ぐるっと日本を旅してみた Vol.59
今来ている場所は「あきよし」と読むのだけれども、
台地の上は
「秋吉台」
台地の下は
「秋芳洞」
と文字が違うのだ。
しかもここの地名がややこしい。
美祢市秋芳町秋吉
(みねし しゅうほうちょう あきよし)
つまり、
秋芳町(しゅうほうちょう)
秋吉(あきよし)にある
秋芳洞(あきよしどう)
なのだ。
秋芳洞(あきよしどう)を「しゅうほうどう」と読み間違える人もいるらしい。
もう、頭がこんがらがる名前だなぁ!
秋吉台に朝日が登ってきた。
今日も良い天気。
昨日は、台地の上を散策したが、
今日は、台地の下を散策する。
旅を始める前から楽しみだった秋芳洞へ行くのだ。
洞窟の入口から囂々と水が流れ出ている。
その上を通る歩道を歩いていった。
鍾乳洞の秋芳洞へ足を踏み入れたのだ。
入った途端気温がずいぶん下がった気がする。
鍾乳石が様々な形を作る不思議な世界。
広い空間を進んでいたかと思うと、急に狭い空間が現れたり、天井の高い所、低い所など変化に富んでいる。
それでも膝をついて進んだり、水に浸かって進んだりする事はないので気楽に歩ける。
鍾乳洞や、洞窟に住む生き物というと蝙蝠が思い出されるが奥の方に住んでいるらしく、目の前を飛び交ったりすることはない。
その他にも虫や、水中生物がいるらしい。
鍾乳石でできた皿を並べたような場所に小エビがいるとのことでミィと2人しゃがみ込んで探してみた。
小エビと言っても数ミリで透明な生き物。
あれかな?と思ったのが水の流れだったり、ゴミだったり。
しばらくあーでもないこーでもないと、眺めていたのでした。
洞内はそれほど混んではいないが、それでも狭い場所で順番を待ったり、対抗の人に道を譲ったり、説明を読んだりして思いの外時間がかる。
1時間ほどかけて反対側の出口付近まで来た。
出口へ向かって階段を登るたびに気温が上がって行くのが分かる。
最後は、地球の歴史を示した長い通路を歩いて出口へいく。
ガラス張りの自動ドアから外へ出るとムッとした暑さが戻ってくる。
地上の世界だ。
鍾乳洞の入口へ戻るバスもあるようだが、
「さて、戻るか。」
地上の様子を確認すると僕らは再び地中へと戻って行った。
鍾乳洞のほぼ中間にエレベーターがあった。
秋芳洞の入口は3ヶ所ある。
僕らが最初に入った「秋芳洞正面入口」
秋芳洞本洞から黒谷支洞に入って鍾乳洞を通り抜けた先の「黒谷口」
そしてこのエレベータで登った先にある「秋吉台エレベーター口」である。
チケットは再入場可能なので僕らは、黒谷口で一回外へ出てから再び洞内へ入りエレベーター口へと向かった。
「エレベーター口」は広い駐車場の一角にあり、エレベーターを降りるとすぐ外に出ることができる。
そこから長い坂道を登っていくと、昨日訪れたカルスト展望台に着くことができる。
今日も良い天気で遠くまで良く見える。
すぐ近くに家族旅行村も見えた。
そこから少し道路沿いに上がったところに「秋吉台科学博物館」という施設があった。
なんとも昭和チックな雰囲気の建物だが無料ということもあり行ってみた。
まずは「洞窟にすむ生物」ということで標本、剥製が展示してある。
その他には、鍾乳洞の成り立ちや地球の歴史、秋吉台の地質や、化石を展示している。
この建物には、山口大学アカデミックセンターも設置されているので秋吉台エコミュージアムとは、全然違うアプローチで秋吉台の説明をしているのが面白かった。
三度、秋芳洞から外へ出た。
日差しは相変わらず強い。
出口から先は、観光客向けのお店が並ぶ商店街になっている。
工芸品や、土産物から食べ物までなんでも揃っているようだ。
その中で一際目を引くお店がある。
店の正面がソフトクリームの写真で埋め尽くされている。
バニラ、チョコレートなどの定番品から、ほうじ茶、バナナ、パイナップルなどフルーツを混ぜ込んだものまで。
100種類以上あるらしい。
色々目移りして悩んだけど、僕は梨を、ミィは夏みかんを頼んだ。
冷房の効いた店内でいただくことにする。
冷たくて、甘くて、美味しいソフトクリームでした。
うーん、他も試してみたいよなぁ。
100種類もあるから全部は無理だね。
ごちそうさまでした。
お昼も秋芳洞の商店街で食べることにした。
観光会館安富屋さんは、お土産物屋にレストランが併設されていた。
中に入ると団体客も対応できるような店構えで、店内の半分くらいでレストランと土産物屋が仕切られている。
その入口でおばあちゃんが取り仕切っていた。
「いらっしゃいませ、こちらのテーブルへどうぞ」
「蕎麦はこちらね」
空いた席の片付けまでやってる、パワフルばあちゃん。
そのおばあちゃんがおすすめがあった。
「ごぼう麺がオススメですよ。
地元の 美東ゴボウが入ってて美味しいですよ」
せっかくオススメのなのでごぼう麺を頼む。
美東ゴボウが練り込んだうどんにゴボウの素揚げと、牛肉が載ってます。
ゴボウの香りが少ししていて、ツルツルの麺とコリコリのゴボウが美味しい。
ごちそうさまでした。
秋吉台から離れて、青空の下のんびりと車を走らせる。
道路はいつの間にか田んぼが広がる平地に出てきた。
小さな集落をいくつも過ぎていく。
大きなカーブを曲がったところに郵便局が建っていた。
その郵便局の隣に赤い屋根に白っぽい壁の洋館風の建物が目に入った。
「何あれ!」
ミィと2人で声を上げる。
「ちょっと、気になるねぇ」
車を脇道に入れて Uターンして気になる建物を見に行く。
「ちょうど葉書も出したかったし」
秋芳洞で買った絵葉書を家に出すことにしたのだ。
薄緑色の壁と赤い屋根で可愛らしい建物は、「山口県指定有形文化財 旧殿井郵便局舎」という。
赤い屋根の平屋の建物に八角形で2階建ての塔屋が付いていて、塔屋の屋根は青い八角形のドーム状になっている。
ちょっとおしゃれな感じ。
ゴシック様式の建築に興味を持っていた二代目郵便局長がこの地に洋風の郵便局舎を建てたいと考えた。
その為に地元の大工を連れて東京へ建物見学に行き、そこで見たものを元に建てた建物だそうだ。
山口県最古の木造局舎で県の指定有形文化財になっている。
急に見えてビックリしたけど、立ち寄って正解。
なかなか見応えのある建物だった。
一文字、スピードを上げてくれ。
風を感じたいんだ。
映画「シン・仮面ライダー」のエンディングで仮面ライダーがバイクを走らせる橋がある。
海の中をまっすぐ進む橋。
僕は、撮影地を沖縄だろうと思っていた。
しかし、実際には山口県の角島大橋だった。
ここまで来たのだから、その角島大橋を見に行くことにした。
橋の袂には駐車場があり、土産物屋があった。
橋ができた時にすっかり観光地化していたのだろう。
確かに澄んだ青い海にまっすぐかかる橋はキレイだった。
展望台に上がり、写真を撮る。
すぐ下に見える砂浜も白くてキレイだった。
土産物屋を見てまわり、橋がキレイに写っている絵葉書を買った。
「渡ってみようか」
僕らは車に乗って橋を渡り始めた。
カメラマンがこちらにレンズを向けている。
なんだか注目されている気がしたが、橋を撮っているのだ。
むしろ僕らは邪魔かも。
海の上を走る道路は快適だった。
バイクや、オープンカーなら風を感じて気持ち良く走れるんだろうなぁ。
冷房の効いた車内でふと思った。
橋の対岸は、公園になっていて、そこからも写真を撮ることができた。
僕らはその景色に満足して、再び橋を渡って本土へ戻った。
「一文字、スピードを上げてくれ。
風を感じたいんだ。」
・・・本郷さん、これ以上は無理です。
ここ、40km制限ですから。
本州の最西端を目指して走っていたら、橋の名前が
「最西端橋」だった。
辺りを見回すと、
「最西端の寺」
「最西端のソテツ」
なんて看板まで立っている。
本州4端ラリーの言い出しっぺの下関市。
ここまで「最西端」を強調しているとは。
気合が入っているというか、やることが違うね。
本州4端ラリー、本州最西端の地、山口県下関市毘沙ノ鼻に着いた。
展望台からはキレイな海が広がって見える。
左に目をやると、ついに九州が見えた。
ようやくここまで来たという感が湧いてくる。
本州の端っこということで、「すみっこぐらし」とコラボしているらしく最西端の文字と一緒にキャラクターが描かれた看板が立っていた。
本州の端っこ3ヶ所目。
残りは1ヶ所。
まだまだ旅は続く。
日がずいぶん傾いてきたが、日没まではまだ時間があるようだ。
本州で最後に沈む夕日も見たかったが、先に進むことにした。
山口名物に「瓦そば」というお蕎麦がある。
瓦で焼いた茶そばを食べるというもの。
実は、以前レシピを真似して作ってみたことがある。
瓦は無いのでさらに盛り付けたのだが、日本蕎麦を炒めてパリパリのお蕎麦を具と一緒に食べただけだけど。
今日は、本物を食べてみることにした。
「元祖 瓦そば たかせ」さんは、川棚温泉に本店があるのだが、昼だけの営業らしく行く事ができなかった。
実際には、夜まで営業している店舗もあったらしいが、僕らは下関市まで走ることにした。
ゆめシティ新下関店にも店舗があるようなのでそこへ行くのだ。
大きなショッピングモールの中にある店舗は、ファミレスのような店構えだった。
少しだけ待ってから店内に入った。
広いテーブルに座って瓦そばを注文する。
運ばれてきたのは、熱々の瓦。
その上に茶そば、錦糸卵、牛肉、レモン、もみじおろしが乗っている。
これをタレにつけて食べるのだ。
麺がパリパリになっていて独特の食感で美味しい。
タレをつけて食べ、具材と一緒に食べ、レモンをかけて食べ、もみじおろしを解いて食べる。
味変も楽しめるのだ。
自分で作るほど食べたかった瓦そば。
美味しく頂きました。
ごちそうさまでした。
夕食を食べるために入ったゆめシティ新下関店は、大きなショッピングモールだった。
ミィは、大喜び店内を歩き回っていた。
僕には、もう一つ目的があった。
数日前にキャンプ用の椅子が壊れてしまっていた。
約2ヶ月、毎日使っていた為か椅子のシートが敗れてしまい、ほぼフレームに座っていたのだった。
ゆめシティには、ロゴスショップがあった。
行ってみるとキャンピングチェアーが色々置いてあった。
値段も数千円から1万円を超えるものまで。
一番安い椅子は、座っていても落ち着きが悪く、高い椅子はどっしりとして包み込まれるようですごく落ち着く。
ミィは、大きなチェアーに座って「いいねこれ」と、大満足げな顔。
「お前が使うんじゃないの!」
良い椅子は高くて、大きい。
僕は、中間の椅子を買うことにした。
座って落ち着きが良いし、コンパクトに畳むことができた。
ちょっと出費が痛かったけど、この先も使う事を考えるとしょうがないね。
ゆめシティを出る頃には辺りはすっかり暗くなっていた。
下関市内のホテルに行くために国道2号線に抜けて市内方向へ進む。
しかし、ここで暗がりの中、複雑な分岐を見せる国道。
高速道路の下関インターと、国道2号線の関門トンネルへの侵入路がありそこに国道が2本接続していて迷路のようだった。
ここを暗がりの中、初見で分岐に入るのが難しかった。
で、案の定市内への分岐を見逃してしまう。
このままでは、関門トンネルへ突入してしまいそうだった。
トンネルの手前にも分岐があり、どうにか市内方向へ行けそうだったが、この道も行きたい方向には進んでいないようだった。
どうもこの道を進むと再びゆめシティの方へ行きそうだった。
交差点を右折して住宅街に入り、グルっと大回りをして再び国道2号線に入る。
今度こそ、下関市内への分岐に入る事ができた。
ミィは、助手席で「何間違えてんの!」と言うが、「お前が運転してみろ!」って言いたくなってしまう。
車は、本日のお宿「スカイハートホテル下関」に着いた。
今日は、すでに夕飯を食べているのでこの後出かけることもない。
ホテルでノンビリすることにした。
2023/08/22(火)
天候:晴れ 最低 28.2℃/最高 33.5℃
山口県美祢市〜山口県下関市
走行距離:143.3km
総走行距離:8657.2km
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