ぐるっと日本を旅してみた Vol.44
福井県に入った。
ここから先はほとんど行ったことの無い道を進む。
テレビや、ネット、雑誌でしか知らない世界が広がる。
未知の世界へ足を踏み入れる感じがする。
この先、何を見て、何を体験するのか?
今日もワクワクが止まらない。
ブーン、ブーン、ガサガサ。
草刈り機の音で目が覚める。
展望台周辺の草刈りをやっているようだ。
キャンプ場のある刈安山自然公園。
夜景もキレイだったけど、明るくなってからの展望も良かった。
展望台からは、あわら市から日本海にかけて見渡すことができる。
今日も良い天気だ。
山を降りてまずは道の駅さかいに寄った。
早朝でまだ開店はしていなかったのでトイレだけ借りて出発する。
福井市を目指して進むと段々住宅が増え、街らしくなってくる。
福井空港の看板を見つけたのはそんな住宅街の一角だった。
「どこにあるの?」
2人でキョロキョロしていると、住宅街の中に広い空き地が見える。
「あれか!」
空港の建物や、管制塔らしきものがあったが、驚くほどコンパクトで、驚くほど住宅地の真ん中だった。
実際にはもっとしっかりしたものだろうけれど、側から見ると驚かされてしまった。
市内に入ると地下道の入口のような所に「福井市下水道記念館」と書いてある。
道路の下に「下水道記念館」があるらしい。
市役所へ見学申込書を提出すると、係員が鍵を開けて案内してくれるとのこと。
気になるけど、行けそうに無いなぁ。残念。
石垣に囲まれた城跡の堀を渡る橋の先に鉄筋の近代的なビルが見える。
車を進めて城内にはいるとそこが福井県庁。
福井城址に建てられた県庁舎は、11階建ての立派なものだった。
県庁の中に入り駐車券に無料のスタンプを押してもらう。
新幹線開業を前に盛り上がる福井県。
広い玄関ホールには新幹線の開業を待ち侘びるようにポスターが貼られ、天井には2024年開業の文字と、大阪延伸を目指す旗が埋め尽くされている。
来年開業なんだな。
ここまで所々見えていた新幹線の高架を思い出す。
キャッチフレーズが
「地味にすごい、福井」
ポスターなんかを見るとこんなにいろいろ「すごい」福井があったのか!と思ってしまう。
11階からの展望が良いと県庁のホームページに書いてあったので上がってみた。
展望フロアというよりは、廊下の端が大きなガラス窓になっていてそこから市内を見渡せるという感じだった。
仕事の打合せをしている人もいる脇で見学をする。
「ここは城址で、見学もできるので見て行ってください」
受付の人にパンフレットをもらったので庁舎の周囲を見てみることにする。
庁舎は、本丸跡に建てられていてグルリと堀に囲まれていて堀沿いに石垣がある。
奥に進むと天守台跡がありそこが城だった事を示している。
そこから左に折れて歩くと御廊下橋と呼ばれる橋がある。
堀にかかっている橋は、壁と屋根がついていて廊下をここに持ってきたかのような雰囲気。
3年前に復元されたということでキレイな橋だ。
そこから堀の外をぐるっと回ると何かイベントがあったのだろう大勢の人が後片付けをしていた。
昨日来ていればこのイベントを楽しめたのかもしれないな。
僕らはそこから福井市内を散策することにした。
福井の市街地を散策して福井駅まで歩いてきた。
そんな福井駅前で目を引くのが「恐竜」
キャッチフレーズ「地味にすごい」の目玉が恐竜なのだ。
小さいのから大きいのまで恐竜が蠢いていて、時々吠えている。
ベンチも恐竜。
駅の中も恐竜をモチーフにしたものがあちこちにあるらしい。
新幹線よりも恐竜で盛り上がっているんじゃないかな?
福井県立恐竜博物館がすごいらしいのだが、今は改装中で閉鎖中。
残念ながら見ることはできなかった。
しかし「地味にすごい、福井」
確かにすごかった。
ラジオを聞いていたら福井には「夏蕎麦」というのがあるらしい。
秋ではなく夏に収穫する蕎麦で、今が新蕎麦の時期になるので食べて欲しい。
インタビューを受けていた人がそう話している。
「夏蕎麦」良いねぇ」
早速食べられる店を調べてみたが、全く出てこなかった。
地域限定的で、イベントのようなものだったのかもしれない。
しかたがないので福井のローカルフードを探してみた。
すると、「ボルガライス」というのがあるらしい。
オムライスの上にトンカツが乗ったもので金沢のハントンライスと似ている。
ハントンライスは、フライ。
ボルガライスは、カツ。
それぞれ載っているものが違うらしい。
何軒か食べられる店が見つかったのでお昼はボルガライスに決めた。
キッチン トリアージュという店でも食べられるらしく、ネットで調べるとメニューに載っていた。
店に着くと小さな店でランチ時ということもあり、サラリーマン風の人達で結構混んでいた。
カウンターとテーブルが3つ程で店内は狭かった。
小学生くらいの男の子がテキパキと注文を聞いたり、食事を運んだりしていて驚いた。
家族経営なのだろうか、お手伝いをしているのだろう。
さて、とメニューを開いて驚いた。
お目当てのボルガライスが載っていなかったのだ。
この時間はランチメニューが書いてあったが、ボルガライスはない。
残念。
週替わりランチを食べることにした。
チキンカツのデミグラソースがけ
そして、オムライス。
2つ合わせるとボルガライスになりそうな選択だった。
サクッと揚がったカツは、デミグラソースで美味しくいただく。
ご飯が進む美味しさ。
オムライスも玉子がフワッとしていて美味しいのだが、玉子に包まれた中に入っていたのはチキンライスかと思ったら、そば飯?
短いスパゲッティが混ぜてあった。
こちらも美味しい!
ボルガライスを食べることができなくて残念だったけど、美味しくて満足したランチでした。
ごちそうさまでした。
四国のかずら橋は有名で、この旅でも訪れてみたい場所だった。
しかし、福井県にもかずら橋があるのは意外だった。
足羽川にかかる橋は昔からあるわけではなく、どうやら観光の目玉として 1990年に町が造ったものらしい。
しかし、かずら橋があるのなら見てみたい。
福井市街地から離れ、山の中を進んで行く。
池田町にその橋はある。
足羽川にかかる橋を渡るとキレイな渓流が流れている。
橋を渡ったところから階段で河原に降りることができ、遊歩道になっていた。
人1人が通れるくらいの狭い歩道だが、正面から若者のグループがやってくる。
河原の岩に上がってそれを避けてふと見上げるとかずら橋が見える。
渓谷の谷間にかかる橋は趣がある。
階段を上がると公園のようなところに出た。
奥に古民家のような建物が見える。
レストランのようだった。
その横には水車が周り、池に水が注がれている。
かずら橋に向かうと橋の袂に小屋があってそこで通行料を払うようだった。
「こんにちは。橋を渡るのか? 300円ね。 何回渡っても良いよ。」
笑顔で料金所のおじさんが言う。
僕らは、料金を払うと橋を渡ることにした。
かずらを編んでロープができていて、そのロープを巻き付けるように使って吊り橋ができている。
かずらのロープの間を板が敷いてありそこを歩いて渡る。
足を動かすたびにギシギシきしみ少し揺れるのだ。
足元には足羽川の流れが見える。
橋の中央で女性グループがキャアキャア言いながら写真を撮っている。
大きく揺れるわけではないがそれなりにスリルがある。
一度対岸まで渡り切ったが、また戻ってみる。
結局、写真を撮りながら3往復位行ったり来たりして楽しんだ。
四国にある本家かずら橋はどんな感じなんだろう?
四国に行ったらぜひ寄ってみたいと思った。
越前市武生の中心部に広い公園があった。
武生出身のかこさとしさんの作品、「だるまちゃん」、「カラスのパン屋さん」などをモチーフにした公園で、あちこちにキャラクター達がいて楽しい公演だ。
マンホールにかみなりちゃんがいたり、
木の上にからすのパン屋さんがあって、子供達が寝ていたり。
ミィが小さい頃、良く絵本を読んでやっていたなぁ。
そんなことを思い出す。
あの世界がここにはあった。
周囲を見渡すと小さな子供を連れた家族連れがたくさん来ていて賑やかだ。
公園の隣にある文化センターの壁にもかこさとしの絵が書いてあり、だるまちゃんやキャラクター達が描かれている。
広い公園の隅から隅までミィに付いて見て回る。
遊園地のような区画もありメリーゴーランドやモノレールなどがあって、子供達は一日遊んでいられそうな公園だ。
越前市内にはかこさとしのキャラクターが描かれている場所が何箇所かあるらしい。
「周りたい!」と、ミィは言うが、そろそろキャンプ場へ行かなければ。
チェックインの時間が迫っていた。
僕らは結構な時間をかけて見て回った武生中央公園を後にした。
テント用のペグには、スチールペグやプラスチックペグなどがテントに附属していて、それを使うのがほとんどだと思う。
それよりももっと丈夫な鉄製の鍛造ペグや、さらに強度のあるチタンペグ等があり、それらを使い分けて使用するのだ。
越前市内で食料を調達するとキャンプ場へ向かった。
例によってチェックイン時間が迫っている。
越前市内から西へ向かった山の中に、金華山グリーンランドがあった。
金華山というと宮城県の牡鹿半島を思い出すが、ここは福井県だ。
受付でチェックインをしておじさんにキャンプ場の説明を受ける。
キャンパーは、僕らだけだがバンガローには多くの人が泊まっているようだった。
それも欧米人らしい人達。
その中の1人が何か聞きに来たらしいが、日本語が分からない人と外国語の分からない人同士の会話はどこか面白い。
それでも身振り手振りで通じたらしいからすごい。
受付から坂を下っていったところにテントサイトがあった。車を横付けできるのが嬉しい。
地面は砂利が敷き詰められたような硬い場所だった。
テントはチタンペグを使っているので難なく立ったのだが、タープが立たない。
鍛造ペグを使っているのだが歯が立たないのだ。
「ここ、元駐車場だよね。絶対に」
キャンプブームに乗って急遽作られたテントサイトのようだった。
しょうがないので、テントのチタンペグを外して、予備のチタンのピンに変える。
風はないのでテントを固定できれば良い。
タープは、テントで使っていたチタンペグにする。
ようやく地面にペグが刺さってタープを立てることができた。
予備のペグ持って来て良かった、と思った。
炊事場も急遽こさえたような場所だったが飲める水が使えるのはありがたい。
トイレもシャワーもキレイで、僕らが独占しているようで申し訳ない。
上のバンガローから賑やかな声が聞こえてくる。
かなり盛り上がっているようだった。
誰もいないキャンプサイトで、僕らは静かに夜を過ごした。
2023/08/07(月)
天候:晴れ 最低 28.0℃/最高 35.2℃
福井県あわら市〜福井県越前市
走行距離:116.9km
総走行距離:6683.8km
最近のコメント