ぐるっと日本を旅してみた Vol.10
2024年7月2日
とんでもないニュースが飛び込んできた。
『「シルバーブリーズ」が苫小牧西港で座礁。』
1年前に八戸から北海道へ渡った時に乗った船だった。
乗員乗客に怪我が無かったのが幸いだけど、これが去年起きていたら。
僕らの旅がどう変わっていたか分からない。
状況によってはここで中止になっていたかもしれないわけだし。
フェリーをはじめ、公共交通機関にはあちこちでお世話になった。
くれぐれも事故の無い運用をお願いしたい。
自分達の旅は、2人だけでできた旅では無かった。
フェリー会社、キャンプ場、ホテル、観光で寄った施設、道路管理者等々、名も知らぬ人達のおかげで成し遂げたのだと思った。
去年の旅を無事故で戻れたことに感謝したい。
午前1時半、フェリーは定刻通り苫小牧に入港した。
荷物をまとめて下船の準備をし、車に乗り込む。
しばらく車内で待っていると、ガガガガガと、音がして大きな扉が開いていく。
係員が1台1台確かめるように手際良く車を誘導すると、まだ暗い北の大地へと車が散って行った。
いよいよ北海道の旅が始まる事にワクワクしている自分がいる。
とはいえ、こんな時間にキャンプはできないし、ホテルも取っていない。
北海道の初日は車中泊をすることにした。
20分ほどの所に道の駅があるらしいのでそこへ向かった。
驚いたことに道の駅ウトナイ湖には多くの車が止まっていた。
軽自動車、普通車から大型車。
軽キャンピングカーから大型のマイクロバスやトラック型のキャンピングカーまで。
車中泊の車で埋まっていた。
なんとか駐車スペースを見つけて寝ることにする。
普通車に荷物を積んだ状態なので椅子を倒す事ができないが少しでも寝ておく。
何度か目が覚めては寝るというのを繰り返していたが、フェリーでも寝ていたおかげで割とスッキリと目を覚ます事ができた。
外が明るくなり、人声や出発する車のエンジン音で賑やかになってくる。
ウトナイ湖まで散歩に出る。
ラムサール条約の登録湿地となっているウトナイ湖。
自然保護のため消毒薬で靴底を消毒してから遊歩道へ入っていく。
明け方の湖は、水面も穏やかで静まり返っていた。
鳥や魚の気配すら感じなかった。
何か神聖な場所だと感じた。
北海道でまず最初にやる事は洗濯だった。
朝7時前にコインランドリーへ行きここまでに溜まった洗濯物を洗濯機に入れる。
終了は1時間後。
その間に朝食を食べることにする。
と言ってもこの時間に開いている食堂もなくコンビニへと向かった。
北海道のローカルコンビニ「セイコーマート」、セコマだ。
近くのセコマへ行って朝食におにぎりやサラダを買ってきて車の中で食べる。
部活動へでも行くのだろうか、ジャージ姿の子供がチラッとこちらを見た。
住宅街のコンビニの駐車場でおにぎりを食べている県外からやってきた人。
彼の目にはどんな風に写っているんだろうか?
それとも良くある観光客の光景なのだろうか?
美味しいおにぎりを食べ終わると、今日はどこをどう通って行こうか?と思いを巡らせる。
この先は未知の世界なのだ。
支笏湖に来た。
朝早く着いたのでどの施設も開いてなく、湖畔を散策して回る。
支笏湖から流れ出る千歳川の水が澄んでいてとてもキレイだった。
旧軽便鉄道の赤い鉄橋が周囲の緑と川面に映えてキレイだった。
支笏湖に来たのには理由があった。
もちろん観光地というのもあるが。
ここには旧軽便鉄道の鉄道博物館があるのだ。
正確には、「王子軽便鉄道ミュージアム 山線湖畔驛」という。
かつて王子製紙が支笏湖周辺から木材を苫小牧の工場へ運ぶために開通した鉄道があった。
旅客営業もやっていたがやがてトラック輸送に切り替わり廃線したという。
その記録がこのミュージアムにはあった。
支笏湖畔には駅もあり当時の鉄橋が残っている。
駅、鉄橋を繋ぐ配線図を見ているだけでも楽しかった。
好きな人しか来ないんだろうな。とちょっと思った。
ビジターセンターで周囲の自然や動物の展示を眺めたり、湖畔を散策したりして回った。
最後にスイーツショップパティシエ・ラボでシュークリームを買って食べてみた。
大きなシューの中にはクリームがたっぷり入っていて美味しかった。
徐々に混み始めた観光地から次の目的地へ進むことにした。
支笏湖を離れ、平野部へ降りてきた。
千歳空港を右手に見ながら「飛行機がいっぱい!」と話しながら進む。
本来ならば新潟から千歳へ飛行機で来て列車で目的地へ向かうところを 10日もかけて車で来た。
なんか不思議な感じ。
そこから15分程でノーザンホースパークへ着いた。
馬を見たくて来てみました。
ここは競走馬を輩出している牧場で、博物館、資料館、ショップ、レストランが併設されて広大な観光地となっている。
ディープインパクトの記念ゲートもあり競馬を知らなくても名前だけなら聞いた事がある競走馬の名前を見かけた。
競馬のウンチクよりも馬を見ている方が楽しいのだ。
広い牧場で馬が草を食べていたり、人間が気になるのか咲くの直近まできたり、喧嘩をしている馬がいる。
家族で来ていた小さな子供が柵越しに馬を見て喜んでいる。
そんな光景を見ているだけでのんびりと時間が流れていく。
競馬好きな人とは違う時間の流れがそこにあった。
どこでお昼を食べようか?と車を走らせている時だった。
「世界一あつあつ あんかけ焼きそば」
の幟を見つけた。
もう、行くしかない。
鶴の湯温泉 お食事処 和 さんにそれはあった。
メニューには「世界一美味しい ザンギ」というのもある。
ミィが「世界一熱いあんかけ焼きそば」
僕が「世界一美味しいザンギ定食」を頼んだ。
豪勢なランチだ。 なにしろ「世界一」のランチなのだから。
ザンギはボリュームがすごい。
そして味がしみてて、美味しい。
それだけでも食べ応えがあった。
あんかけ焼きそばはグツグツいってて、とにかく「熱い!」
美味しいけど「熱い!」
時間をかけてゆっくり食べていました。
安平町には世界一のランチがありました。
ごちそうさまでした。
「森林公園緑のふるさと『温泉の森』キャンプ場」
その名前から温泉があるのは分かっていたので温泉目当てでやってきた。
日帰り温泉施設でチェックインするとテントサイトはさらに奥にあるとのこと。
車を進めてテントサイトへ行く。
おそらく学校の跡地らしきテントサイトで、校舎があったらしき場所は区画サイトになっていてテントがたくさん立っている。
グランド部分がフリーサイトになっていて車は乗り入れできない。
駐車場側はすでにテントで埋まっていたので、駐車場とは反対側の誰もいない広い空間にテントを建てることにした。
北海道での初キャンプ。
そう思うとワクワクした。
設営が終わると早速温泉へ向かった。
静内温泉の小洒落た作りの建物の中は広く、ショップとレストランが併設されていた。
休みということもあり館内は賑わっている。
42度の熱めのお湯が気持ちの良い温泉からあがり冷えたいろはす塩とレモンを飲んでいるとミィもあがってくる。
テントへ戻り、サッポロクラッシックを飲みながら北海道の最初の夕飯を食べた。
2023/07/01(土)
天候:雨のち曇り 最低 18.7℃/最高 23.8℃
青森県八戸市〜シルバーフェリー〜
北海道苫小牧市〜北海道日高郡新ひだか町
走行距離:188.4km
総走行距離:1576.8km
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