ぐるっと日本を旅してみた Vol.27
岩手県から宮城県にかけて海岸線を走ると、
目にするのは、震災遺構の数々。
そこで起きた悲劇を考えると、
「観光」として回ることに躊躇していた時期もある。
今は、あの出来事を忘れない為に、
少しでも被災地の復興の手助けになるように
現地を訪れて、現地の物を食べたり、観光をしたいと思うようになった。
砂浜の真ん中に大きなコンクリートの塊が砂に埋まっている。
人の背丈よりも大きな塊がいくつかバラバラに埋まっている。
それがかつては一つの大きな防潮堤だったとの案内板が立っていた。
震災前の風景。
震災後の風景。
その写真を見ると海岸線が大きく変わっているのがわかる。
10数年経った今もその塊達が、巨大な力に抗った事を伝えている。
白地に赤と青のラインが入った車両がトンネルから出てくる。
ゆっくりと目の前のホームに入ってきた。
乗客は皆にこやかに笑顔を見せている。
三陸鉄道の駅名には、宮澤賢治の童話が元になっている駅名がある。
「カルボナード島越」も「グスコーブドリの伝記」に出てくる、火山島の名前にちなんだ名前だそうだ。
駅名の由来を考えるだけでも楽しい。
やがてエンジン音を響かせて列車が動き出す。
すぐにトンネルへと消えていく。
災害から復活した三陸鉄道は今日も人々を運んでいる。
地元の足だということがよく分かる。
三陸のリアス式海岸の海に突き出たずんぐりした突端に、穴が二つ並んでいる。
大きな鼻に見えないこともない。
熊の鼻。
ネーミングがすごいなと思う。
ただ、熊の鼻を見下ろす熊の鼻展望台は、今にもクマが出てきても不思議ではない場所にあった。
熊の鼻を見ながらクマに出会うなんてシャレにならんな。
「ここは必ず見に行くからね」
三陸に来たら寄ってみたかった場所の一つ、
「震災遺構 たろう観光ホテル」
6階建てのホテルの1、2階がごっそりなくなり鉄鋼が剥き出しになっている。
よく倒れずに立っていたな。
震災を象徴する建物としてテレビなどで目にする事はあったが、
実際目の前にすると、言葉が出ない。
シーンと静まりかえった建物の中に残骸が見える。
周囲は更地で何もない。
ここにあるだけで、
想像を絶する津波の勢い
凄まじい破壊力。
を伝えてくれていた。
「宮古の友達がかりんとうが美味しいって言ってたよ。
かりんとう、食べようよ」
ミィのお友達情報でかりんとうを食べることにした。
道の駅たろう の向かい側にある田中菓子舗に寄ってみます。
こじんまりとしたお店は、震災後に建てられたのだろう大正12年創業というには真新しい店舗だ。
田老かりんとう、ワッフル、あんドーナッツ等美味しそうなお菓子が並んでいます。
田老かりんとうをいただきます。
かりんとうって黒っぽくて棒状の物というイメージだったのですが、田老かりんとうは縦長の渦巻き状。
クッキーの様な見た目のかりんとうは、ポリポリした食感でほどよく甘くて美味しい。
お友達情報で美味しいかりんとうをいただきました。
ごちそうさまでした。
宮古市に入った。
「瓶ドンが名物らしいよ」
ミィの友達情報で瓶ドンを食べてみる事にした。
宮古の発音が気になった。
み↑やこ↓ だと思っていたが、
みやこ↑ と地元では発音するらしい。
「都」と同じだ。
そういえば市がつくと みやこ↑し になるなぁ。
言葉は難しい。
味処 海舟さんで瓶ドンをいただく事にした。
やはり震災からの復興で建てた建物だろう。
新しい感じのキレイな建物だった。
瓶ドンに種類があって、牛のそぼろが入ったものもあった。
ただイメージ的に海鮮だろうと思ったので「瓶ドン白雪」を頼む事にした。
すりおろした長芋にタラの刺身、その上にメカブが乗って、彩にいくらが乗せてある。
パフェの海鮮版のような感じだ。
驚いたのはその瓶の下に LEDランプが置いてあり、緑や赤とキラキラ光っているのだ。
瓶の具材をご飯に開けてわさび醤油でいただくのですが、ちょっとしたイベントのようで楽しい。
そして美味しい。
ミィはホヤラーメンを頼んだが三陸のホヤは間違いなく美味しい。
・・・瓶ドンではなかった。笑。
料亭のような雰囲気の海舟さんは、旅館もやっているらしく美味しい食事が食べられるんだろうなと、ちょっと泊まってみたい気もした。
楽しく、美味しいランチでした。
ごちそうさまでした。
2024年の年を越してからのことだった。
海舟さんをGoogleマップで見ると「閉業」と赤字で書かれていた。
驚いていたのだが、その後ニュースで味処海舟さんの話をしていてその理由を知ることができた。
元々、浄土ヶ浜旅館 味処 海舟 として営業したいたのだが、
東日本大震災で津波被害に遭ったそうです。
国なのか県なのか復興支援の補助金で再建し営業を始めていたそうです。
しかし、コロナ禍で営業が落ち込み大きな決断をする事になった。
それは旅館部門を辞めてその設備で介護施設を開業するというもの。
業態は変わるが、設備を大きく変更する事なくできる目処がついたそうです。
しかし、元々震災復興補助金で旅館・食堂として建てた建物。
国は、補助金の返済が終わっておらず、その使用目的が変わるのは認められないとの判断。
このままの業態で営業を続けても収支は悪化する一方で返済もままならない。
結局、残念ながら閉業を決意したとのこと。
別の話しだが工場の設備の老朽化による入れ替えや、効率化のための更新も目的外という理由で許可されない例もあるらしい。
復興というけれど、震災、災害はまだ続いている。
そんな気がした。
宮古市に入ると丘の上に一際目立つ煙突が立っているのが見える。
どこからでも見える煙突がとても気になるので近くまで行ってみた。
ラサ工業という工場の煙突で、観光地ではないので煙突の間近にはいけないのですが、
なんとか近くまで行ってみようとグルグルと回っていました。
とにかく異質で、何故そこに?という感じでとてつもなく大きくて高い煙突が立っているのです。
その光景が宮古市のイメージになってしまうくらい。
その後僕らの中では、各地で見つけた背の高いものは「ラサの**」と呼ぶようになった。
本州最東端の魹ヶ崎へ行くつもりでその入り口にある姉吉キャンプ場まで来ました。
ここで一泊して翌日遊歩道を1時間くらい歩いて魹ヶ崎へ行くつもりだった。
しかし、天候が悪化してきている。
明日は大荒れになりそうだ。
ここまで来れば最東端到着証明書は宮古市内でもらえるそうなので魹ヶ崎へ行く事は断念した。
安全第一。
機会があればいつかチャレンジしてみたい。
本州最東端到着証明書は、駅前の観光案内所でもらうことができる。
僕らは、本州4端ラリー2箇所目の証明書を手に入れた。
「あの扉」
Googleマップ上で見つけた、「あの扉」の文字が気になった。
これは、映画「すずめの戸締り」で出てくる「後戸」だった。
グランドの脇の何もないところにポツンとその「扉」はあった。
すずめの実家の跡地付近という設定らしい。
ちゃんとダイジンもいた!(たまたまですが)
この他に、山田湾展望広場にもあるらしく、せっかくだからと行ってみる。
こちらは海を見渡す展望広場にある扉。
海をバックに扉をなん度も出たり入ったりしてみたりして。
楽しんでいました。
もう一つ、三陸鉄道織笠駅も。
ここも映画に出てくる駅で、映画の装飾もされていて、ノートも置いたある。
映画ファンにはたまらない場所なんでしょうね。
見た事あるってだけどこれだけ楽しいんだから。
秋田県では警報級の雨が降っているらしい。
岩手県も明日にかけてその雨がやってくる。
魹ヶ﨑でキャンプをして翌日ハイキングをしようという計画は止めて、今夜は雨を避けるために盛岡市まで走ってホテル泊まりとした。
国道106号線を走り夕方盛岡市に入った。
それまでに溜まっていた洗濯物をコインランドリーに放り込むと夕飯を食べに行くことに
盛岡市には麺の3大暴力がある。
わんこ蕎麦
冷麺
そして、ジャジャ麺
白龍は、そのジャジャ麺で有名な店だ。
市内中心部の飲み屋が連なった場所に白龍はあった。
小さな店内は混んでいたが席につく事はでき、早速ジャジャ麺を頼む。
常連さんらしき人達は「キイロ」とオーダーしていたがなんのことか分からない。
店員さんが言うのを「はい、はい」と答えるしかなかった。
テーブルの上のラー油やニンニク、酢などで味変しながら美味しくいただく。
締めはチータンタン。
少し残した麺に卵を割り入れて店員さんに頼むとスープを入れてくれる。
それを混ぜながら飲む。
美味しいね。
ごちそうさまでした。
今夜は、盛岡駅前のホテルに泊まった。
雨が降り始めてきたので明日の天気が心配です。
2023/07/18(火)
天候:晴れ 最低 22.6℃/最高 27.5℃
岩手県下閉伊郡普代村〜岩手県盛岡市
走行距離:272.3km
総走行距離:4583.1km
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