ぐるっと日本を旅してみた Vol.26
12年前の東日本大震災。
宮城県を中心に被災地を訪ねる旅をしていた。
しかし、岩手県はなかなか来ることができなかった。
特に三陸地方は距離的にも、時間的にも足を運ぶことが難しかった。
被災した友人に「必ず行く」と言ってから気付けば12年。
ようやくこの地を訪れる。
種差海岸から太平洋を眺める。
雲が出ていて朝陽ははっきりとは見えなかったが、気持ちの良い朝だった。
天気は良くなる予報だった。
種差海岸には、緑の天然芝が広がりまるでゴルフ場の様な風景だった。
その先に海が広がっている不思議な光景だった。
今日は、GoogleMapで見つけた気になる場所へ行ってみる。
学生の頃、ツーリングで「日本キャニオン」へ行ったことがあった。
渓谷の風景をグランドキャニオンに例えたのだろう。
その後、グランドキャニオンへも行ったことがあるが、全く別物だった。
そしてGoogleマップで見つけたのは。
「八戸キャニオン展望所」
スケール感が日本から八戸まで小さくなったがどんなところか気になる。
早速、行ってみる事にする。
海岸部から内陸へ入っていき30分弱でその入口へ着いた。
そこは八戸鉱山という会社の敷地内。
重機が走っている道を恐る恐る入って行く。
一般人も展望所までは入ることができるので、特に止められることもない。
そして展望所について感じたのは、
「キャニオンだ!」
そこは石灰岩の露天掘りを行っていて、東西1,000m、南北1,800m、
最深部の深さが海抜マイナス170m!
展望所からは 280mの深さ!
眼の前に広がるのは距離感、サイズ感がおかしくなるような大きな穴だ。
その穴の底で小さな重機が忙しそうに動き回っている。
しかし、展望所の脇に重機のタイヤが飾ってあるがそのサイズはとんでもなくでかい。
直径2670mm、幅756mm
身長の 1.5倍ほどのタイヤのサイズからあそこで動いている重機のサイズがとんでもない事が分かる。
「すごいなぁ」
僕らは飽きる事なくその風景を眺めていた。
岩手県に入った。
休憩で「ひろの水産会館ウニーク」というところに寄る事にした。
港にある水産物直売所、食事処、お土産屋という建物で3階からは港が一望できた。
ついに来た。
そんな思いが湧いてくる。
日本一周の旅で外せない場所「三陸海岸」に入ったのだ。
「東日本大震災の爪痕」と書かれたパネル。
「岩手県復興ポスター展」が行われていて通路階段に貼られた復興ポスター。
10年前の大震災をテレビ画面でしか知らない。
その後、宮城県、福島県は見て回ったが、岩手県にはなかなか来れなかった。
ようやくである。
勝手に身体の中で興奮しているのがわかる。
涙目にもなっている。
あの時の思い出が湧き出てくる。
あの頃、1人で何かできないかと足掻きもがいていた。
あの頃、やっていたことはなんだったんだろうか?と思う事がある。
その被災地にようやく足を踏み入れた。
この先、一つ一つを胸に刻みつつ進む事になりそうだ。
勝手にテンションが上がっているぼくと、
そんな思い入れのないミィとは、
しばらく温度差のある旅になりそうだった。
「ポケふたがあるから道の駅に寄ろう!」と、ミィが言う。
イシツブテ公園というのがあるらしい。
お昼も食べたいしな。と、道の駅いわて北三陸に寄ってみた。
この中にイシツブテ公園があるのだ。
しかし、寄ってみて驚いた駐車場が大混雑なのだ。
昼時というのもあるかもしれないが、普通車からキャンピングカー、バイクまで多種多様の乗り物が止まっている。
これはレストランも混んでいるんだろうなぁ。
ミィが写真を撮って戻ってくる。
「もう少し進もう」
世の中は3連休の最終日だった。
カレンダーを気にしない旅をしているとうっかりこういう日に当たって、人が多い事にびっくりする。
この先、夏休みが始まるとどうなるんだろう?
キャンプ場の予約とか大変そうだな。
ちょっと考えるとうんざりしてしまう。
まぁ、なるようにしかならないか。
あっ、写真撮っていなかった。
久慈駅は、三陸鉄道の始発駅、JRとの乗り換え駅だ。
臨時列車だろうか?
白い列車が停車している。
JRとは別の建物になっている小さな駅舎に入ってホームを眺めてみる。
ここから鉄路の旅も良いなぁ。
ノンビリと海を眺めながらの鉄道旅。
ちょっと憧れます。
地下道を通って久慈駅の裏に出る。
お昼を食べようとしばらくブラブラ歩く。
通りから入ったところに鮨処きよ田があった。
ランチで寿司を食べる事にしたのだ。
にぎりとそばのランチとチラシとそばのランチをいただく。
小上がりの畳の減りが魚へんの漢字が書かれていて面白かった。
お寿司もネタが新鮮で美味しかった。
ごちそうさまでした。
道の駅久慈は、混んでいた。
ミィは、ポケふたがあるから寄ってくれという。
駐車場に着くと早速探しに行った。
道の駅の建物に入ると巨大な山車が置いてあった。
久慈秋祭で市内を巡行する山車とのこと。
青森のねぶたとは違う迫力がある。
ミィが戻って来た。
ポケふたの写真を撮れて満足そうだった。
久慈市内で寄れそうな所をいくつかピックアップしたのだけど。
さて、どこへ行こうか?
久慈国家石油備蓄基地。
なんだか仰々しい名前が付いているが、特にタンクのようなものは見えない。
地下の岩盤付近にあるタンクで備蓄しているようだ。
その古い施設を利用した施設が久慈地下水族科学館もぐらんぴあだ。
石油備蓄基地の旧作業坑を利用した水族館で文字通り地下にあります。
入口から横穴を進んでいくと地下で石油を備蓄している基地の説明がある。
そこから逸れると水槽の並ぶ水族館になっていた。
海底トンネルがあったり、クラゲ、深海魚、三陸の魚の展示があり、海人さんや南部潜りのダイバーが水槽の中に出て来ることもあるとか。
しかし、時間が合わなくてみることはできなかった。
「さかなクン」のコーナーがあった。
さかなクンは、もぐらんぴあの応援団等なのだそうだ。
さかなクン独特な絵が飾られている。
水槽の説明もさかなクンが書いている。
他では見ない地下の水族館。
小さな水族館でしたが見どころのある、面白い所でした。
国道を走っていた。
ふと目に入ったのは・・・ガメラ。
思わず車をUターンして見に行った。
安全第一の看板に乗ってガメラが国道を見つめ続けている。
こういう面白看板を見つけるのも楽しい。
普代駅では、猫達が魚を抱えていた。
サーフボードを掲げるサーファーの写真みたいに、
高々とカツオ?を掲げている。
「大漁だ 普代の 海だ」
海が生活の一部となっている地域だな、と感じた。
山と山の間を埋めるように大きな水門が立っている。
普代水門。
東日本大震災から町を守った奇跡の水門と呼ばれている。
明治29年、15.2mの津波がこの地を襲った。
その経験を活かせぬままに昭和8年にも津波の被害にあう。
「2度あった事は、3度あってはならぬ」
その思いで 15.5mの普代水門と大田名部防潮堤を築いたという。
命を守った水門や防潮堤。
命を守れなかった水門や防潮堤。
残酷だけどその明暗を分けたのが東日本大震災。
良い悪いというつもりはない。
ただ、現実を見つめるだけ。
そして、次こそは、命を守れますように。
そう願わずにはいられなかった。
国民宿舎黒崎荘に併設された黒崎オートキャンプ場。
この旅に出て初めて「一組だけだから、どこを使っても良いよ」と言われた。
ちょっと鬱蒼とした林の中の斜面に沿って段々にサイトがある。
炊事場に近い上の方のサイトを陣取ったが、本当に誰もいない。
黒崎荘で温泉に入ったが、目の前が海で開放感のあるお風呂でした。
朝風呂は朝日が見れて良いのだろうなぁ。
食事のお供は岩手の地ビール BAREN BEER THE DAY
苦味が美味しいビールでした。
ごちゃごちゃしたキャンプ場は嫌だけど、
こんな広いキャンプ場にポツンと1軒家ってのもちょっと寂しい。
人間って結構わがままにできているなぁと思ってしまう。
海が近いけど、テントサイトからは海は見えず。
空は木々の間から少し見えるくらい。
特に何もやることのない夜でした。
ただ、この先のルートをどう走るか悩んでいます。
2023/07/17(月)
天候:晴れ 最低 21.7℃/最高 30.9℃
青森県八戸市〜岩手県下閉伊郡普代村
走行距離:123.1km
総走行距離:4310.8km
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