ぐるっと日本を旅してみた Vol.17
今日は、本土最北端の地へ行くことにする。
最東端は行ったので残りは2箇所。
ただ残りの2箇所は九州にある。
日本を縦断しなければ辿り着かない。
まだまだ先は長いのだ。
そこにあるのはカニの爪だった。
紋別の海沿いの公園に巨大なカニの爪が生えていた。
かつて行われた流氷アートフェスティバルの作品の一つでそのまま残された物らしい。
不思議な光景に誰もが写真を撮っている。
もちろん僕らも写真を撮ることにした。
水中を泳ぎ回るアザラシ
プカプカと顔を出すアザラシ
寝そべるアザラシ
そこには様々なアザラシたちがいた。
オホーツクとっかりセンター アザラシランド
野生のアザラシを保護、飼育している施設です。
受付も無く、200円を投入口に入れると回転式のバーを押して入場する。
ガラス越しの少し濁った水の中でアザラシが泳いでいるのが見える。
壁には手作りのアザラシ達の紹介が貼ってある。
階段を上りプールの上へ出ると3面のプールがありそれぞれアザラシ達が泳ぎ回っている。
水族館とは違い、保護センターなのでそれ以上のものは何もない。
ただ、そんなアザラシ達を見ているだけでのんびり出来る所です。
やがてザワザワと団体が到着した。
中国からの観光客のようで急に施設内が賑やかになった。
ちょうど食事を与えるイベント開始の案内が流れてプールの奥にある屋根付きの場所へ集まるのだが半分以上はその団体客で中国語が飛び交っていた。
職員がアザラシを3頭連れてきてそれぞれの紹介を始める。
アザラシの特徴や身体の説明をしながら餌を与えていく。
間近で柵もなく見ることが出来るのは施設が小さいからかもしれない。
食事タイムが終わり、アザラシ達はプールへ戻って行った。
やがて中国人客も帰って行くと再び静かな空間になる。
アザラシの鳴き声が響き渡り、泳ぎ回る水音だけが響いている。
再びノンビリとアザラシ達を眺めて時間を過ごした。
流氷をガリガリ音を立てて割りながら進むガリンコ号。
この船体が威力を発揮するのは冬場。
さすがに夏場は手持ち無沙汰に港に停泊している。
観光船として運航することもあるらしいが、
目の前のガリンコ号は夏期休暇中だった。
カミさんと新婚旅行で6月の北海道を訪れた。
ラベンダーが綺麗だろうね。と2人で期待していたのだが、まだ花が咲く前で「何しにきたの?」的なことをタクシーの運転手に言われた。
それが僕のラベンダーの思い出だった。
だから紋別市街地へ入る手前でラベンダーの花が咲き誇る景色を目にした時、そこへ行こうと思った。
道立オホーツク流氷公園のラベンダー畑は、まさに満開の状態だった。
淡い紫色のラベンダーが一面に咲いている。
皆、カメラを構えて様々な構図で写真を撮っている。
僕らも近寄ったり、離れたり、しゃがんだり、立ち上がったり、園内を歩き回りラベンダーの写真を撮って回った。
ラベンダーだけでいろんな種類があるようで畑によって色が違ったり、見え方が違ったりする。
こんなにじっくりラベンダーを見たことなかったなぁ。
カミさんにメールで写真を送ってみた。
あの時、見ることができなかった景色がここにあった。
興部の町に入ったところでパレードをやっていた。
大勢の人が列をなして、旗や風船を持って歩いている。
チラッと見た感じでは LGBT に関するもののようだった。
北海道の都市部ではなく町でパレードをやっているのが新鮮だった。
町中に入り道の駅おこっぺに着いた。
広場では何かイベントの準備をしていてマイクやスピーカーが並べられ、地元の高校生だろうか?ダンスを踊っていた。
周りにはその家族なのかカメラを持った人が何人かそのダンスを見守っていた。
道の駅ならお昼ご飯を食べられるかな?と思ってきたのだが、小さな道の駅で売店と軽食を出す店しかなかった。
ここは、かつての国鉄興部駅の跡地らしく、当時の写真などが飾ってあった。
そしてここには無料の宿泊設備があった。
駅のホームにディーゼル車が停車していて、中で宿泊できるようになっている。
ルゴーサエクスプレスという名前で寝台車ではないが椅子席が一両、フラットになっていてごろ寝ができる車両が一両連結されている。
ここに泊まるのも面白そうだなと、思ったがまだお昼でこの先進んでいきたかったので諦める。
機会があれば泊まりたいよなぁ。と思った。
「ガストだ!ガストへ行こう!」
道の駅おこっぺの近くに食事のできるところはいくつかあったが、そのうちの一軒が気になった。
「味の賀寿当」だ。
ガストウと読むのかもしれないが、僕らは勝手に「興部のガスト」と呼んだ。
もちろんチェーン店のファミリーレストラン ガストとは何の関係もない。
建物の和風の寿司屋か蕎麦屋といった風情だった。
店内に入ると襖で仕切られた小上がりに案内された。
ちょっとした個室だった。
メニューを開くと、
寿司、定食、そば、うどん、カレー、天ぷら、刺身・・・。
この店に来れば老若男女、子供から大人まで誰もが満足できそうな料理が並んでいた。
まさに「興部のファミリーレストラン ガスト」だった。
壁にもいくつかメニューが貼ってあるのだがその一つが目に留まる。
「私はこれにする」ミィが指さしたのは「期間限定ほたて丼 はじめました」の文字。
「期間限定だから今しか食べれないし」という。
再びこの地を訪れることがあるかどうか分からないから、全て今しか食べれないのだけど。
まぁ千円のほたて丼ならお昼にちょうど良いなぁと思い、僕もそれにする。
しばらくして運ばれてきたほたて丼は、ホタテがびっしり乗っていた。
ツヤツヤで新鮮なホタテはそれぞれが大きく美味しいものだったのだが食べ始めて驚いた。
ご飯の上にホタテが乗っているのではなく、ホタテだけで3層くらいになっていてその下にご飯があった。
だから食べ始めてもなかなかご飯にたどりつかない。
「すごい!」と、思わず声に出てしまう。
黙々と食べていたが食べ終わる頃に更に驚いた。
ホタテが余るのだ。
丼を食べていて具を食べてしまって、ご飯が残ることはある。
丼のタレが沁みたご飯だけを最後にかき込んで終わり、となるのだが、その逆でご飯を食べてしまいホタテが余ってしまうのだ。
大満足のお昼だった。
本当に 1,000円なの? 1,500円とか2,000円じゃないの? と妙な心配をしてしまう。
まだこの旅は序盤なのだが、興部のファミリーレストラン ガスト「味の賀寿当」のほたて丼はこの旅一番の食事だと思った。
ごちそうさまでした。
海岸線を北上する。
何も無い海岸線沿いの単調な道を走って行く。
時折、巨大な風車が視界に入り、いくつかの道の駅を過ぎていく。
「ポケふたがあるんだけど」
急にミィが言う。
「何それ?」
「ポケモンのマンホールのフタ」
ちょうど休憩になるので日本最北端の村 猿払村にある道の駅さるふつ公園へ寄る事にした。
しかし、これがこの後の旅の目的に「ポケふた探しの旅」「マンホールのふた探しの旅」を加える事になるとは思ってもみなかった。
この道の駅にはキャンプ場が併設されていて、多くのバイク、車が止まっている。
牧場が広がっているような風景で、目の前が海。
高い木が見えない草原が広がった景色は、北の果てに来た感じが高まってくる。
ミィは早速「ポケふた」を探しに行った。
ポケモンに興味の無い僕は、今夜泊まるキャンプ場の予約を取っていた。
このキャンプ場に泊まっても良かったのだが、まだ陽が高いのでもう少し進むことにする。
まだまだ寄りたいところがあるのだ。
海岸線を北上していくとやがて家々が現れ、建物が増えてきた。
そして、大きな駐車場に多くの車、バス、バイクが止まっていて、多くの人がいる場所に着いた。
最北端の地、宗谷岬だ。
土産物屋が並び、観光バスが出入りし、車が行き来している。
海に面したモニュメントには記念写真を撮るための行列ができている。
行列の合間を縫って三角形のモニュメントの前で記念写真を撮った。
これが北の端か。ついに来た!という気持ちになる。
ブラブラしながら土産物屋を見て回ると、土産物屋の一角に宗谷流氷館というのがあったので入ってみる。
魚屋の大きな冷凍庫のようなところに入ると、氷の塊、流氷がゴロゴロしていた。
網走で見た流氷館に比べるとチープな感じがしたがこれはこれで味がある。
日本最北端の地は、THE観光地といった感じで、人が集まっている場所でした。
宗谷岬の土産物屋の裏の道を登り宗谷丘陵の上に出る。
20分ほど進むと「白い道」が現れる。
帆立貝の殻を砕いて撒いた白い道は緑の草原の中へ続いていた。
緑と白のコントラストがキレイだ。
車やバイクが何台か来て、白い道を進んでいく。
誰もがダートという事と、風景を見ながら走るのでゆっくりと進んでいく。
僕らも車を進めたが、下調べなどしていないのでどの位の距離で、どこまで続いているのか、全く分からなかった。
実は、キャンプ場のチェックイン時間が迫っていた。
このまま進むか?戻って広い道を走るか?
風景を楽しみながら、頭の中ではそんなことを考えていた。
まもなく車をUターンできる場所があった。
「戻ろう」他の車もいてなかなか進めないこともあったし、時間が読めないのが問題だった。
それでも丘陵地帯の草原を白い道が通っている風景を楽しむことはできた。
満足はしていたのだ。
稚内市にある道立宗谷ふれあい公園キャンプ場は混んでいた。
オートサイトは満員。
区画サイトもほぼいっぱいでテントがぎっしりと立っていた。
とはいえ、広い道立公園のキャンプ場なので区画に余裕があり隣のテントとの間に多少の空間があるので狭っ苦しさは感じずにいた。
出入りの際に人んちの軒を通って行く感じはあるのだけど。
道立公園は本当に広い!
チェックインを済ますと車で移動する。
ゲートを入って進んだ一番奥に予約したサイトがあった。
オートサイトではないので車は横付けできないが、サイトのすぐ脇に駐車スペースがあるので荷物を運ぶのに苦労はなかった。
ただ、人ん地の軒を通って奥に入るのが気になったのだが。
それでも区画の外側に若干草木があってそれなりにプライベート感もある。
今夜は、サッポロクラッシック ゴールデンカムイ缶で疲れを癒やす。
うまい!
2023/07/08(土)
天候:晴れ 最低 16.2℃/最高 26.6℃
北海道紋別市〜北海道稚内市
走行距離:261.0km
総走行距離:3014.4km
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