ぐるっと日本を旅してみた Vol.49
今日は、奈良を観光して回る。
と言っても、ほぼ奈良公園を観光して回るようなものだが。
悠久の歴史を感じ、鹿と戯れてこよう。
ホテルを出て、10分も進むと奈良公園に着いた。
奈良登大路自動車駐車場という奈良県の管理する駐車場に車を停めた。
観光するのにちょうど良い位置にある駐車場だ。
そして、その隣が奈良県庁だった。
正面のロータリーを横切りガラス張りの入口まで行ってみる。
今日は、土曜日なので閉庁日で扉は閉ざされている。
後で調べたら屋上庭園へは休日でも入れたようだった。
残念。
庁舎正面へ行くと、ガラス越しにロビーが見える。
そこにいるのはせんと君。
大仏と鹿を合わせたようなキャラクターがにこやかにこちらを向いている。
「せんと君いるよ!」
ミィは喜んで写真を撮っている。
県庁前の通りは多くの車と、観光客が行き交っている。
県庁舎ではしゃいでいるのは僕らだけだ。
多くの人々は、奈良公園を目指しているのだ。
僕らもその一団の中に入ることにした。
奈良公園に一歩入ると、そこは鹿だらけの世界だった。
正確には、観光客だらけ、鹿だらけの世界。
歩いている鹿、
寝てる鹿、
集団の鹿、
一匹狼の鹿、
いろんな鹿がいる。
かわいらしい鹿が興味深げにこっちを見て、「鹿せんべい持ってへん?」とやってくる。
持っていないのを悟ると、次の人へと行ってしまう。
道路は、鹿が優先。
鹿が渡り始めると車は止まる。
鹿の世界だ。
鹿にまみれて歩いている。
大声で鳴いている鹿がいる。
尋常じゃない鳴き方だ。
係員なのか、近所の人なのか、鹿に近寄りなだめている。
最近、子供が亡くなったとかそんな事を話していた。
鳴き声が悲しそうに響いていた。
奈良公園の外側を歩いて浮見堂まで来た。
鷺池に浮かぶ檜皮葺きの六角堂だ。
緑色の鷺池に映える浮見堂は、キレイだった。
大勢の観光客、特に海外からの観光客が浮見堂でポーズをとりながら写真を撮っている。
ここまで来ると鹿の姿が少なくなった。
人間の世界と鹿の世界。
その区分はどこにあるのだろうか?
鳥居をくぐり、木々の間の山道を進む。
こんな奥まで鹿が来ている
いや、こんな奥まで人間が手を出しているというのが正しいのかもしれない。
参道の先に朱色の建物が見えてきた。
春日大社だ。
階段を上がり境内に入るとここも大勢の観光客で埋まっていた。
社殿に沿って燈籠がたくさんぶら下がっている。
今まで見てきた神社とは雰囲気が少し変わった気がする。
階段を登り、参拝所で参拝する。
奈良公園に鹿がたくさんいるのは、春日大社のいわれによるようだ。
奈良時代に神様がこの地においでになられた時に白鹿に乗ってこられた。
そのため神様のお供であった鹿を神鹿と呼び、神の使いとして扱われるようになったそうだ。
さらに社殿の奥を拝観するため特別参拝料を払い中へ入っていく。
社殿を囲むように回廊があるのだが、その中を進む。
天井から金色、黒っぽいもの、いくつもの燈籠がぶら下がっているのは壮観なものがある。
ぐるっと回った先に「万燈籠再現・藤浪乃屋」と書かれた看板があり扉を人が出入りしていた。
扉を開けて中に入ると、そこは真っ暗な部屋だった。
通路の両側に灯りのついた燈籠が並んでいて幻想的な雰囲気だった。
真っ暗で足元が見えないため恐る恐る歩く。
幻想的な光景に見惚れるので自ずと歩みがゆっくりとなるのだが。
外に出て出口に向かうと大きな杉が目に入った。
春日大社の御神木、樹齢500年と言われる大杉「社頭の大杉」だ。
神々に守られてそこに立っていることを感じさせている。
春日大社は、朱色の建物と、燈籠が印象に残る神社でした。
広大な奈良公園の中を歩いていく。
相変わらずのんびりとした鹿と、大勢の観光客の中を進んでいく。
やがて観光客の密度が変わってきた。
一段と人が増えたのだ。
両側に店がいくつか並んでいるこの場所は、東大寺の参道だった。
大きな南大門をくぐるとさらにまっすぐ進む参道。
その先に廻廊と中門が見える。
拝観料を払い中門の中へ足を踏み入れる。
中門からさらにまっすぐ伸びた参道と大仏殿が現れる。
中学の修学旅行以来だろうか?
当時どんなだったかは覚えていないが、友達と見て回った気がする。
大勢の観光客が大仏殿を埋め尽くしていた。
喧騒の中で物静かに座って人々を見下ろしている大仏様。
この喧騒をどう思ってみておられるのだろうか?
一本の柱の周りを人々が取り囲んでいる。
有名な柱の穴くぐりがそこにあった。
子供から大人、訪日観光客までキャァキャァ言いながら大仏様の鼻の穴と同じ大きさの「穴」を潜って無病息災を願っている。
そんな中、大仏様は、静かなお顔で 1300年ほど人々を見護り続けていらっしゃるという。
そしてこの先も。
東大寺の参道から駐車場に向かう道路沿いに喫茶店や食事処がたくさん並んでいる。
「お腹すいた。 ご飯にしよ」
ミィと二人でランチができる場所を探すがどこも長蛇の列。
ネットの評価が高かったりする店は特に混んでいた。
探し、探し、しながら歩いてきたが結局駐車場の近くまで来てしまった。
駐車場の隣がバスターミナルになっている。
4年ほど前に開業した新しいバスターミナルでガラス張りのキレイな建物になっている。
大きな荷物を持った観光客がたくさんいて混み合っていた。
「バスターミナルならなんか食べられるんじゃない?」
2階に入ると奈良を紹介するコーナーがあって展示もあるのだが、疲れた観光客が大勢休憩していた。
1階に降りると土産物コーナーが有りお菓子やお茶、アクセサリーなど様々な土産物を売っている。
その隣が喫茶店のような店で薬膳カレーの幟が立っていた。
中を覗くと混み合っていたが、カウンターなら2人は入れますとの事だったので、ここでお昼と取ることにした。
店内はコの字をしたカウンターとその周りにテーブルが4席ほどある小さな店だった。
訪日観光客もたくさんいて大きなスーツケースやバックパックを所狭しと置いてある。
その隙間を縫うように店内を進み一番奥のカウンターに座った。
薬膳キーマカレーとカレーうどんを頼む。
キーマカレーは、ワンプレートでキレイに盛り付けてある。
フワッと香辛料の香りがして食欲をそそる。
カレーうどんは、丼ではなく白くて浅い横長の器によそってある。
「カレー飛ばして服を汚さないでね」
ミィがキーマカレーを食べながら言う。
汁を飛ばさないように気をつけて、ズルズルッとすする。
美味い!
しっかりしたうどんと香辛料が効いたカレーが合う。
美味しいカレーでした。
ごちそうさまでした。
南大門の大きさに驚き。
大仏殿の大きさに驚き。
大仏の大きさに驚く。
頭の中では知っているけど実際に見るとサイズ感がおかしくなる。
しかし、ここは更にサイズ感がおかしくなる。
むしろバグっているのかもしれない。
平城京跡地の通りの一つがものすごく広いのだ。
長岡京跡地のこぢんまりとしたものとは違い、平城京跡は、ただただ広い空き地が広がっていた。
入口に復元された遣唐使船のあり、レストランや土産物が入った観光案内所的な建物がある。
その建物の横に広い空き地がある。
これが、朱雀大路だ。
こんな大きな広い通りのある都というのはどんな都だったんだろうか?
その朱雀大路の先に朱雀門が見える。
他には何も無い。
当時はどんな風だったのだろうか?
この広い通りに大勢の人が行き交っていたのだろうか?
朱雀門へ行きその中に立ってみる。
その奥は、草むらのような風景だった。
平城京跡のそこまでなんだろうと思ったが、この先も平城京跡として保護されているようだ。
資料館もその先にある。
その大きさに圧倒されて、朱雀門までしか行かなかったのだが、僕らは平城京のほんの一部しか見ていなかったらしい。
朱雀門を後にして駐車場へ向かった。
その時、踏切の音が聞こえてきた。
「来た!」
と、走り出す父と娘。
朱雀門でカメラを構えると近鉄電車が目の前を通り過ぎていった。
平城京跡地の真ん中を近鉄奈良線が横切っているのだ。
平城京跡は、歴史を感じさせる光景と、近代的な電車。
そのギャップが面白い場所でした。
狭く、曲がりくねった峠道を登っていく。
勾配もあるがそんなにきついわけでもない。
僕らは生駒山中の暗峠を目指していた。
急坂として知られている峠道がどれほど急なのか見てみたかった。
信貴生駒スカイラインの下をくぐるとそこが峠の頂点だった。
峠の茶屋があり、集落になっている。
奈良県と大阪府の境でもある。
ちょっとした空き地があったので車を停め、写真を撮っていると大阪側から車が登ってきた。
道端に避けてはいたがすれ違いがやっとという道幅。
その車はゆっくりと通り過ぎていった。
「さて、行ってみようか」
車に乗り、ハンドルを握ると大阪側へゆっくりと走り始める。
問題の坂はここから。
すぐに下りの角度がきつくなる。
しかもすれ違いが難しいほど狭い路で、急カーブが続く。
そのカーブも曲がりながら急角度で落ちていく。
ブレーキを踏み続けるのも怖い。
雨や雪の日じゃなくて良かったとつくづく思う。
まぁ、そんな日だったら来なかっただろう。
幸い対向車もなく降りることができた。
こんな急坂を登る方がもっと大変だろう。
ただ、通ってみて分かったのだが、道沿いに家が建っている生活道路なのだ。
毎日、毎日、この急坂を上り下りするのは大変だろう。
怖い物見たさで来てみたけれど、ホントにとんでもない道だった。
生駒山を越えると急に都市部に入った。
道路の両脇に建物が並び、人並みが増えてきた。
京都、奈良と走ってきて多くの人を見かけたがこの東大阪市は、それとは違った光景だった。
観光客がいないのだ。
大都市圏に入った気がした。
「ポケふたがこの近くにあるんですけど。
寄ってもらえませんか。」
例によってミィが言う。
まぁ、通り道だから良いか。
花園中央公園は、外から見ても大きな公園だった。
その外周をグルッと回って駐車場に車を停める。
「行ってくる」と、ミィはポケふたを探しに行った。
僕は車の中で宿を探して予約を入れる事にした。
予約が取れたが、ミィが戻ってこない。
まぁ、せっかく来たのだから公園を散策してみようかと思い、車を降りて公園へ入る階段を登って行ってみた。
広いなぁと思ったが、この公園はスポーツ公園で野球場や陸上競技場があった。
陸上競技場では、高校生だろうかトラックで競技が行われている。
周囲の観客席は、学校なのか団体毎に日差しを避ける為にシートが貼られ、その下に大勢の人がいて声援を揚げている。
暑い中大変だなぁと思いながら歩いていると、目の前に巨大な建物が見える。
巨大な倉庫のようだけど、外観が巨大な格子とその中に小さい格子がデザインされてオシャレな建物。
看板を見てようやくこれが「花園ラグビー場」だと言うことに気付いた。
「これがラグビーの聖地かぁ」と見上げていた。
すると、ポツポツと雨が当たり出しどんどん強い降りになってくる。
慌てて走って車に戻るとミィも戻ってきた。
夕立はひとしきり強く降ってやがて止んだ。
僕らは次に進むことにした。
大阪市内に入ると車線が増え、車も増えてきた。
大阪城の堀沿いに大阪府庁が立っている。
既に午後5時を過ぎていた。
土曜日なので庁内には入れそうにないが、そもそも駐車場がどこも満車で車を停める場所が無かった。
しかもどの駐車場も 30分400円とか、12分 200円とか、見たことない値段が書いてある。
グルグルと府庁舎の周りを回っていたが、諦めて阪神高速のガード下、大阪市営の法円坂駐車場に入れる事にする。
ここも高いのだけど、最大料金が少しは抑えられそうだったのだ。
駐車場から10分ほど歩いて大阪府庁前に来る。
門は閉ざされているので中には入れない。
シンプルで地味な感じのする建物は 6階建てで、周囲の建物に比べると低い感じがした。
他の県庁舎のように高層の庁舎を建てそうな物だが、大阪城も近く、景観あって高層建築は建てられないのことかもしれない。
官庁街に夕暮れが迫り人影もまばらになっていたが、車の通りだけは多い庁舎前だった。
大阪府庁から道路を挟んで反対側に大阪城が見える。
「行ってみようか」
城内に入るには少し回っていくしかない様だった。
大きな石で作られた石垣はしっかりと城を守っている気がする。
閉門時間が気になったが調べもせず、人並みに紛れて大手門から城内へ入っていく。
行けるところまで行ってみよう、くらいのつもりだったが何なく天守閣の前まで来ることができた。
何かイベントもやっている様だったが、この時間はもう終わったのだろう。
まばらとはいえ、思った以上に人がいる。
広い広場の奥に大阪城の天守閣、横に目をずいぶんと近代的な建物がある。
旧第四師団司令部庁舎で元大阪市立博物館で現在はショッピングモールという不思議な建物。
建て直されているとはいえ安土桃山時代のデザインと、近代的なデザインが並ぶ。
なんか場違いな感じだった。
「天守閣入る?」
「別に良いかな?」
疲れもあるし、お腹もすいた。
花より団子、ではなく城より団子。
気持ちは「ごはん何食べようか?」って感じです。
広い車線と混み合う車。
慣れない都心部の道を走り、大阪市内を横切って江坂のホテルにチェックインした。
大阪に来たからには「粉もん」を食べよう。
たこ焼きは明日にして、今日はお好み焼きを食べに行きます。
地下鉄御堂筋線の高架下、新御堂筋を歩いて行く。
通り沿いのビルの2階に上がるとお好み焼き 鶴橋風月 江坂店があった。
席について注文をすると、店員さんがテキパキと準備をしてくれる。
新潟でお好み焼きを食べに行くと、マニュアルがあるから自分でやって、というスタイル。
しかし、本場のお好み焼き屋は違う。
鉄板に火を着け、具材を混ぜて、鉄板に伸ばしていく。
「このままお待ちください」
生ビールを飲み、ミィと話しをしながら待つ。
度々店員さんが来て焼き具合を見たり、ひっくり返したり、しっかり作ってくれる。
「どうぞ」
一言言うと店員さんは去って行った。
ただ最初、聞き取れなくてまだ待っていたんだけど、
「もう良いよね」と、2人で顔を見合わせて食べることにする。
「美味い!」
ふっくらと焼き上がったお好み焼きは美味しかった。
やっぱり店員さんが手際良く焼いてくれるのが良くて、おかげて美味しいお好み焼きを食べることができました
美味しかった!
ごちそうさまでした。
2023/08/12(土)
天候:晴れ 最低 26.0℃/最高 35.9℃
奈良県奈良市〜大阪府大阪市
走行距離:52.0km
総走行距離:7182.2km
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