ぐるっと日本を旅してみた Vol.31
「車中泊は楽だな」と、思うことがある。
時間など気にせず、その日行けるとこまで行き、好きなところで泊まることができる。
車中泊の大変さもあるだろうが、その日その日を気にせず行けるのが良い。
キャンプ泊だとそうはいかない。
チェックインの時間が 16時とか17時までという場所が多い。
移動を考えると、観光は 15時位までその後はキャンプ場へ行きチェックイン、テント設営となる。
その日暮らしなので前もって予約などできない。
当日予約となるが、満員だったりすると代替案を探すのも大変だ。
今日はまさにそんな日だった。
気仙沼港へ来たらなんか賑やかにイベントをやっていた。
迎 ムカエル
という名前の施設でカツオのイベントをやっていた。
通路にはカツオのぼりがたくさんはためいている。
これから行われるイベントの紹介をしているMCの声があたりに響く。
施設の中にコミュニティFMのブースもあった。
あのMCは、FM局の人だろうか?
カツオの試食でもないかな?と思ったが、そういうブースは見当たらずちょっと残念だった。
日差しが強くなってきた。
今日は暑くなりそうだ。
鮫が大きな口を開けてこちらを見ている。
鋭い歯がいくつも並んでいるのが見える。
気仙沼シャークミュージアムは、気仙沼港のショッピングモール「海の市」の中にあった。
サメに特化した博物館だ。
小さなサメから、大きなサメ。
サメの生態、習性。
サメに関するありとあらゆる情報がそこにあった。
ここまで特化した展示は面白いなと思った。
「海の市」にはもう一つ博物館がある。
それは、氷の水族館。
北海道にあった流氷館は、流氷、つまり氷そのものを見せる展示だったが、こちらは違う。
氷漬けにされた魚を展示してあるのだ。
透き通った氷の中に様々な魚が、氷漬けになっている。
その様はまるで泳いでいるかのようだった。
僕らは、写真を撮ったり、魚を眺めたりして冷凍庫の中を楽しんだ。
気仙沼の名物を食べようと思って調べていた。
気仙沼だから海鮮だろうなぁと、思ったのだが見つけたのは
「気仙沼ホルモン」。
長期間漁で海に出る漁師が、港に戻ってきて船上ではあまり食べる事ができなかった肉を好んで食べていたとか。
中でも値段の安いホルモン焼きが好まれて食べられていた。
また、船上での野菜不足を補うために千切りキャベツを添えられている。
それが「気仙沼ホルモン」だという。
「お福」さんでその気仙沼ホルモンを食べることにした。
こじんまりとしたお店は、ローカルな焼肉屋という感じ。
テーブルには、四角い炭火の七輪が乗っている。
運ばれてきたのは、ご飯と、千切りキャベツとホルモン。
七輪で焼いてウースターソースをかけたキャベツと一緒に口の中に放り込む。
ご飯をかき込む。
この繰り返し。
ちょっと噛み切れない物もあったりするのは一興。
ホルモンが結構ボリュームがあって、味がしっかりしていて美味しい。
これでビールがあれば最高なのだが。
ここは、我慢。
美味しかった。
ごちそうさまでした。
震災遺構は、ここまでいくつか見てきた。
津波の破壊的な一面をこれでもか、というくらい見せてくれていた。
ここ、リアス・アーク美術館は違う角度から震災を表現していた。
気仙沼の博物館的な一面。
現代アート作品を展示する一面。
震災の記録を展示する一面。
そんな顔を持つ不思議な美術館だった。
特に震災直後から撮り溜めている膨大な写真展示が圧巻。
それぞれの写真の撮影者によるコメントが当時の状況を生々しく伝えてくれている。
この美術館は、「アート」という表現で、あの日のことを伝えようとしている。
これも貴重な記録だと思った。
日曜日だからという油断もあったのかもしれない。
この日目指していたキャンプ場へ電話すると、
「すみません。今日は満員です」と言われた。
当てが外れて途方に暮れる。
このあたりのキャンプ場は意外と少ないのだ。
慌てて探し始めるが適当なところが見つからない。
「あそこに電話するか」
以前、何度か寄ったことのある公園を思い浮かべた。
電話をするとフリーサイトなら空いているとのことだった。
ただし、
「チェックインは、5時までです」
今は、4時ちょっと前だった。
「気仙沼にいるんですけど」
「三陸道で登米まで来ればちょうどですね」
予約はしたが、ちょっと迷っていた。
ただ、高速は使いたくなかったのだ。
下道だと1時間半はかかりそうだ。
仕方ない、無料区間だからギリ良いことにしよう。
自分に言い聞かせてキャンプ場へ向かった。
到着したのは午後5時ちょっと前。
ギリギリ間に合った。
フリーサイトは、すり鉢状の場所で、ドーナツ状のサイトが段々畑のように2段になっていた。
一番下になる中央のサイトはテントで埋まっていたので、2段目の空いているところにテントを建てることにする。
駐車場から荷物を運ぶのがちょっと大変だった。
キャリーを使って運ぶのだが通路がガタガタの坂道で、不安定で何度か荷物を落としてしまった。
テントを立てて落ち着いたら近くの温泉へ行くことにした。
長沼温泉ヴィーナスの湯が車で数分の所にあった。
館内は結構混んでいて、賑やかだった。
気持ちの良い温泉に入り外に出ると、周囲にパン屋などもあってちょっとした観光スポット人なっていた。
ただ、すでに閉店していたので美味しいパンを買うことはできなかった。
登米の町まで行ってスーパーで食材を買いキャンプ場へ戻った。
2023/07/22(土)
天候:晴れ 最低 17.3℃/最高 26.7℃
宮城県気仙沼市〜宮城県登米市
走行距離:106.6km
総走行距離:5016.0km
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