ぐるっと日本を旅してみた Vol.51
台風7号が近寄っている。
この先どう進むのか悩んでいる。
元々、兵庫県から瀬戸内海をフェリーで回り、香川県へ渡り一旦四国に入り、再びフェリーで岡山県に入る。
そして岡山県を横断して鳥取県へ行く予定だった。
しかし、これでは台風と一緒に進むことになりそうだった。
直撃は避け、ルートを変えて台風から逃げることにする。
今はまだ天気が良いのだが、この後どう変わるのかが心配だった。
舞子海岸に着いた。
頭の上に巨大な橋が架かっている。
明石海峡大橋だ。
その対岸に淡路島が見える。
さらにその奥にうっすらと山影が見える。
「四国が見える。」
四国に入るのはまだ先のことになるが、ここまで来たという気になる。
巨大なフェリーが橋の下を通って瀬戸内海を航行している。
四国、もしくは九州へ向かうのだろうか?
海峡を行き交うフェリーや、貨物船をぼうっと眺めていた。
橋の下、舞子公園には移築された旧館が立っていたり、彫刻が立っている。
夢のレンズという彫刻は、カメラの絞りの様な形をしていて巨大な円形の真ん中が空いている。
そこから明石海峡大橋が見える。
早速、ぐんまちゃんを乗せてミィの撮影タイムが始まる。
明石海峡大橋に上がることもできる。
とはいえ、歩いて淡路島に渡れるわけではない。
道路部分の下の作業用通路の一部が開放されているのだ。
入館料を払い、舞子海上プロムナードへ行ってみることにする。
エレベーターで約47m上のフロアへでる。
説明パネルや、喫茶がある先が通路になっている。
若干揺れる通路は、床がガラス張りになっているところもあり、海の上にいることを実感できる。
高所恐怖症の人は来れないんだろうなぁ。
その上には、橋の骨格が見える。
車が通るとガタンガタンと音がする。
チューブ状の通路は上から見ると四角くなっていて橋の下を周回できるようになっていた。
その先端まで行って橋の下を眺める。
船が遥か下を通って行くのが見えた。
その先には、壁のない剥き出しの通路が続いているが作業用の通路でそこには行くことができない。
あれを歩いていくと淡路島なんだな。
通路をぐるっと回ってプロムナードの入口に戻ってきた。
「なんか食べていこうか」
喫茶を覗くと「明石焼き」の文字が見えた。
「明石に来たから本場の明石焼きを食べよう」
以前、ミィと石川県へ行った時に羽咋市で何故か明石焼きの専門店があり食べたことがあった。
たこ焼きを出汁につけて食べる明石焼きが美味しかったのを覚えている。
専門店ではないが、本場の明石焼きを食べることにする。
羽咋市の明石焼きは木製の小さい盆にたこ焼きが並べられて、出汁の椀が添えられていた。
明石海峡で食べる明石焼きは、赤いプラスチックの椀に出汁が入っていてそこにたこ焼きが浸かっていた。
なんか羽咋市の方が上品だったなぁ。
出汁に浸かったたこ焼きはフワッとしていて出汁の香りがする。
「美味しいね」
見た目はチープだが美味しかった。
明石焼きの専門店ならもっと違う感想だったかもしれないが、海上47mの展望フロアで食べる明石焼きは、美味しかった。
ごちそうさまでした。
今までいくつかの城を見てきたが、ほとんどの場合は公園の真ん中に再建された天守閣があるといった形状だった。
しかし、今目の前にあるのは、広い広場の奥に聳え立っている城だった。
城壁の上に天守閣を中心に両翼にも立派な建物が見える。
大きく綺麗な城。
それが白鷺城、姫路城だった。
名前の通り全体に白い外観のお城だ。
城内を見学して回るのにそこそこ時間がかかりそうだった。
「どうする?」
ミィに聞くともなしに聞いてみる。
時間的に止めようかとも思い城に背を向けて歩き出したが、ふと足を止める。
「やっぱり行こう」
ここまで来たのだ、見ないと後から悔やみそうだし、見て行かないという手は無いだろう。
もう一度、入城口まで行き、門をくぐる。
巨大な城壁の内側を歩いて行くと徐々に狭くなり、混み合って歩みが遅くなる。
城内に入るとますます狭く、混みあってくる。
階段は1人がやっとの狭さなので、大渋滞となる。
足が止まると周囲の調度品や展示品を眺める。
城を支える柱、太い梁。
隠しアイテムの様な意匠。
パンフレットを読みながら、一つ一つ見て行く。
頭をぶつけそうな狭い階段を上がると、天守に出た。
そこから見下ろす姫路市街地。
遠くの山々までよく見える。
天守からの戻りも大変だった。
狭く急な階段をゆっくり降りていく。
ようやく下まで降りてくると、今度は長い廊下を歩いていく。
小部屋に展示があり寄りながら進むと、千姫の部屋に着いた。
豪華な装飾に目が引かれる。
一旦外に出ると西の丸へ入る。
百間廊下と言う長い廊下を見学。
1時間半位で回れるかと思ったけど、混み合ってることもありたっぷり2時間以上かけて回った事になる。
11時頃から2時近くまで。
昼も食べずに歩き回っていました。
疲れた。
結局、姫路城を出てお店を探したが、手頃な店を見つけられずにお昼を食べ損ねてしまった。
コンビニでパンを買い、車内で食べながら先に進んだ。
瀬戸内の美しい風景を見ることもなく、2時間程で岡山市内に入った。
「路面電車だ!」
ミィが嬉しそうに言う。
路面電車の走っている通りをどう走って良いのか。
周囲の車に合わせて走り、岡山県庁に着いた。
県庁の脇のパーキングメーターに車を停めると庁舎を見に行く。
夕暮れ時の庁舎は、人影も少なく、外観の修復中なのか作業用のシートで覆われていた。
「さてと」
今夜は、ホテル泊まりなので急ぐ必要はない。
僕らは、写真を撮ると周囲を散策することにした。
岡山県庁から歩いて5分ほどで岡山城に着いた。
堀を渡り、石垣沿いの通路を登っていく。
天守閣前の広場に着くと目の前に黒い天守閣が見えた。
姫路城の白鷺城に対してこちらは、烏城と呼ばれている。
黒い外観なのだ。
何か特別な展示をやっているようで、係の人が入り口に立って案内をしている。
入ってみるかどうか、考えていると入口の中にエレベータの様なものが見えて外観とは異なり中が近代的な様相をしている様だった。
再建されたお城はそういうものかもしれないが、姫路城を見た後だとちょっと興醒めした。
「中は入らなくても良いかな?」
「うん、良いよ」
僕らは、城の後ろへ続く階段を降りて行った。
岡山城の堀にはスワンボートが浮かんでいた。
黒い城と白いスワンボートのコントラストが面白い。
堀にかかる橋を渡ると生け垣に突き当たる。
そこを右に曲がり生け垣に沿って歩いて行くと右手に茶屋がある。
その脇から堀に降りて行きさっきのスワンボートに乗れるようだった。
その向かいに庭園があった。
日本三名園の一つ、後楽園だ。
垣根の向こう側は、賑やかな音が聞こえる。
午後6時を過ぎていた。
ちょっとだけ覗いてホテルに行こうと思った。
後楽園の入口に係員が立っていた。
入場料がいる様だ。
「ここも入らなくて良いか。」
姫路城で歩き疲れていた事もあって後楽園には入らず、今来た道を戻って行った。
天守閣方向には行かずに城壁沿いを歩く。
大きな石が組み合って積み重なっているのに感心し、さらにそれがあの大きな天守閣を支えていることに驚く。
見上げると天守閣が聳え立っていた。
ホテルに荷物を置くと夕飯を食べに外に出た。
雨が降り始めていたがアーケード街に入って雨をしのぐことができた。
アーケード街は、途中で大きなアーケード街と交差した。
そちらへ曲がり歩いて行く、午後7時を回っていたのだが人通りがまばらだった。
途中天満屋というデパートがあったので、レストラン街でもないかな?と覗いてみるとすでに閉店間際。
蛍の光が流れていた。
食事のできそうな所、できれば地元の物が食べたいなと思ったがこの通りにあるのは居酒屋がほとんどだった。
アーケード街の端まで行くと横切る通りに路面電車が走っている。
電車も乗ってみたかったが今は、飯!
戻りしなに良さそうなオシャレ居酒屋に入ってみたが、混んでいてタバコ臭くて、ミィが嫌な顔をするのですぐに撤退。
さらに夜のアーケード街を歩いて行く。
アーケード街のうどん屋で立ち止まる。
「うどんをたべるか」
「いいよ」
うどん およべ さんに入ることにした。
店内に入ると上下に階段があって2階建てになっている。
僕らは下のフロアに案内されテーブルにつく。
「鶏天すだちうどん」
「鶏天おろしうどん」
「なす餃子」
すだちやおろしのさっぱりしたうどんと、鶏天。
美味いです。
そしてなす餃子。
大根おろしがたっぷり乗っていてポン酢でいただく。
美味い!
美味しい夜を過ごせました。
ごちそうさまでした。
2023/08/14(月)
天候:晴れ 最低 27.4℃/最高 33.6℃
兵庫県神戸市〜岡山県岡山市
走行距離:155.0km
総走行距離:7412.1km
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