ぐるっと日本を旅してみた Vol.62
九州に入ってから悩み事があった。
それは、沖縄県へいつ行くのか、どうやって行くのかということ。
当初ぼんやりと福岡空港から飛行機で飛ぶというイメージでいた。
LCCもあり格安で行けるらしいと聞いていたからだ。
しかし、車をどうするか?ということもあったり、飛行機を調べたが手頃に行ける便も無かった。
鹿児島まで行き、鹿児島空港から飛ぶか?
一旦九州をグルっと回った後再び福岡へ戻るのか?
決めきれないまま福岡にたどり着き、そのまま福岡を離れることになった。
僕は、沖縄行きを後回しにしたのだ。
「心字池にかかる3つの赤い橋は、
1つ目が過去で、2つ目が今。」
さだまさしの「飛梅」が頭の中で流れてくる。
昔、さだまさしの曲を聞いていた頃を思い出し、懐かしさと、ここに来れた嬉しさで、気持ちが高ぶっている。
赤い橋を渡る、3つ目の橋で何を思うのか?
そういえば、奈良公園では「まほろば」が頭の中を流れていたなぁ。
奥へ進み、本殿で参拝することにしたのだが今年から改修が始まったようだった。
その為、仮殿が建てられているのだが。
これが、現代風なかなりシックで、ポップな建物だった。
黒塗りの拝殿の屋根には、草木が茂っている。
これはこれでありなのかもしれないが、
場違いな気もしないではない。
全く不思議な空間だった。
その空間に「飛梅」が立っている。
一夜で飛んできた梅の木。
さだまさしが歌った「飛梅」だ。
鉄筋に囲まれてこれも異質な感じがした。
「梅が枝餅を食べたい」と、ミィが言うので昔、高校の修学旅行で来た時の記憶をたどる。
本殿の裏手にあるお石の茶屋の梅が枝餅が美味しいと言われそこまで行った事があった。
その記憶を頼りに本殿の裏手に行ってみた。
何軒か茶屋があるのだが、どこも閉まっていた。
お石の茶屋も閉まっていた。
まだ開店前だったのだ。
残念だったが仕方がない。
僕らは門前町へ戻ることにした。
太宰府門前町をブラブラと戻っていく。
お店が多く、食べ歩きをしている人もいる。
とにかく賑わっている印象だ。
お石の茶屋で梅が枝餅を食べそこねた僕らは、ここで梅が枝餅を探すことにした。
探すまでもなく、いたるところに「梅が枝餅」の看板が立っているけどね。
店内でも食べられるのだろうけど、店先で売っている物を食べ歩きしよう。
茶房きくち さん、お食事処かさの家 さんと梅が枝餅を買って食べてみる。
焼き立て、熱々で外側がパリッとしてるのにモチモチの皮とそこにくるまれたあんこが甘くて美味しい。
お店で、抹茶を飲みながら食べるのも悪くわないが、こうやって散策しながら食べる梅が枝餅も美味しいのだ。
僕らは、梅が枝餅を食べながら人の流れに身を任せてブラブラと門前町を散策した。
福岡の名物といえば、
博多ラーメン、
モツ鍋、
そして屋台で食べる数々の食べ物。
だけど、僕が福岡で食べたかったのはうどん。
僕らは讃岐うどんのようなコシの強いうどんが美味しうどんと思い込んでいる。
だけど、博多うどんはコシのないうどん!
茹ですぎて伸びたうどんとはぜんぜん違うという。
これは、食べてみなければ!
と、いうことで釜揚げ牧のうどん さんへ。
店内撮影禁止なので画像はありませんが、
肉ごぼううどん、まるてんうどん いただきました。
麺の硬さは、柔。
箸で持つと切れちゃうようなうどん。
ここまで コシがないとは!
ただ伸びてるのとは違ってて不思議な食感。
牛肉を煮込んだ汁が入って甘じょっぱいスープがうどんと絡んで美味しい!
丸天うどんは薄い色だけどしっかりした味でこっちも美味しい!
ごちそうさまでした。
かえる寺があるという。
蛙の寺。
蛙好きのミィとしては、抑えておきたい場所だ。
僕は如意輪寺の駐車場に車を停めた。
車を降りた途端もう、カエルだらけ。
看板も、置物も全てカエル。
可愛らしい雰囲気が漂っている。
カエルだらけで可愛らしい雰囲気のためか若い女の子が大勢来ている。
ところが、ミィが不意に不機嫌になる。
「もういい、次に行こう」
「えっ、カエル寺だよ。
行かないの?」
「もう、いい。」
理由は解らないけど、こう言い始めるとミィの意思はテコでも動かない。
えぇぇ。
せっかく来たのに。
結局、僕らは寺を見学しないまま、この地を後にすることにした。
福岡県から佐賀県へ向けて車を走らせていた。
「七夕神社ってのがあるよ。」
近くに何かないか探していたミィが声を上げた。
「七夕?」
何故、福岡県に七夕?
不思議に思ったので行ってみることにした。
祭神を織女神(棚機神)と媛社神とする媛社神社は、小郡市の外れにあった。
1300年の歴史をもち、機織りが盛んだったことから機織の神を祀って信仰したとのこと。
鳥居の正面から七夕を全面に推した神社だ。
七夕の物語に由来して、恋人の聖地だとか。
娘と訪れても意味ないなぁ。
そんな事を思いながら参拝し、境内を見て回る。
神社の裏には宝満川という川が流れその対岸にも神社があり牽牛社と呼ばれている。
とするならばこの川は天の川なのだろうか?
そちらにも行ってみる。
稲松老松神社(牽牛社)は、媛社神社はひっそりとして静かな神社だった。
七夕アピールもおとなしいものだった。
2社合わせて盛り上げているのかと思ったらそうでもなかった。
もしかすると、夏の七夕夏祭りの時には、盛り上がるのかな?
牽牛社から佐賀方向へ走ったところに宝満川にかかる橋の名前が、天の川大橋だった。
媛社神社から牽牛社へ向かう橋は稲吉橋という。
新しく作られた橋に「天の川」の名前をつけたのだろうけど、稲吉橋に「天の川」と名前をつければ良かったのに、と思ってしまった。
堀に囲まれた佐賀城址は、「佐賀城公園」という広い公園になっている。
駐車場に車を停めると公園内を散策した。
広い公園にはテラス席のあるキレイな図書館も建っていて周辺が整備されているのがわかる。
そんな佐賀城址に佐賀県庁は、建っていた。
庁舎に入ると広いホールになっていて佐賀県の特産品が並んでいる。
中でも目を引くのは伊万里焼の大きな壺。
佐賀の目玉なんだろうなぁ。
他にも県内各地の特産品が陳列されているのを見て回る。
はなわが佐賀県の自虐的な歌を歌っていた。
だから「佐賀県は何も無い」みたいなイメージが合ったが。
やっぱりいろいろあるよね。
11階建ての庁舎は最上階が展望フロアだ。
「SAGA360」と呼ばれるそのフロアへ上がってみる。
エレベータを降りると佐賀平野をグルっと見渡せる通路に出た。
足元の佐賀城址から佐賀空港まで見渡せて、その先が有明海だ。
この景色を眺めるためにここに来たのだが、もう一つ理由がある。
「シシリアンライス」食べるため。
シシリアンライスとは、ご飯の上に炒めた肉、その上にサラダが乗りマヨネーズをかけたご当地グルメだと言う。
なんか美味しそうなのだ。
エレベーターホールから展望通路を通った反対側に「さがんれすとらん志乃 県庁店」がありそこで食べることができるらしい。
とは言え、お昼に食べたかったのだが時刻はすでに午後4時、しかもお昼はすでに食べているし、夕飯にはちょっと早い。
さらにこの さがんれすとらん志乃 さんの営業時間が
11:00〜13:00
17:00〜21:00
となっていて、今の時間は休憩時間で閉まっていた。
どちらにしても食べることができなかったのだ。
いつか食べてみたいなぁ、という思いを残しつつ僕らはこの場をあとにした。
佐賀県庁舎を出てお堀沿いをぶらぶら歩く。
大きな通り沿いで街中だが、県庁周辺が城趾というのが良く分かる。
お掘りの外側に大きな神社があった。
佐嘉神社。
佐賀藩第十代藩主 鍋島直正公、第十一代藩主鍋島直大公を祭神とする神社だ。
境内に入ると歴史を感じさせる本殿があった。
昔は この地を「佐賀」と「佐嘉」という2つの呼名があったそうで、この神社は佐嘉神社というそうだ。
明治時代に「佐賀」に統一されたという。
名前からも歴史を感じることができる神社だった。
佐嘉神社の前に駐車場の入口のような錆びた鉄骨むき出しの屋根でできた通路のようなところがありそこに小さな店舗があった。
その店舗にひっきりなしに人が出入りしている。
店舗の壁には「肉まんじゅう」の文字。
店舗と言っても露店の用な感じで外に向けてガラスのショーケースがあり、まんじゅうが並んでいる。
「美味しそうだな! 食べてみよう。」
と、肉まんじゅうを2つ買ってみる。
特に食べる場所もないので横断歩道橋を渡り、お掘り沿いのベンチに座って食べてみた。
「肉まんじゅう」と書かれたビニールの包を外してふわふわのまんじゅうを食べる。
いわゆる肉まんなのだが粗挽きの肉が詰まっていて、ここに「酢じょうゆ」をかけて食べる。
これが美味しい。
佐賀市のソウルフードなのだろうか?
僕らが店を出た後も次から次へと肉まんじゅうを買いに人が訪れていた。
美味しかった!
ごちそうさまでした。
佐嘉神社から再びブラブラと街歩きを始めた。
裏通りに入ると住宅街とはいえなんか良い雰囲気。
堀が張り巡らされている城下町って感じが良いなぁ。
お店かなんだか解らないけど、古いバイクを置いてあるところがあった。
バイクの脇に手書きで「陸王 昭和28年」と書いてある。
なんかすごいなぁ。
さらに歩くとふいに大きな病院がでてきたりしていろんなものが入り混じっている感じがする。
ブラブラと進んで行くと「大隈重信記念館」があった。
しかし時刻は午後5時。
閉館時間だった。
ちょっと見てみたかったのだが、ミィはニコニコしている。
大隈重信記念館の前には、ポケフタがあるのだ。
ニャースが気球になって飛んでいる。
大隈重信の生家の前にこのポケフタ。
なんだか場違いのような不思議な感じだ。
この後もぶらぶらと街歩きをしているとムツゴロウのマンホールがあった。
こっちの方が佐賀らしいな。
と、僕は思った。
今日も宿泊はホテルにした。
ホテル続きだなぁ、とは思ったが手頃なキャンプ場が見つからなかったのと、ちょっとホテル泊りの楽さに慣れてしまった気がする。
ただ、ホテルが有るのは伊万里市。
佐賀市から1時間位かかるのだ。
伊万里市についた頃にはすっかり陽が暮れていた。
「夕飯を食べてからホテルに行こう」
と、言うとミィが、
「ドライブイン鳥がある。 鳥めしを食べようよ」
と言った。
ホテルの近くのドライブイン鳥に行ってみた。
店の駐車場は一杯で、店の前にも結構待ってる人がいる。
受付の名簿に名前を書いて車内で待っていたが一向に順番が来ない。
ようやく店内で待つことができたのだがまだまだ掛かりそうだった。
「ホテルにチェックインしてくるから、ここで並んでいて」と、午後7時を過ぎたので僕だけ先にホテルに行ってチェックインをしてくることにした。
戻ってきてもまだまだ呼ばれる気配がない。
結局、2時間近く待って席につくことができた。
「やき鳥一番 鳥めし二番」
看板にそう書いてあったので、両方楽しめる「一番定食」を頼むことにした。
車なのでビールを飲めないのが残念だった。
鳥めしは、チャーハンっぽいけど鳥肉入りで炊き上げたご飯なのかな?
ほんのり味がついていて美味しい。
そして、やき鳥。
串に刺された焼き鳥ではなく、テーブルにドンと七輪が置かれてそこで自分で焼くタイプ。
ステンレスの皿に盛られた鳥肉を自分で焼いていく。
焼けたらタレをつけて口の中へ。
美味い!
2時間待ち当たり前とういのがハードル高かったけど。
待ったかいあったなぁ。
ごちそうさまでした。
福岡で泊まったホテルAZ。
宿泊費が 4,800円で価格変動なしで朝食付き。
僕らの中ではとてつもなく魅力的な宿になった。
僕は伊万里にホテルAZを見つけた時に迷いなく予約を入れた。
部屋はツインを取った。
ドライブイン鳥の待ち時間でチェックインに来た僕は、部屋に入って驚いた。
福岡の金の隈店とは違い、随分狭い。
ビジホのシングルみたいな感じ。
じゃあベットはどうなってるの?と、見ると・・・。
2段ベットが鎮座している。
2部屋のドミトリーみたいなものでしょうか?
娘と2人でドミトリー泊。笑。
ミィとどっちで寝るかと相談した結果、僕が上。
ミィがテレビを見やすい下を使うことにした。
この後何度かホテルAZを使うのだがこの位置関係がここで決まったのだ。
2段ベットなのでこの旅で初めて1人の空間で寝ることができる。
意外と良いかもこのドミトリー。
ちょっとホテルAZにはまり始めていた。
2023/08/25(金)
天候:晴れ 最低 25.1℃/最高 32.7℃
福岡県福岡市〜佐賀県伊万里市
走行距離:130.1kmkm
総走行距離:8982.0km
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