ぐるっと日本を旅してみた Vol.76
今日は、ミィの要望に付き合う日になる。
旅に出る前からミィが楽しみにしていた日だ。
ただ、目的地がちょっと特殊な場所に合った。
車が使えれば何て事ないのだが。
車は無いので、モノレールや、バスを駆使して那覇を楽しもう。
目の前になんとも不思議な建物があった。
「マンションだよね」
僕とミィは、その不思議な建物の前で首を傾げていた。
その建物は、コンクリート造りで、格子状の柱のような物で覆われたフロアが重なってできている、
その1層が少しづつ小さくなっていて斜めの壁を作っているのだ。
ブーツを正面から見たような感じだろうか。
洒落たマンションだなぁ、と思っていたらそれは那覇市役所だった。
「役所!」
斬新な庁舎にビックリした。
「カッコいい!」
沖縄に来ると色々なところでシーサーを見かける。
市役所の隣の交番には、赤いシーサーが立っていて、その奥には「愛のシーサー公園」というのがあった。
文字通りシーサーのモニュメントが立っている公園だ。
到着した時には、暗くてあまり実感はなかったが、いよいよ「沖縄」にやってきたという気になった。
28都道府県庁目 沖縄県庁に到着した。
那覇市役所を見た後だと、なんとも特徴のない県庁舎に見えてしまう。
庁舎の正面に公園が整備されていて、一段上がったところに庁舎が立っている。
人影がまばらだが庁舎の中に入ってみる。
中は天井が高く広いホールになっていて、その天井から大きくてバスケットボールの選手が描かれた垂れ幕が何本も下がっていた。
「FIFA バスケットボール 2023」が沖縄で開催されているのだ。
あわよくば、決勝戦を見れないかな?とも思ったが、今更チケットが取れるわけもなく、そもそも試合情報も知らないのだからそれは無理だった。
物産品や特産品の展示や、観光案内的なコーナーも見当たらず、ワールドカップの広告以外にはあまり沖縄らしさを感じる事ができなかった。
沖縄県庁舎を出ると強い日差しが照り付けていた。
湿気はなく、カラッとしているが暑い事には変わりがない。
ここから移動するのだが、車がないので公共交通機関に頼るしかない。
県庁から歩いて大きな交差点を越えると道路を跨ぐように高架がかかっていた。
沖縄県唯一の鉄道、「ゆいレール」だ。
ゆいレールは、那覇空港から那覇市内を通り、首里城の近くを通って、てだこ浦西駅までを結んでいる。
Suicaで改札を抜けてホームに上がる。
ホームは、都会にあるような長さはなく、短いホームだった。
モノレールは、東京や大阪で乗ったことはあるが雰囲気が全く違っていた。
やがて、どこかずんぐりと丸みを帯びた短い車両が2両編成でやってくる。
空港行きということもあり、大きな荷物を持った人がたくさんいて車内は混み合っている。
高架になったレールをゆっくりと進むゆいレール。
その分周囲の景色を見渡す事ができる。
川を渡り、公園の脇をすり抜けると間もなく那覇空港に到着した。
僕らは、人の流れのまま出発フロアに入るが、すぐに到着フロアから外へ出た。
飛行機に搭乗するのではなく、バスに乗り継ぐのだ。
那覇の市内や市外へと多くのバス路線があり、市内のバスセンターから発着しているのだが、那覇空港もバスが多数発着している。
飛行機で到着した観光客がバスで沖縄本島の各地へ行けるようになっているのだ。
路線番号TK02という糸満のリゾートホテルへ行くバスに乗る。
ホテルの送迎のバスかと思いきや路線バスとして走っているらしい。
リゾートホテルへ行く観光客に混じって僕とミィはバスに乗り込んだ。
同じ観光客だが、手ぶらで乗っているのは僕らくらいだろうか。
多くの客を乗せてバスは走り出した。
沖縄を走っているのに東京バスという会社のバスだった。
リゾート開発した会社のバスなんだろうな。と思ったが、車内で整理券を見たら大阪バスと書いてある。
沖縄を走る大阪バスの整理券で東京バスが運行するバス。
なんかおかしくって、1人で笑ってしまった。
バスは、市街地とは反対の方向へ南下して行く。
しばらく走って通りを右折すると、海中道路を渡って瀬長島へ入る。
小さな島で中央の小高くなったところに大きなホテルが立ち。
海岸沿いの周回道路沿いに、ショップやレストランが並ぶリゾート地だ。
狭い道路に車が路上駐車してあり、そこをすり抜けるようにバスが進む。
ホテルの前のバス停で多くの人が降りていく。
欧米人や、アジア系の訪日観光客が多いようだ。
バスは再び本島へ戻りバイパスのような道路を走っていく。
いくつか立ち寄った後、「道の駅いとまん」に到着した。
僕とミィは、バスを降りる。
ここが今日の目的地だった。
道の駅でバスを降りると、ミィは店内の案内図を確認すると足早に店内に入って行った。
物産館の入口脇にあるキャラクターグッズを売っている小さなお店がお目当てだ。
それが「マルシェ・ド・ピクルス沖縄」だった。
ミィが大好きなカエルのキャラクター「ピクルス」のグッズを販売しているショップだ。
日本一周に出る前から「沖縄に行ったらピクルスのお店に行くから!」と、楽しみにしていた場所だった。
小さな店内をざっと見渡して、僕は外に出た。
特に思い入れもないので物産館の中を見て回る。
ぐるっと回って戻ってきたが、ミィは店員さんと話に夢中になっている。
どちらかといえば人見知りなミィがここぞとばかりに話し込んでいる。
好きなものがあることは良いことだ。
僕はベンチに座って待つ事にした。
しばらく待っているとミィが満面の笑みを浮かべてやってきた。
「悩んだけど、買ってきた」と、ピクルスのグッズを大事そうに抱えている。
「ぐんまちゃん」グッズを見ていた時と同じくらいの、この旅一番の笑顔だ。
「東京の亀戸にもあるからよろしくね。」
すでに東京の予定も決まっているのだ。
道の駅いとまんは、4つの建物で構成されていた。
リアルタイムの道路情報案内や、道路状況のモニタ、工事予定などが置いてある道の駅の情報館。
野菜やフルーツを売っている JA沖縄の店舗、ファーマーズマーケットいとまん うまんちゅ市場。
横に長い大きな建物で、物産、土産物、海鮮、フードコートなどが入った物産館、糸満市物産センター遊食来(ゆくら)。
そして、それらの中央にイベント広場として、大屋根がある。
その屋根の下にテーブルや椅子があり、多くの人が売店で買ってきた物をここで食べていた。
僕らは、遊食来の中にある おさかなセンターを見て回った。
特に海鮮のコーナーに様々な魚がいて面白かった。
キレイな色の魚が多くて、青い魚なんかもいる。
おやつ?に刺し身を食べてみることにした。
ミーバイ (ハタ)と、
イラブチャー(ブダイの仲間)
を買って、イベント広場の席で食べてみる。
どちらも白身で淡白で美味しい。
ごはんが欲しくなってしまう。
時間はもうすぐお昼だった。
道の駅いとまん から再びバスに乗る。
那覇空港へ戻る便で10分ほど乗り次のバス停「イーアス沖縄豊崎」で降りる。
目の前のショッピングモール iias(イーアス)沖縄豊崎が目的地だ。
まずは、フードコートへお昼を食べに行く。
うどん、らーめんから肉、海鮮と種類も豊富だ。
その中から「タコライス cafe きじむなぁ」さんでタコライスを食べることにした。
タコライスとオムタコを注文。
昨夜はタコス、今日はタコライス。
中身は一緒らしいけどやっぱり違うね。
ご飯の上にレタスと挽き肉たっぷりで美味しい!
タコライスの上に薄焼き卵を乗せたオムタコは、見た目がオムライスだが、中身はタコライス。
こちらも美味しかった。
ごちそうさまでした。
「水族館へ行くぞ」と、言うとミィが喜んだ。
「美ら海へ行くの?」
「かりゆし」
「エッ?」
iias沖縄豊崎には水族館が併設されている。
それが DMMかりゆし水族館だ。
美ら海に比べたら圧倒的に小さいのだが、水族館には違いがない。
この水族館、都市型の水族館で、規模は小さいけれど、その見せ方が良くて、沖縄近海の色とりどりの熱帯魚などを飽きずに見ることができた。
他にはペンギンもいて可愛らしい姿で癒やされる。
さらに進むと扉で分けられた区画があった。
そこは、ペリカン、アルマジロ、ミーアキャットや、大きなリクガメにメンフクロウがいた。
小さな動物園のような場所だった。
その中心には、木の上にナマケモノがぶら下がっていた。
こんな間近で見る事も無いだろう。
ナマケモノはなんともノンビリとした動きをしている。
餌やりもできるようで、子供達がチャレンジしていたが、餌を取るのもノンビリした動きで見ていて楽しかった。
フロアが変わると今度は、ホールのような広い所に水槽がたくさん置いてあり、ちょっと近未来的な雰囲気もある所に出た。
水槽の周りを子供達が楽しそうに回っている。
更に進むと大水槽があり大小様々な魚が泳いでいた。
その前がフードコートになっていて軽食を食べながら魚を見ることができる。
美ら海水族館の代わりに寄ってみたのだが、なんだかんだ3時間近く見て回っていた。
ミィも満足したようだった。
「今度は、美ら海行こうね」
まだ諦めていなかったか。
美ら海に行けるのは、いつになるかな?
再び那覇空港行きのバスに乗る。
瀬長島のリゾートホテルによりながらバスは空港へと走る。
途中の赤嶺でバスを降りる事にした。
空港の手前でモノレールに乗れることに気付いたからだ。
赤嶺駅はバス停のすぐ近くにあった。
そこからホテルの近く旭橋駅までモノレールに乗って行くとすでに午後6時を過ぎていた。
「夕飯食べてからホテルに戻ろうか」
今朝、モノレールの駅の近くに気になるお店を見つけていた。
「みつ子ばぁばの台所」と看板に書いてあったのだが、いかにも沖縄料理を出してくれそうな雰囲気だった。
その店は、旭橋駅から歩いてすぐの所にあった。
中を覗くと狭い店内は、大勢の人で埋まっていたが、どうにか真ん中の2人がけの席に座ることができた。
オリオンビールを飲みつつ、ミミガー、海ぶどう、ジーマーミー豆腐、ゴーヤチャンプルなど耳にしたことのあるものを無難に頼んでみたり。
「あんだんすぅ〜」という耳なじみのないものを店員さんに確認しながら頼んでみたりした。
豚の脂を味噌で炒めた物らしいく、小鉢に入った味噌を少しづつ舐めながらビールを飲んだ。
沖縄の料理は何を食べても美味しい。
地元、新潟では食べることの無い物ばかりを食べて沖縄を感じていた。
ミィがチャンポンを頼んだ。
「麵じゃないですよ」店員さんにそう言われると
「それが食べたいんです」とミィが答えた。
野菜たっぷりのチャンポンの具が、麵ではなくご飯の上に乗っている。
それが沖縄のチャンポンだった。
野菜炒めライスのようなものだがこれが美味しい。
僕は、シメにソーキそばを食べると、お腹がいっぱいになった。
美味しかった!
ごちそうさまでした。
2023/09/08(金)
天候:雨のち晴れ 最低 27.5℃/最高 30.5℃
沖縄県那覇市
走行距離:—-km(バス移動のみ)
総走行距離:—-km(車無し)
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