ぐるっと日本を旅してみた Vol.37
渡良瀬遊水地周辺は、栃木県、群馬県、埼玉県の三県が入り乱れて県境を構成している。
国道を走っていると次から次へと県名が変わって面白い。
ただし、一筆書きで日本を回ろうと思うと、この地には近づいては行けないのかもしれない。
それでも渡良瀬遊水地へ行く事にした。
朝から汗が止まらない。
テントを撤収し、車に乗るがエアコンもすぐには冷えてくれない。
まずは、近くの道の駅へ向かった。
道の駅どまんなか たぬま は、開店前だったが敷地をぶらついてみる。
ミィは、目的があるらしい。
それは「さのまるくん」。
佐野ブランドのキャラクターさのまるくんは、
佐野ラーメンの丼を頭に被り、
芋フライの剣を腰に差した侍だとか。
そういえば、佐野ラーメン食べてないなぁ。
日差しが強くなってきて、ジリジリと気温が上がっていくのが分かる。
ミストシャワーが出ているが焼け石に水。
開店した店内へ涼を求めて逃げ込んだ。
地場の野菜や特産品が並んだ店内で、冷凍イチゴを見つける。
栃木だもんな、イチゴ食べてみよう。
冷たくて、甘いイチゴは美味しかった。
イチゴの入ったカップにカルピスを入れてみる。
うまい!
背の高い草の間を一本の道が通っている。
その先で丁字路になっていて右折するとそこが渡良瀬遊水地の入り口だった。
ここまで来てゲートが閉まったいた。
今日は、閉園日だった。
大きな湿地のようなところをイメージしていたのでまさか開園時間があったり、閉園日があるとは思わなかった。
見渡す限りの草っ原の真ん中で何度も開園日の書かれた看板を眺めていた。
1台の車が入ってきて、停まる。
「えっ、今日やってないんですか?」
「閉園日みたいですね」
「あぁ、そうなんだ。」
その車は、Uターンすると戻っていった。
いつまでもここにいてもしょうがない。
僕らもUターンして戻る事にした。
照りつける日差しは、ますます強くなっていた。
日本一周で47都道府県を一筆書きで進もうと考えていた。
しかし、この「道の駅 かぞわたらせ」へ来るためにはその前提を覆さなければならなかった。
渡良瀬遊水地の堤防の一本道を栃木県から進むと道の駅の手前で埼玉県になる。
そして、道の駅を越えると群馬県になり、数十m進むと再び埼玉県な入るという複雑な県境になっている。
行程的にまだ埼玉県に入りたくなかったのだが、ここは仕方がない。
そこまでして見てみたいものがここにはあった。
駐車場に車を置くと住宅地へ向かう階段を降り、畑と田んぼのあるのどかな道を歩く。
やがて田んぼの真ん中にそれはあった。
栃木県、群馬県、埼玉県の3県境だ。
山の中ではなく、平地にこのような県境があるのは日本でもここだけ。
左右からくる水路と、正面からくる水路がぶつかって三叉になったところに、丸い板が埋め込まれている。
栃木県栃木市
群馬県板倉町
埼玉県加須市
と板に地名が刻まれている。
「埼玉県から群馬県。
群馬県から栃木県。
栃木県から埼玉県に戻ってきた!」
と、三県境をグルグル回ってみる。
3県を跨いでみる。
近くに立っている家々は、隣同士なのに県が違っていて、税金とか、ゴミ処理とか、小学校とか色々と違うんだろうなぁ。
そう考えるとなんか不思議で、複雑な土地でした。
埼玉県加須市の道の駅に戻ってきた。
屋上の展望だに上がってみる。
入ることができなかった渡良瀬遊水地を見渡すことができます。
あの中から見える景色はどんな感じだったんだろう?
入園できなくて残念だったな、と改めて思った。
「うどん」と言えば讃岐うどんがまず頭に浮かぶ。
香川県は、うどん県を名乗るほどだ。
しかし、香川県に負けず劣らずのうどん県がある。
それが群馬県だった。
うどんに限らず、小麦粉の消費が多いらしい。
この群馬県で食べてみたかったもの、それが「ひも川うどん」だ。
驚くほど幅広のうどんなのだ。
東武鉄道館林駅前にある花山うどん本店へ来てみた。
炎天下の路上に結構人が並んでいる。
僕らもその後ろに続いて並んで待つ。
軒先もなく、南向きの店舗の前の道路は照り返しが強かった。
小一時間そんな炎天下店先で待っただろうか、ようやく名前を呼ばれて店内に案内してもらった。
早速、「鬼ひも川」を注文する。
和風の小綺麗な店内は満席で賑やかだった。
運ばれてきた器は「たぬき」!
たぬきの大きなお腹には、肉、卵の具材とツヤツヤしたうどん。
ただ、このうどんが太いのだ。
イメージとしては、きしめんをさらに薄く伸ばして 5cm巾にしたもの。
うどんの概念が変わってしまう。
細長くて、腰のあるうどんを美味しいと思っていたが、
見たことのない幅広のうどん。
それをたぬきのお腹にお出汁をかけていただく。
あまりに太くてどう食べて良いか分からないが、どうにか口の中に入れて啜る。
ツルッとしていて、意外と腰があって美味しい。
ワンタンに近い食感かもしれない。
中にはこの倍、10cm幅のひも川もあるらしいので機会があれば食べてみたいなぁ。
美味しかった。
ごちそうさまでした。
鬼ひも川うどんが何故タヌキの器で出てきたのか。
それは、近くに分福茶釜で有名な茂林寺があるからだ。
土産物屋が並ぶ参道から境内に入ると光景が変わった。
参道の両側に並ぶタヌキ達。
小さいタヌキ、大きいタヌキ。
立ったタヌキ、茶釜に籠ったタヌキ。
境内を進むとさらにその数が増えてくる。
お堂の中にはびっしりとタヌキがいる。
焼き物の店先?そんな気にもなってくる。
しかし、平日だからか、炎天下のせいか、
人影がない。
お寺にも人の気配がない。
あるのはタヌキの気配だけ。
茂林寺の裏には茂林寺沼と湿原が広がっている。
数羽の水鳥が見えるくらいのその沼は、住宅が近い割にひっそりとしていた。
水辺の涼しさはなく、炎天下の暑さだけがそこにあった。。
ジャパン・スネークセンターはレトロな観光施設だった。
昭和の古き良き施設といった感じ。
中に入るといくつかの建物に分かれている。
蛇に関する資料館の他に
毒蛇研究所
大蛇温室
採毒室
島蛇放飼場
などちょっとドキッとする、怪しさ満載な建物が並ぶ。
どこも蒸し暑くて、展示されたケージの中には蛇がうねってる。
大蛇を首に巻いて記念撮影、といったコーナーは特になかったが、イベントがあると蛇と触れ合えるようだ。
別に、触れ合いたいとは思わないが。
「かわいい!」
ミィだけは目を輝かせて展示を見ている。
ミィが満足するまではここにいることになりそうだな。
僕は、木陰を探しながらミィの後に続いた。
車に戻って目にしたのは、外気温 39度!
暑い!
10都道府県庁目 群馬県庁に着いた。
コインパーキングを探していると土砂降りになったので、県庁の駐車場に停めることにした。
「入れるかな?」と、気にしながら駐車場へ入って驚いた。
庁舎の見どころは駐車場、と言っても過言ではない駐車場だった。。
立体駐車場なのだが停止位置に車を停めて車外に出ると係員の操作によって車の真横の扉が開く。
そして車は横に移動してその扉に吸い込まれていく。
出庫口は、通路を挟んだ位置にあり扉が開くと車が横へスライドして出て行くる。
その過程が近未来的というか、アニメに出てくるメカの発信シークエンスを見ているようで、カッコよくていつまでも、何回も車の出入りを見入ってしまった。
閉庁時間ギリギリに群馬県庁に到着したので、そろそろ出ようかと思っていたら、ゴォ〜!バラバラバラ!とものすごい音がする。
一転真っ黒になった空から大粒の雹が降ってきた。
さっきまであんなに暑かったのに、突然の雹。
退勤時間と重なり、外へ出られない人達でロビーは大混雑になった。
僕らも雹が止むまで待つことにする。
外を見るとガラス窓にバチバチと当たる大粒の雹が白く地面を染めていた。
高崎駅前の安宿に着いた時には、雨は止んでいた。
ビルとビルの間の車幅ギリギリの通路を通って駐車場に車を入れる。
駐車場には作業車や社用車が多く職人宿なのか?という雰囲気のビジネスホテルだった。
チェックインして部屋に入ると和室で、久しぶりの畳なのは良いのだが。
灰皿が置いてありタバコの匂いが少しあるので、ミィが文句を言う。
部屋を変えてもらうか?と思ったがおそらくどの部屋も同じだろう。
そもそも禁煙の部屋が取れなかったのだから仕方がない。
気を取り直して食事に出る。
高崎名物は何かと探していたら、
「高崎パスタが有名らしいよ。シャンゴに行きたい。」と、言う。
群馬県はうどんもそうだがパスタも美味しいらしい。
シャンゴは近くになかったが、高崎駅にも専門店があるらしいので行くことにした。
スパゲッティー専科はらっぱ は、混んでいたがどうにか席に着くことができた。
駅ビルの小さなテナントで可愛らしい色合いの洒落たお店だった。
The高崎パスタ おすすめの 赤唐DX を注文する。
ミィは、エビのトマトクリーム。
生麺とか乾麺とか麺のサイズとか、細かく注文を終えて、ビールを口にすると冷えていて美味い。
赤唐DXは、麺の上にチーズが乗りその上に唐辛子がドーンと置いてあるトマトソースのパスタで麺の硬さも味もちょうど良くて美味しい。
エビのトマトクリームもソースが麺に絡んで美味しい。
高崎の食事を楽しみました。
ごちそうさまでした。
2023/07/31(月)
天候:晴れ 最低 24.0℃/最高 38.8℃
栃木県佐野市〜群馬県高崎市
走行距離:120.7km
総走行距離:5815.3km
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