでした。
2023/09/21(木)
天候:晴れのち雨 最低 25.4℃/最高 29.6℃
香川県高松市〜鳥取県境港市
走行距離:244.8km
総走行距離:12033.3km
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