ぐるっと日本を旅してみた Vol.73
大隅半島は面白い。
自然がいっぱい。
海がキレイ。
空港は無いのに飛行機好きが楽しめる。
鉄道は通っていないのに、鉄道好きも楽しめる。
ロケットも飛ぶ。
不思議な神社が建っている。
そして、荒々しい桜島。
見所が多すぎて、一日では回りきれない半島だった。
「宗谷岬 2700km」
そう記された道路標識が立っている。
宗谷岬からここまで車で走ってきた。
寄り道しながらなのでこの倍以上の距離を走ってきた事になる。
そしてたどり着いた日本本土の一番南の道の駅ねじめ は、開店前なのかまだ扉は閉ざされていた。
それでも観光地として成り立っているのか、観光バスが停車して多くの人が降りてくる。
ほとんどの人が開いていない売店を覗き込んではトイレに向かっていく。
そして「日本本土で一番南の道の駅」と書かれた看板の前で記念撮影をしている。
鹿児島市内か、近くの温泉ホテルで宿泊してからやってきたのだろう。
僕らのように宗谷岬から来た訳ではないだろう。
北海道を離れてずっと南下してきた僕らは、再び北上する旅を始めたのだった。
知覧と同様に特攻隊の出撃基地となった場所がある。
それが大隅半島の中央部にある鹿屋市だ。
最も多くの特攻隊出撃したという歴史がある。
その鹿屋市には現在、海上自衛隊鹿屋航空基地がありそこに併設されて資料館がある。
旧日本海軍の資料や、特攻隊員の遺影、遺書なども展示されていて当時の生々しい様子を知る事ができた。
同時に海上自衛隊の記録、資料も展示されていて現在の動向も知る事ができる。
資料館の周囲にはこれまで見てきた航空博物館と同様に実機の展示もあり、ミィが大喜びで写真を撮っている。
中でも目を引くのが、
「二式大艇だよ!」
ミィが真っ先にかけて行った先には、大型の飛行艇が鎮座している。
二式大型飛行艇、通称「二式大艇」だ。
「でか!」
それが最初の感想だった。
こんな大きな飛行機が戦時中の空を飛んでいたとは、驚いてしまう。
空飛ぶ戦艦とも呼ばれ、攻撃性のも優れているという。
その二式大挺が空飛ぶことなくここに固定されている。
それが平和ということなのだろう。
鹿屋航空基地史料館を出た僕らはお昼を食べることにした。
近くに一番食堂という食堂があった。
L字型のカウンターとテーブルがある町の食堂といった感じの店だ。
カレーやうどん、定食といったメニューが並び、ここにもチャンポンがあった。
しかし、ここはラーメンが気になった。
ラーメン小、中、大、特
と、メニューが並んでいて力が入っている。
僕らはラーメンを頼む事にした。
スープは豚骨。
醤油や塩といった区分はない。
ラーメンといえば豚骨。
麺の上にもやしとネギ、そしてチャーシューが乗ってるシンプルなラーメンだった。
臭みのない豚骨スープは麺とあっていてとても美味しい。
九州に来たのに豚骨ラーメンは熊本で食べただけだった。
美味しい豚骨ラーメンを味わう事ができた。
美味しかった。
ごちそうさまでした。
「鉄道記念館があるよ」
こんな所に鉄道記念館?
ちょっと不思議な気がしたが行ってみる事にした。
記念館は鹿屋市役所の隣にあった。
車は市役所の駐車場に停める事になる。
小さな駅舎を模した鉄道記念館だった。
中に入ってここに記念館がある理由が分かった。
国鉄大隈線の跡地にできているのだ。
「いらっしゃいませ」
にこやかに館長さんだろうか?職員さんが出迎えてくれる。
古い鉄道部品や、作業道具が並ぶ館内を見ていると、
「ここはね大隅線の駅だったんですよ。」と、館長さんが話してくれる。
「この道具は線路の補修で使ってね。
こっちは保線用の人力の車両ですよ。
乗ってみます?」
ペダルの付いた作業車を指差した。
「ビデオもあるので見ていってくださいね。」
僕らだけだったのもあるのだろうが、事細かに説明をしてくれたのだ。
外に出るとホームにキハ20が鎮座していた。
もう、走ることのない線路の上に。
大隅半島は面白い。
昨日は、並立鳥居の諏訪神社に寄った。
今日は、硝子の鳥居だ。
神徳稲荷神社は、鹿屋市の町外れの丘の上にあった。
驚かされるのは、まず透明な硝子の鳥居が立っているのだ。
両側にキツネを従えた、ちょっと緑がかった硝子の透明な鳥居。
その鳥居の後に稲荷神社らしく、赤い鳥居が木立の間を何本も連なっている。
千本鳥居と言うらしい。
鳥居をくぐると、池があり赤い橋が架かっている。
その橋の向こう側は、本殿があるのだが。
まるでちょっと洒落た喫茶店か、レストランの様な雰囲気なのだ。
中を覗くと祭殿があり、そこが神社だと言うことを示しているが、土産物でも売っていそうな雰囲気もある。
ところどころ、キツネのマスコットが群れていて可愛らしい。
女子受けしそうな佇まいの神社だ。
鳥居をくぐると、池があり赤い橋が架かっている。
その橋の向こう側は、本殿があるのだが。
まるでちょっと洒落た喫茶店か、レストランの様な雰囲気なのだ。
中を覗くと祭殿があり、そこが神社だと言うことを示しているが、土産物でも売っていそうな雰囲気もある。
ところどころ、キツネのマスコットが群れていて可愛らしい。
女子受けしそうな佇まいの神社だ。
トイレ休憩をするために国道沿いの荒崎パーキングに車を停めた。
トイレとちょっとした公園のような設備のある小さなパーキングだ。
シュロの木が立ち、錦江湾に面して、桜島も見える景色の良い所だった。
ぼうっと海を眺めていた時だった。
「何かいる!」
海の上に黒い影が見えた。
その影は大きく体を海上に見せるとスッと海中に入りまた出てくる動きをしていた。
「イルカだ!」
僕は、少し離れた所にいたミィを読んだ。
「ミィ、イルカがいるよ!」
ミィもやってきて一緒にイルカを眺めた。
1、2頭のイルカに見えたが、他にも何頭か姿を見せたので結構な群れのようだ。
イルカウォッチングのできる海域を通るフェリーからは見ることはできなかったが、こんな道路沿いの公園でイルカを見る事ができるとは。
遥か彼方、豆粒のような姿だったが、それは紛れもなくイルカだった。
水族館以外で、野生のイルカを見たのは初めてで、僕もミィもちょっとテンションが上がっていた。
イルカ達は錦江湾の奥、桜島へ向かって悠然と海上を進み、やがて視界から消えた。
ゴツゴツした岩の間を遊歩道が続いている。
しかし、岩の様相が渓谷で見ることができるような岩では無い。
大粒のサラッとした砂、というより砂利の中に大きなボコボコしたような岩が辺り一面に広がっている。
それが溶岩流の跡だった。
溶岩流には背の低い木々が茂っているのだが、ある場所に出ると木々が無くなり岩だけの風景が広がる。
その背後には三角錐形の山体が迫り、
その頂上部付近から噴煙が上がっている。
それが桜島だった。
遠くからもその山体、噴煙が良く見えていたが、大隅半島から地続きとなっている桜島に渡ると迫力があった。
有村溶岩展望所から間近に見るとさらに迫力を感じる。
噴煙は上り続けているが、更に大噴火が起きたらどうなるんだろうか?
ところどころある待避壕を確認しながら足を進めた。
30分ほどかけて遊歩道を周遊して駐車場に戻ってきた。
ふと気付くと、パンパンに膨らんだ黄色いゴミ袋が置いてあった。
何でゴミをこんな所に集めているんだろう?
ちょっと疑問に思ったが、「火山灰だ!」と気付いた。
それくらい日々火山灰が降り注いでいるのだろう。
離れている鹿児島市内でも火山灰が降り注ぐという。
麓ではゴミを集めるように、火山灰を集めているんだろうな。
毎日これをやるのは大変だなぁ、と思った。
もう少し、桜島の火口に近づこうと思った。
桜島の火口に向かって山道を登って行く。
うねうねと曲がりくねる道は、高度を増していく。
湯之平展望所の駐車場に車を停めて階段を登ると、展望台と言うべき建物があった。
展望台の2階に上り展望フロアから目の前の桜島を眺める。
噴火口が見えるわけでは無いが噴煙が立ち上っていて迫力を感じる。
展望フロアを桜島と反対側に行くと錦江湾を挟んで鹿児島市が一望できる。
眺めの良い展望所だ。
観光客も有村溶岩展望所よりも多いようだ。
外国人客も含めて多くの人が桜島の噴煙を眺めている。
僕らもこの雄大な風景を眺めていた。
「なにこれ?」
それが大型のフェリーを見た時の最初の感想だった。
湯之平展望所から降りてきた僕らは、桜島と鹿児島市を結ぶ桜島港フェリーの乗り場に向かった。
乗船は簡素化されていて、フェーリーターミナルの窓口に行かずに車に乗ったまま料金所で料金を支払うと、誘導に従って車両の待機スペースへ進んでいく。
すぐにフェリーが到着する。
かなり頻繁に発着しているようだった。
到着したフェリーから車が降りてくる。
意外と大きなフェリーで車両甲板が2階建てになっていた。
1層目からの車と、2層目からスロープで降りてくる車がある。
まるで、トミカタウンの駐車場のようだった。
乗船の誘導が始まると案内された車が順番に1層目に吸い込まれていく。
僕らの車列の順番になると、誘導員は2層目へのスロープへ誘導を始めた。
「ラッキー!」
思わず口にする。
体験したことのない事を体験できるのはどんなことでも嬉しい。
僕はスロープを登って2層目の車両甲板に車を停めた。
15分程の航海なので車内で待機する人もいるようだったが、デッキへ出ることにした。
観光客がデッキへ、地元の人は車内で待機、そんなかんじだろうか。
僕らは、風に当たりながら桜島の雄大な風景を楽しんだ。
反対側には鹿児島市の中心部が見える。
大隅半島へ向かうフェリは桜島以外にも何本も出ている。
海上にはそれらのフェリーが何艘も行き来していた。
フェリーが出航してあっという間に鹿児島市側の港に到着する。
僕は車両甲板からスロープを下ると鹿児島市へ車を走らせた。
27都道府県庁目、鹿児島県庁に到着した。
フェリー乗り場から海沿いを市街から離れるように進んだ所に近代的な高層ビルが立っていた。
20階建ての県庁舎の18階が展望ロビーになっているらしい。
僕らは県庁の中に入った。
すると、吹き抜けになったロビーで目の前にエスカレーターがあった。
そのエスカレーターの2階部分に大きな人影、おそらく西郷さんをモチーフにした絵柄だと思うが、両手を大きく広げて笑っている。
そしてエスカレーターの各段に焼酎の瓶が大量に乗っている。
階段に雛人形が飾られているのは見た事があったが、焼酎の瓶は初めてだ。
さすが焼酎消費ランキング1位の鹿児島だ。
これほどの種類の焼酎が作られているのか。
焼酎の展示に感心しながら、エレベーターへ向かった。
18階の展望ロビーは、「かごゆいテラス」と名付けられていて周回できる構造になっている。
錦江湾を挟んで桜島が見える他、鹿児島市街地や周囲の山々を見る事ができる。
市内に高層ビルが少なく展望は開けている。
誰もいない「かごゆいテラス」でのんびりと桜島を眺めていた。
今夜は、鹿児島市の繁華街に宿を取った。
宿を出ると目の前に商店街が広がり、デパートもある。
大きな通りには路面電車も走っていて大勢に人々が行き交っていた。
夕飯を何食べよう?と探していると「びっくり焼き」というのを見つけた。
歩いて10分ほどのところに店があったので行ってみる事にする。
路面電車も乗りたかったのだがちょうど用意路線がなかったので徒歩で向かう。
通りからはずれ、人気の少ない通り沿いに「びっくり焼き亭」はあった。
カウンターとテーブルが3つほどの小さな店だ。
店主が1人でやっているようで、券売機で食券を買うと店主に手渡してから2人がけのテーブルに座った。
生ビールを飲んでいると食事を運んできてくれる。
ご飯、味噌汁、漬物とびっくり焼き。
びっくり焼きは鉄板の上に乗っていて肉とキャベツの炒め物といった感じだ。
元々福岡のB級グルメらしく、福岡のお店がチェーン展開して鹿児島にも店を出しているそうだ。
甘塩っぱくてご飯が進むのだが、卓上に「辛口」「激辛」と書かれた味噌が置いてあり、味変ができて更にご飯がすすむ。
福岡名物だが、鹿児島産の豚肉を使って要る事なので「鹿児島飯」で良いかな?
美味しかった!
ごちそうさまでした。
2023/09/05(火)
天候:晴れ 最低 24.2℃/最高 31.7℃
鹿児島県肝属郡南大隅町〜鹿児島県鹿児島市
走行距離:123.7kmkm
総走行距離:10252.9km
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