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2024年7月の13件の投稿

2024/07/30

ぐるっと日本を旅してみた Vol.17

2023年7月8日(土) 17日目

今日は、本土最北端の地へ行くことにする。

最東端は行ったので残りは2箇所。

ただ残りの2箇所は九州にある。

日本を縦断しなければ辿り着かない。

まだまだ先は長いのだ。

カニの爪オブジェ

そこにあるのはカニの爪だった。

紋別の海沿いの公園に巨大なカニの爪が生えていた。

かつて行われた流氷アートフェスティバルの作品の一つでそのまま残された物らしい。

不思議な光景に誰もが写真を撮っている。

もちろん僕らも写真を撮ることにした。

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オホーツクとっかりセンターアザラシランド

水中を泳ぎ回るアザラシ

プカプカと顔を出すアザラシ

寝そべるアザラシ

そこには様々なアザラシたちがいた。

オホーツクとっかりセンター アザラシランド

野生のアザラシを保護、飼育している施設です。

受付も無く、200円を投入口に入れると回転式のバーを押して入場する。

ガラス越しの少し濁った水の中でアザラシが泳いでいるのが見える。

壁には手作りのアザラシ達の紹介が貼ってある。

階段を上りプールの上へ出ると3面のプールがありそれぞれアザラシ達が泳ぎ回っている。

水族館とは違い、保護センターなのでそれ以上のものは何もない。

ただ、そんなアザラシ達を見ているだけでのんびり出来る所です。

やがてザワザワと団体が到着した。

中国からの観光客のようで急に施設内が賑やかになった。

ちょうど食事を与えるイベント開始の案内が流れてプールの奥にある屋根付きの場所へ集まるのだが半分以上はその団体客で中国語が飛び交っていた。

職員がアザラシを3頭連れてきてそれぞれの紹介を始める。

アザラシの特徴や身体の説明をしながら餌を与えていく。

間近で柵もなく見ることが出来るのは施設が小さいからかもしれない。

食事タイムが終わり、アザラシ達はプールへ戻って行った。

やがて中国人客も帰って行くと再び静かな空間になる。

アザラシの鳴き声が響き渡り、泳ぎ回る水音だけが響いている。

再びノンビリとアザラシ達を眺めて時間を過ごした。

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ガリンコ号

流氷をガリガリ音を立てて割りながら進むガリンコ号。

この船体が威力を発揮するのは冬場。

さすがに夏場は手持ち無沙汰に港に停泊している。

観光船として運航することもあるらしいが、

目の前のガリンコ号は夏期休暇中だった。

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道立オホーツク流氷公園 ラベンダー畑

カミさんと新婚旅行で6月の北海道を訪れた。

ラベンダーが綺麗だろうね。と2人で期待していたのだが、まだ花が咲く前で「何しにきたの?」的なことをタクシーの運転手に言われた。

それが僕のラベンダーの思い出だった。

だから紋別市街地へ入る手前でラベンダーの花が咲き誇る景色を目にした時、そこへ行こうと思った。

道立オホーツク流氷公園のラベンダー畑は、まさに満開の状態だった。

淡い紫色のラベンダーが一面に咲いている。

皆、カメラを構えて様々な構図で写真を撮っている。

僕らも近寄ったり、離れたり、しゃがんだり、立ち上がったり、園内を歩き回りラベンダーの写真を撮って回った。

ラベンダーだけでいろんな種類があるようで畑によって色が違ったり、見え方が違ったりする。

こんなにじっくりラベンダーを見たことなかったなぁ。

カミさんにメールで写真を送ってみた。

あの時、見ることができなかった景色がここにあった。

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道の駅おこっぺ

興部の町に入ったところでパレードをやっていた。

大勢の人が列をなして、旗や風船を持って歩いている。

チラッと見た感じでは LGBT に関するもののようだった。

北海道の都市部ではなく町でパレードをやっているのが新鮮だった。

町中に入り道の駅おこっぺに着いた。

広場では何かイベントの準備をしていてマイクやスピーカーが並べられ、地元の高校生だろうか?ダンスを踊っていた。

周りにはその家族なのかカメラを持った人が何人かそのダンスを見守っていた。

道の駅ならお昼ご飯を食べられるかな?と思ってきたのだが、小さな道の駅で売店と軽食を出す店しかなかった。

ここは、かつての国鉄興部駅の跡地らしく、当時の写真などが飾ってあった。

そしてここには無料の宿泊設備があった。

駅のホームにディーゼル車が停車していて、中で宿泊できるようになっている。

ルゴーサエクスプレスという名前で寝台車ではないが椅子席が一両、フラットになっていてごろ寝ができる車両が一両連結されている。

ここに泊まるのも面白そうだなと、思ったがまだお昼でこの先進んでいきたかったので諦める。

機会があれば泊まりたいよなぁ。と思った。

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ほたて丼 味の賀寿当

「ガストだ!ガストへ行こう!」

道の駅おこっぺの近くに食事のできるところはいくつかあったが、そのうちの一軒が気になった。

「味の賀寿当」だ。

ガストウと読むのかもしれないが、僕らは勝手に「興部のガスト」と呼んだ。

もちろんチェーン店のファミリーレストラン ガストとは何の関係もない。

建物の和風の寿司屋か蕎麦屋といった風情だった。

店内に入ると襖で仕切られた小上がりに案内された。

ちょっとした個室だった。

メニューを開くと、

寿司、定食、そば、うどん、カレー、天ぷら、刺身・・・。

この店に来れば老若男女、子供から大人まで誰もが満足できそうな料理が並んでいた。

まさに「興部のファミリーレストラン ガスト」だった。

壁にもいくつかメニューが貼ってあるのだがその一つが目に留まる。

「私はこれにする」ミィが指さしたのは「期間限定ほたて丼 はじめました」の文字。

「期間限定だから今しか食べれないし」という。

再びこの地を訪れることがあるかどうか分からないから、全て今しか食べれないのだけど。

まぁ千円のほたて丼ならお昼にちょうど良いなぁと思い、僕もそれにする。

しばらくして運ばれてきたほたて丼は、ホタテがびっしり乗っていた。

ツヤツヤで新鮮なホタテはそれぞれが大きく美味しいものだったのだが食べ始めて驚いた。

ご飯の上にホタテが乗っているのではなく、ホタテだけで3層くらいになっていてその下にご飯があった。

だから食べ始めてもなかなかご飯にたどりつかない。

「すごい!」と、思わず声に出てしまう。

黙々と食べていたが食べ終わる頃に更に驚いた。

ホタテが余るのだ。

丼を食べていて具を食べてしまって、ご飯が残ることはある。

丼のタレが沁みたご飯だけを最後にかき込んで終わり、となるのだが、その逆でご飯を食べてしまいホタテが余ってしまうのだ。

大満足のお昼だった。

本当に 1,000円なの? 1,500円とか2,000円じゃないの? と妙な心配をしてしまう。

まだこの旅は序盤なのだが、興部のファミリーレストラン ガスト「味の賀寿当」のほたて丼はこの旅一番の食事だと思った。

ごちそうさまでした。

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道の駅 さるふつ公園 ポケふた

海岸線を北上する。

何も無い海岸線沿いの単調な道を走って行く。

時折、巨大な風車が視界に入り、いくつかの道の駅を過ぎていく。

「ポケふたがあるんだけど」

急にミィが言う。

「何それ?」

「ポケモンのマンホールのフタ」

ちょうど休憩になるので日本最北端の村 猿払村にある道の駅さるふつ公園へ寄る事にした。

しかし、これがこの後の旅の目的に「ポケふた探しの旅」「マンホールのふた探しの旅」を加える事になるとは思ってもみなかった。

この道の駅にはキャンプ場が併設されていて、多くのバイク、車が止まっている。

牧場が広がっているような風景で、目の前が海。

高い木が見えない草原が広がった景色は、北の果てに来た感じが高まってくる。

ミィは早速「ポケふた」を探しに行った。

ポケモンに興味の無い僕は、今夜泊まるキャンプ場の予約を取っていた。

このキャンプ場に泊まっても良かったのだが、まだ陽が高いのでもう少し進むことにする。

まだまだ寄りたいところがあるのだ。

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日本本土最北端 宗谷岬

海岸線を北上していくとやがて家々が現れ、建物が増えてきた。

そして、大きな駐車場に多くの車、バス、バイクが止まっていて、多くの人がいる場所に着いた。

最北端の地、宗谷岬だ。

土産物屋が並び、観光バスが出入りし、車が行き来している。

海に面したモニュメントには記念写真を撮るための行列ができている。

行列の合間を縫って三角形のモニュメントの前で記念写真を撮った。

これが北の端か。ついに来た!という気持ちになる。

ブラブラしながら土産物屋を見て回ると、土産物屋の一角に宗谷流氷館というのがあったので入ってみる。

魚屋の大きな冷凍庫のようなところに入ると、氷の塊、流氷がゴロゴロしていた。

網走で見た流氷館に比べるとチープな感じがしたがこれはこれで味がある。

日本最北端の地は、THE観光地といった感じで、人が集まっている場所でした。

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白い道

宗谷岬の土産物屋の裏の道を登り宗谷丘陵の上に出る。

20分ほど進むと「白い道」が現れる。

帆立貝の殻を砕いて撒いた白い道は緑の草原の中へ続いていた。

緑と白のコントラストがキレイだ。

車やバイクが何台か来て、白い道を進んでいく。

誰もがダートという事と、風景を見ながら走るのでゆっくりと進んでいく。

僕らも車を進めたが、下調べなどしていないのでどの位の距離で、どこまで続いているのか、全く分からなかった。

実は、キャンプ場のチェックイン時間が迫っていた。

このまま進むか?戻って広い道を走るか?

風景を楽しみながら、頭の中ではそんなことを考えていた。

まもなく車をUターンできる場所があった。

「戻ろう」他の車もいてなかなか進めないこともあったし、時間が読めないのが問題だった。

それでも丘陵地帯の草原を白い道が通っている風景を楽しむことはできた。

満足はしていたのだ。

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北海道立宗谷ふれあい公園 キャンプ場

稚内市にある道立宗谷ふれあい公園キャンプ場は混んでいた。

オートサイトは満員。

区画サイトもほぼいっぱいでテントがぎっしりと立っていた。

とはいえ、広い道立公園のキャンプ場なので区画に余裕があり隣のテントとの間に多少の空間があるので狭っ苦しさは感じずにいた。

出入りの際に人んちの軒を通って行く感じはあるのだけど。

道立公園は本当に広い!

チェックインを済ますと車で移動する。

ゲートを入って進んだ一番奥に予約したサイトがあった。

オートサイトではないので車は横付けできないが、サイトのすぐ脇に駐車スペースがあるので荷物を運ぶのに苦労はなかった。

ただ、人ん地の軒を通って奥に入るのが気になったのだが。

それでも区画の外側に若干草木があってそれなりにプライベート感もある。

今夜は、サッポロクラッシック ゴールデンカムイ缶で疲れを癒やす。

うまい!

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17日目のDATA

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2023/07/08(土)

天候:晴れ 最低 16.2℃/最高 26.6℃

北海道紋別市〜北海道稚内市

走行距離:261.0km

総走行距離:3014.4km



 

2024/07/27

ぐるっと日本を旅してみた Vol.16

2023年7月7日(金) 16日目

ここまで雨模様が多かったけど、今日は天気が回復する予報だった。

とは言え、朝から霧雨。

テントもタープも乾かない。

湿ったテントとタープを車に積み込んで、今日は網走観光へ出かけます。

 

オホーツク流氷館

網走市沿岸は、冬になると流氷が流れ着き閉ざされるという。

そんな風景を見てみたいが、今は夏。

見る事はできない。

しかし、「オホーツク流氷館」では、少しでもその断片を感じる事ができるらしい。

入館すると展示や映像で流氷の下の海を見ることができる。

冷たい水の中にこれほどまで生物がいるのかと驚いてしまう。

クリオネのフワフワした様子を見ているだけで妙にホッコリしてる自分がいる。

そして流氷体感テラス。

入り口で防寒具とタオルを渡される。

扉を入るとそこはマイナス15度の世界。

流氷が室内いっぱいに置いてあり、そこにキタキツネ、アザラシの剥製?がいる。

例によって濡れたタオルをぐるぐる振り回すとすぐに硬くなって棒状になってしまう。

どこかで見たような体験が面白くてツルツルした氷を触ったり写真を撮ったりして楽しんだ。

室外へ出るとその温度にホッとする。

マイナス15度の世界はやはり寒いのだ。

屋上の展望テラスへ行ってみる。

網走湖や周囲の湖、知床の山々、オホーツク海。

グルッと開けていて周囲の風景がよく見える。

のんびりとその風景を楽しんだ。

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博物館 網走監獄

「網走刑務所」というと有名な観光地と思っていたが、正式には「博物館 網走監獄」という。

タクシーで網走刑務所というと本当の刑務所に連れて行かれてしまうのだ。

網走監獄は明治時代に使われていた建物を保存している野外博物館で当時の様子を伺うことができる。

いくつかの建物で構成されていて敷地が広く、全て見て回ろうとするとかなりの時間がかかるようだ。

モデルコースがある中で程よく回れそうなコースを選んで歩いてみる。

庁舎や作業場を見たり、風呂場では入り方のルールが厳格に決まっているのに驚いた。

一番の見どころは重要文化財の舎房だろう。

見張り所を中心にして5方向に舎房(監獄)が伸びている。

中心から全てを見渡せるようになっているのだ。

その監獄の中も見ることができるのだが、その廊下の天井に人がいる。

脱獄王 白鳥由栄、ゴールデンカムイで言うところの白石だ。

不意にその姿が天井にあるので「なんだ?」と思ってしまう。

お昼は施設内の食堂、監獄食堂で食べることにした。

せっかくなので監獄食を食べてみる。

当時の囚人の食事を再現したものということだが、内容は焼いたサンマに麦飯、おかずと味噌汁。

サンマは脂がのっていて美味しかったが、当時はもっと酷い食事だったんだろうなぁ。

ミィは、オホーツク鱒のザンギ丼を頼んだ。

鱒の唐揚げが乗った丼でこちらは囚人の食事ではなく今風の丼で美味しかった。

ごちそうさまでした。

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紋別ガリヤ地区港湾緑地

網走から国道239号線を能取湖、サロマ湖沿いを進み、オホーツク海沿いを北上する。

紋別までの100kmちょっとを時計を見ながら走っていた。

この日の宿泊地を紋別ガリヤ地区港湾緑地と決めていたのだが、キャンプの受付が15時まで。

ちょっとギリギリだったのだ。

ホテル泊まりであれば時間を気にする事はないのだが、キャンプ場は受付が閉まる時間が早いところがあるので到着時間を考えながら観光地を回り、車を走らせる必要があった。

15時だと1、2箇所見学したらあとは移動。ということになる。

紋別へは2時間位、15時ちょっと前に着く事ができ無事受付を済ませることができた。

受付があるがここは無料のキャンプ場だ。

サッカー場が2つ位入りそうな芝生の広場にテントを張ることができる。

広い駐車場は、キャンピングカーや車中泊の車で埋まっていた。

キャンパーよりもそっちの方が多いくらいだ。

軽キャンから大型バスまでキャンピングカーの展示会のような様子にびっくりした。

キャンプ場はというと駐車場沿いにテントが並び中心部には誰もいない。

荷物の出し入れが楽なように駐車場沿いにテントを立てているのだ。

僕らも駐車場に近いところにテントを建てることにした。

見つけた場所は先着のソロキャンパーの目の前でちょっと気まずいなぁ、と思い少しズレた場所にテントを立てた。

僕らとソロキャンパーの間にはタープなしでテントを建てることが出来るくらいの空間を作った。

その後は時間が早いので夕飯の買い物へ行きテントサイトへ戻って来ると子供連れの2家族がテントの立て方であーだ、こーだ悩んでいた。

僕らが開けたわずかな空間に大型のテントを2つ立てようとしているのだ。

結局ソロキャンパーが食事をしている目の前に大型の2ルームテントを2つ立てたのだ。

ソロキャンパーはテントの入口で外へ向かって食事をしていたのだが、くるっと背中を向けて中へ向かって食事を始めた。

こうなるのが嫌だからあの空間を開けたのに。

しかも驚いたのはしばらくすると彼らはいなくなりその後戻って来る事はなかった。

今日は金曜日。休日前の場所取りだったのだろうか?

テント泊のキャンパーは、それぞれ自分達の時間を過ごしているのだが、駐車場に停まっているキャンピングカーや車中泊者同士は話がしやすいらしい。

あちこちでキャンピングカー談義が行われている。

自慢のキャンピングカーの話や、

費用の話、

退職してキャンピングカーで北海道を回ってる話。

終いには「これだけかかるけど、買うなら今だよ、今。今買わないでどうするの!」と、ショッピングチャンネルの商品紹介のような話まで聞こえてくる。

北海道へ来てから車中泊の車の多さに驚いている。

それを一番実感できたキャンプ地でした。

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16日目のDATA

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2023/07/07(金)

天候:晴れ 最低 15.3℃/最高 27.2℃

北海道網走市〜北海道紋別市

走行距離:130.9km

総走行距離:2753.3km

 

2024/07/25

ぐるっと日本を旅してみた Vol.15

2023年7月6日(木) 15日目

釧路、根室までは来たことがあった。

しかしこの先は全く来たことが無い未知の土地。

そして行ってみたかった土地。

ワクワクした気分で車を進めて行こう。

 

羅臼熊の湯

ゴォー

明け方からものすごい音がキャンプ場に響いていた。

休止中の温泉の方から聞こえている。

ゴォー

まるでジェットエンジンでもあるかのような音だ。

その音はいつまで経っても鳴り止まなかった。

夜通し降り続いた雨は、朝になっても止まなかった。

おかげで撤収が大変だった。

びしょびしょのタープとテントを炊事場に持ち込んでどうにか畳んでから車に詰め込んだがどこかで広げて乾かしたかったが、太陽はしばらく拝めそうになかった。

ゴォーという音は相変わらず続いている。

キャンプ場の管理人に聞いてみると、温泉の圧力を抜く音だという。

車でキャンプ場から出ると川沿いのところで蒸気が噴き上げていた。

湯煙なんて感じではない。吹き出しているのだ。

あれか。と道路脇に車を置いて近づこうとしたら、役場の車がやってきて入るなという。

そのため道路沿いから音のする方を見てみる。

横に伸びた配管からものすごい勢いで蒸気が噴き出ていた。

朝から響いていたのはこの音だったのだ。

こうやって時々蒸気を抜かないと温泉の施設が壊れてしまうらしい。

しばらく見ていると音が小さくなってきた。

やがて蒸気の吹き出しは弱くなってきて止まった。

役場の車から降りた人がニコニコしながらこちらへやってきた。

「すみませんね。近づくと死んでしまうことがあるので。

蒸気と一緒に硫化水素が出ていて河原に溜まっているんですよ。」

そういうことだったのか。危なかった。

特に観光案内とかはなかったが、これほど豪快なものを目の前で見ることができて良かったな。と思った。

そして、生きてて良かった・・・とも。

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日本最北東突端地 羅臼町相泊

Google Map で羅臼に何があるのかと拡大して見ていると「日本最北東突端地」という文字を見つけた。

日本の東西南北の端に行こうと思っていたが最北東端というのも気になったので行ってみることにした。

羅臼温泉野営場から一旦羅臼の町へ戻りそこから知床半島を北上していく。

天気は相変わらず悪く、雨が降っている。 海も荒れているようだ。

その海の向こうに国後島が見える。

すぐ着くだろうと思っていたが思いの外時間がかかり 30分程でその場に着いた。

相泊橋という橋がありその手前には赤い大きな文字で「キケン 通行止」と書いてある。

そこが突端だった。

その先には道は無い。この先、知床岬に行くには船で行くか、徒歩で行くしかない。

最北東端という中途半端な位置付けだからか特に観光地化もしていなければ、観光客もいない。

僕らのような物好きが訪れる地なのかもしれない。

羅臼へ戻る途中1台の車とすれ違った。

長岡ナンバーだった。

「あの車も最北東端へ行くのかな? 長岡ナンバーだったよね。 新潟から来たんだね。」

物好きが訪れる場所に新潟県から2台も車が来ているなんて、とミィと盛り上がって笑った。

天気はまだまだ晴れそうになかった。

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知床世界遺産ルサフィールドハウス

知床半島を最北東端へ向かって走っているとオシャレな喫茶店のような建物を見つけた。

ガラス張りの建物であまり人の気配がしなかったのだが、羅臼町へ戻る途中に寄ってみることにする。

「知床世界遺産ルサ フィールドハウス」というその建物は、喫茶店ではなくビジターセンターのようなところだった。

中には、知床半島の自然や、知床岬へ実際に行った記録、映像を見ることができる。

また、2階は前面ガラス張りになっていて目の前に国後島を見る事ができる。

圧巻だったのは、知床岬へのルートの踏破を紹介している所。

最北東突端地、相泊から徒歩で進んだ記録が紹介されている。

その行程はすさまじい。

道なき道を進み、

がけを登り、

がけを降り、

時には海水に浸かりながら

進んで行く。

自分が進んだ痕跡は一切残す事を許されない世界。

ポケットトイレを販売していて、それを携行し持ち帰れという徹底ぶり。

世界遺産を維持すると言う事は、こういうことか。

ものすごく感心してしまったと共に、人が安易に踏み込んではいけない領域だなと感じる事ができる。

知床半島は単なる観光地では無いと言う事を実感できる施設でした。

駐車場に戻ろうとした時、入口に貼り紙があるのに気付いた。

「国設羅臼温泉野営場ご利用の皆さまへ」

約1ヶ月前に夕べ泊まったキャンプ場でヒグマが目撃されたとの注意喚起だった。

動物達の領域へ足を踏み入れていることをヒシヒシと感じた。

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知床羅臼ビジターセンター

羅臼へ戻って知床羅臼ビジターセンターへ寄ってみた。

大きな建物で観光コースにもなっているようだ。

ひっきりなしに観光客が出入りしている。

主に知床半島の自然、動植物の紹介がメインでここで知床を知って、観光することができる。

ビジターセンターから遊歩道も伸びていて近くに間欠泉もあるようだった。

行ってみようかと思ったのだが、昨夜からの雨がまだ降り続いていてその中を歩いて行く気にはならなかった。

ここから先は知床半島を横断して行く。

天気が悪いのが気がかりだった。

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知床峠

羅臼から知床半島の反対側、斜里町へ抜ける為に海岸線をぐるっと回って行くことはできない。

唯一知床横断道路を通って行くしかない。

知床半島は地図で見るとそれほど大きくは見えないが、中央にある羅臼岳は標高 1661m。

横断道路はその裾野を走り、最高地点の知床峠で標高 740mと結構山の中を走って行くのだ。

朝から降り続いた雨はまだ止みそうになかった。

知床峠はその雨を降らせている雲の中で周囲は何も見えなかった。

車を降りてみたが、雨と強い風が吹いていて写真だけ撮ると早々に立ち去ることにした。

晴れていれば羅臼岳や周囲の山々が綺麗に見えるんだろうな。

残念だけど、仕方がない。

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道の駅 ウトロ・シリエトク

知床峠を下って斜里町に入ると雨は止み太陽が顔を出した。

峠一つ越えるだけでこんなにも天候が変わるものなんだ。

昼ごはんを食べようと道の駅に寄ることにする。

道の駅 ウトロ・シリエトクは大勢の観光客で賑わっていた。

レストランの券売機で食券を買いテーブルにつく。

選んだのは、エゾシカ肉のソースカツ丼、エゾシカ肉カレー。

見かけるたびに”可愛い!”と、写真を撮っていたのに、ここで口にするとは。

特に臭みがあることもなく美味しいカツとカレーでした。

北海道らしい食べ物ですね。

ごちそうさまでした。

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オシンコシンの滝

オシンコシンの滝は、海沿いを走る国道のすぐ脇にあった。

遊歩道を歩くとすぐに川の流れのような滝が見える。

なんか思ったほどではなかったなぁ、と思いながらさらに進むとその奥に滝の本体が現れる。

高さ 約80m、幅 約30mの滝は近くまで行けるので結構迫力がある。

遊歩道を駐車場まで戻り、土産物屋をのぞいてみた。

北海道らしい土産物がたくさん置いてある。

絵葉書を買って家に送ろうかな。

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天に続く道

小高い場所にT字路があり大勢人が集まっている。

そのT字路の縦棒が下り坂となってどこまでも続いていた。

「天に続く道」と名付けられたその道は林の間を下っていくとどこまでもまっすぐ続き、その先で空に向かって伸びるように見えた。

ここが「スタート地点」

「天に続く道 スタート地点」と書かれた看板と一緒にその風景を写真に収めようと入れ替わり、立ち替わり観光客がポーズをとって写真を撮っている。

時折、車やバスが現れて「天に続く道」に入っていくと「あぁぁぁ。」と残念な声が上がり、その車輌が見えなくなるのを待つことになる。

車輌が見えなくなると再び撮影大会が始まる。

やがて満足した人はそこから立ち去り、次の人がやってくる。

そんな繰り返しがここでは続いていた。

何気ない風景だが、本州では見ることができない風景でもあるのだ。

「邪魔かな?」と、思いながらその「スタート地点」から「天に続く道」を車で進み始める。

すぐに展望台がありそこからも見ることができるが、道路脇で角度がつくのでスタート地点とはちょっと風景が違った。

さらにどこまでもまっすぐに進んでいく。

途中合流してくる道もあるが、どこまでもまっすぐ進む。

30分ほど進んで坂を上がった畑の真ん中でその道は終点となりカーブを描いて先に行っていた。

ここが終点。

スタート地点と違い特に観光地化もしていない。

そして、振り返ってみる。

天から見るとこんな感じなのか。

ただの道が真っ直ぐ伸びているだけ。

「スタート地点」とは違った風景がそこにはあった。

「まぁ、こんな物か。」

妙に納得した感じだった。

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天に続く道のゴール

 

 

てんとランドオートキャンプ場

網走市のてんとランドオートキャンプ場でキャンプをした。

食材を市内で調達しキャンプ場へ向かった、

市街地から小山を登ったところがキャンプ場だった。

受付をし、中へ入ると楕円状の芝生のサイトがあり、その周回道路に車が止まっていた。

車の多くはキャンピングカーでテントサイトにはほとんどテントが立っていない。

程よいところを見つけテントを立てて、管理棟のシャワーで汗を流すと、夕飯を食べる。

ここまでのルーティーンをこなして夜を過ごす。

別に混んでいるわけでも無いのだが、キャンピングカー用のサイトがあるのにテントサイトにキャンピングカーとか車中泊の車がいるのはなんか納得がいかないなぁ。と感じてしまう。

ガラ空きだから別に気にするところでも無いのだけど。

なんかなぁ。

そんな事を思いながら過ごす網走の夜でした。

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15日目のDATA

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2023/07/06(木)

天候:雨のち晴れ 最低 14.5℃/最高 26.7℃

北海道目梨郡羅臼町〜北海道網走市

走行距離:174.0km

総走行距離:2622.4km

 

2024/07/23

ぐるっと日本を旅してみた Vol.14

2023年7月5日(水) 14日目

日本の最東端、納沙布岬には一度行ったことがあった。

海岸線とモニュメント。

そして海の向こうに浮かぶ島。

その時は、最東端の地という印象は無く、北方領土返還運動の最先端という印象だった。

 

日本本土最東端 納沙布岬

海の向こうに歯舞諸島が見える。

船に乗ればすぐに着きそうな距離に見える。

目の前を飛び交っている鳥はあの島々を行き来しているんだろうな。

ようやく日本の東の端、納沙布岬に着いた。

展望タワーが立っているが、今は閉鎖されて営業していないらしい。

冷たい北風に朽ち果てているように見える。

大きなモニュメントも建っているが、これは最東端を意味するものでは無く北方四島返還を願うもの。

北方館という資料館に入ると北方四島へ自由に行き来できていた頃の資料や交流の記録が展示してある。

2階の展示室はガラス窓から北方四島を見ることができるのだが、今日は曇っていて歯舞諸島の一部しか見えなかった。

日本の東の端っこは北方領土への思いが強く出ている場所、という印象だと思った。

しかし、この場所は希望の岬公園という場所。

実際の納沙布岬の先端はここから少し進んだ場所にある納沙布岬灯台のある場所が最東端だった。

こちらは、灯台もあり最東端感がありようやく目的地に着いた気がした。

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やきとり弁当 タイエー

根室半島の北側を通って納沙布岬へ行ったので帰りは半島を一周するように南側を通って根室市へ戻った。

お昼は弁当を買うことにした。

元道民のミィがやきとり弁当を食べようと言い出した。

「函館のハセガワストアのやきとり弁当が有名だけど、そこで修行した人が店を出したのが根室のコンビニ、タイエー。

だからやきとり弁当があるんだよ。」

ローカルコンビニ タイエーの店内に入るとコンビニらしく商品が並んでいるが一角に厨房があり弁当を作っている。

早速やきとり弁当を頼むと「しばらくお待ちください。」と言われ焼鳥を焼き始めた。

あぁそこから。

時間潰しに店内を散策し、焼鳥焼いているところを写真に撮って良いか?と聞いたら、どうぞ、どうぞと写りの良いように並べ直してくれた。

焼きたての焼鳥を弁当の上に乗せて、パックを閉じると手渡してくれた。

出来立て、ホカホカの弁当を持って近くの公園へ行って食べることにした。

明治公園はタイエーから数分のところにある。

公園のベンチを探しているとバーベキュー場があった。

北海道はちょっとした場所にバーベキュー場がある。

休みになるとバーベキューを楽しむらしい。

明治公園のバーベキュー場はゴミ捨て場も完備してあって分別さえすれば缶、ビン、それにガスボンベまで捨てることができて有り難かった。

そのバーベキュー場がちょうど良いテーブルと椅子になっていたのでそこに弁当を広げた。

ご飯の上に海苔が強いてあり、焼鳥の串がご飯の量で変わるが 3、4本乗っている。

そこ串が弁当の端から外に飛び出ているのだが、蓋を閉めて上から押さえたままその串を引き抜くとご飯の上に焼鳥が残って食べやすくなるのがこの弁当の食べ方らしい。

焼鳥というが実は豚肉でちょっと不思議なネーミングでもある。

早速食べると焼鳥とそのタレがしみたご飯が美味しい。

しかも焼きたて炊き立てで温かい。

「美味しいね。」と食べ始めたのだが周りが不穏な感じになってきた。

カラスに囲まれているのだ。

最初は離れていたのだが少しずつこちらに近寄ってくる。

それも1羽2羽ではない。 結構な数だ。

用心しながら食べていたのだが、ちょっと落ち着いて食べていられなくなった。

「車で食べるか」と、その場を撤退した。

やきとり弁当は美味しかったのだが、変な思い出となった。

ごちそうさまでした。

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日本最東端駅 東根室駅

車で行ける最東端が納沙布岬ならば鉄道の最東端は東根室駅だ。

根室本線の終点は根室駅、その一つ手前の駅です。

鉄道でここまで来ればその達成感もひとしおだろう。

車で来てみると住宅街の一角に駅はあった。

無人駅でホームが一つ。

写真を撮ったりぐるっと見て回ったが、列車が来る気配がない。

1日上り下り合わせて11本。

この後3時間位列車は来ないらしい。

最果ての駅は、静かな駅だった。

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根室車石

花咲蟹で有名な花咲港の近くの岩場の海岸に丸い奇妙な石があった。

放射状節理構造の玄武岩「車石」だ。

中心から外側に向かって放射状に割れ目が伸びている。

その様子が車輪のようだということでこの名前が付いている。

直径6mの巨大な石。

その周りには巨大な霜柱のような石で埋め尽くされている。

柱状節理というらしい。

地球の大地が産み出した不思議な光景でした。

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砂嘴のその先へ 野付半島

標津町からオホーツク海に向けて細長い半島が伸びている。

野付半島だ。

全長28kmの砂嘴ということだが、この半島の先端がどんな風になっているのか物凄く気になっていたので行ってみた。

国道244号線を離れ道道950号線を走る。

左側はオホーツク海。

右側が半島に囲まれた内海。

立ち枯れたトドマツ、トドワラが時々目に入る。

途中、ネイチャーセンターがあり立ち寄ってみた。

野付半島の資料や自然の紹介を見ることができる。

そして目の前のオホーツク海には手が届きそうな距離に国後島が見える。

双眼鏡を覗けば向こうの人が見えるんじゃないだろうか?

ネイチャーセンターから遊歩道がトドワラの群生へと続いていた。

歩いて20分ほどだそうだ。

遊歩道に沿ってトラクターバスというものが出ていた。

大きなトラクターが客を乗せた荷車を引いて進むというもの。

僕らはそれに乗り込んだ。

5人程の客を乗せるとトラクターバスは動き出した。

ゴトゴトと大きく揺れながら湿原のようなところを進んでいく。

「鹿がいますよ」と運転手が教えてくれる。

遊歩道から少し離れたところにエゾシカの群れがいた。

客が一斉に写真を撮り始める。

10分位で終点に着いた。

そこからは木道を歩いてトドワラのある場所まで行く。

帰りのバスの出発時間を告げると、待っていた客を乗せてトラクターバスは戻って行った。

僕らは歩いてトドワラを見に行くのだが、ネイチャーセンターでも説明があったのだがトドワラの腐朽が進んでいるのだ。

実際、まばらに残っている感じがする。今しか見ることができない風景かもしれない。

時間通りにやってきたトラクターバスに乗り込んでネイチャーセンターへ戻り、その先 道道950号線の終点へ向かう。

海の中の一本道を進むと駐車場がありそこが終点だった。

さらに続く道の先に灯台が見えるが、ここから先は許可がないと入れないらしい。

先端を見ることはできなかったがここまで来れたことに満足していた。

先ほどみたエゾシカの群れらしきものが近くにいて、駐車場の近くの道路にも1頭エゾシカがやってきた。こんな直近でエゾシカを見ることができるなんてビックリ。

戻る道路の真ん中には、キタキツネがのんびり散歩してるし、オジロワシがテトラポットの上で羽を広げているし、大自然の真ん中にいるんだなってことを感じさせる野付半島でした。

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羅臼温泉野営場

羅臼は雨の中だった。

羅臼温泉野営場は、登山のベースキャンプのようなところでソロテント用の区画が並ぶキャンプ場だった。

温泉と名前についているが今日は熊の湯という温泉は入れないということだった。

テントサイトの周りには電線が張り巡らされていて野生動物よけとなっていた。

特にヒグマの出現が怖かったので、食料やゴミには気をつける必要があった。

この日は空いていたこともあり区画を少々はみ出ながらどうにかテントとタープを立てて一息ついていると急に声をかけられた。

「薪をあげるから焚き火をしたら。」

各サイトには簡易な焚き火台があった。

関西人らしいおっちゃんは、薪を一箱持ってきてテントに声をかけては配って歩いている。

僕らの所にも持ってきたのだ。

「今日は寒いからなぁ。焚き火がいいよ。」関西訛りでそう言うと箱を置いて行った。

そういえばこの旅では手間がかかって後始末が大変な焚き火はやっていなかった。

ちょっとやってみるかと思ったけど、もらった薪以外の道具は何も持っていなかったので諦めることにする。

おっちゃんは上の駐車場で大きな声をあげて仲間たちと酒を飲んでいるようだった。

「薪をありがとうございます。でも焚き火はやらないので、お返しします。」

「あっ、そこ置いておいて」と、おっちゃんと盛り上がっていた人に言われて薪を置いてテントへ戻った。

聞こえて来る話では、関西から来たおっちゃんが羅臼に住みつきお友達がたくさんできたという流れらしいが、いまいちどういう関係の人達なのかよく分からなかった。

やがて一人、二人と帰っていきおっちゃんは車の中で眠りについたようだった。

そして夜中に宴会会場をそのままにしておっちゃんは出て行った。

夜明け頃に戻ってきたようだったが、何をやってる人なのかさっぱり分からなかった。

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14日目のDATA

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2023/07/05(水)

天候:曇りのち晴れ 最低 10.6℃/最高 17.9℃

北海道根室市〜北海道目梨郡羅臼町

走行距離:246.7km

総走行距離:2448.3km

2024/07/18

ぐるっと日本を旅してみた Vol.13

2023年7月4日(火) 13日目

旅系Youtuberの紹介動画を見たり、

Googleマップで気になる場所を見つけたり、

そんなポイントを巡る旅だった。

今日もまた、気になる場所を目指して旅を続ける。

 

釧路湿原 コッタロ展望台

鳥の声と虫の羽音位しか聞こえない階段を登っていく。

その先は木々の間を登っていく遊歩道だ。

その登り切ったところにコッタロ展望台があった。

展望台から見渡す釧路湿原の風景は心を落ち着かせてくれた。

ただぼうっと眺めるだけ。

それがものすごく贅沢に感じられた。

ついこの間まで忙しく働いていたのが嘘のようだった。

聞こえるのは鳥の声と、風で揺れる木々の音。

ただただぼうっと眺める。

いつまでも、いつまでも。

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釧路湿原 道道1060号線

コッタロ湿原展望台から道道1060号線を進んだ。

道はすぐにダートになる。

正面からバスがもうもうと土煙を舞い上げて走ってくる。

窓を閉めてすれ違うとあっという間に土埃にまみれてしまう。

周囲は背の低い木や草で湿地帯だとわかる。

くねくねと曲がりくねった川が時折姿を現し、並走したり、それを渡ったりして進む。

途中、車を止めてゆったりと流れる川を見に行く。

カーブを描いた川の様子をカメラに収めているといかにもダートを走りそうな4輪駆動車がやってくる。

こういうところはこんな車が似合ってるな。

やがて舗装路にでた。

その頃には黒い車体がすっかり白くなっていた。

・・・洗車したいな。

釧路市へ入ってスーパーで寄り道した後ガソリンスタンドへ寄る。

ガソリンを詰めて洗車をした。

これでスッキリした。

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氏家かきめし ピリカウタ展望台

よく見ている Youtuber が勧めていた駅弁がある。

厚岸駅前氏家待合所の駅弁「氏家かきめし」だ。

ちょうど昼時。

道の駅で生牡蠣を食べるという手もあったのだが、

この「氏家かきめし」を食べてみたかった。

小さな厚岸駅の駅前に小さな待合所という名前の販売所があった。

駅弁を2つ買うと駅前では食べる場所が無かったので移動することにする。

厚岸大橋を渡り海の見えるピリカウタ展望台へ行った。

駐車場から坂道を登ると広場に屋根付きのベンチがあった。

そのテーブルに駅弁を置くとこちらに向けられた視線に気付いた。

エゾシカだ!

広場の後ろの斜面からこちらをじっとこちらを見ている。

やがて姿を消したが今度は広場の先の展望台の下で親子が草を食べている。

さっきのは父親が警戒していたのだろうか。

太平洋とエゾシカを見ながらプリプリしたかきめしを食べる。

なんだか至福の時間だった。

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霧多布岬

霧多布という名前はなんとなく聞いたことがあった。

道程の途中にあるなら寄ってみよう。と思い行ってみた。

岬の入口はキャンプ場になっていてテントが立っていた。

ここでキャンプをしても良かったのだが、周りに何も無く風が強そうだ。

岬の灯台の脇の細い道を歩いて行き、階段を降りるとそこが末端だった。

その先は海。そこから見える海岸線は崖が続いていた。

アザラシやラッコが見えるということだったが、それらしいものを見ることはできなかった。

霧多布は、霧の多い岬なのだと思ったが、アイヌ語で葦を刈る場所「キイタプ」が語源らしい。

この岬には葦が生えそうにないのでなんか意外な気がした。

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Monkey Punch Collection

浜中町へ入って面白かったのは、いたる所に「ルパン一味」がいるのだ。

ルパン、次元、五右衛門、峰不二子、そして銭形警部。

街灯には彼らの看板が掲げてある。

この町は、MonkeyPunch の故郷なのだそうだ。

浜中町総合文化センターの2階に Monkey Punch Collection がある。

文字通り、Monkey Punch の初期からの作品が展示してあり、ルパン3世以外の作品も見ることができる。

そしてルパン3世の世界観を表現したコーナーがありそこにいるだけで楽しくなってくる。

これを無料で楽しめるなんて! ほんとありがたい。

ルパン3世の世界を堪能して外に出ると役場の車には Monkey Punch が描かれていた。

話を聞くと役場の別の車もありますよとのこと。

早速、浜中町役場へと行ってみると、役場庁舎の案内看板もルパン一味と銭形のとっつぁん。

社用車、ワゴン車、トラック全てに Monkey Punch の姿が描かれている。

この他にも JRの駅舎にもルパン一味が描かれていたり、次元や峰不二子の仮装店舗があったりするらしくなんだかすごく楽しい町でした。

時間をかけてもっとゆっくり回って見れば良かった。

今となっては全て回れなかったのがちょっぴり残念です。

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回転寿司 根室花丸

本土最東端の町、根室市に入った。

根室市にはキャンプ場が無かったので宿を取ることにした。

お宿エクハシという民宿に荷物を置くと夕飯を食べに外に出た。

宿へ続く道路にキタキツネがいたり、駐車場にエゾシカがいたり、なんとも自然豊かなところだ。

宿が街の外れにあるため繁華街とは離れているようだった。

夕食は、宿で教えてもらった回転寿司へ行ってみることにした。

回転寿司根室花丸は、人気のある店なのか少し待つことになったが程なく席に案内される。

寿司は地の物を選んで注文していたけど何を食べても美味しくて、脂ののりだとか、甘みだとか、食感だとかがすごく良い。

わかめの唐揚もパリパリしていて美味しかった。

三平汁もすごく透き通ったスープで美味しい。

大満足の夕飯でした。

ごちそうさまでした。

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13日目のDATA

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2023/07/04(火)

天候:曇りのち晴れ 最低 15.8℃/最高 21.9℃

北海道阿寒郡鶴居村〜北海道根室市

走行距離:224.0km

総走行距離:2205.0km

 

2024/07/11

ぐるっと日本を旅してみた Vol.12

2023年7月3日(月) 12日目

梅雨の時期というのもあるが、旅に出てからあまりからっと晴れたことが無い。

どこかどんよりと曇っていることが多かった。

九州では避難勧告が出るほどの雨が降っているらしい。

旅に影響の出るような雨に当たらないのはむしろありがたいのかもしれない。

ラジオのニュースを聞きながら天気を気にする毎日。

今日は、久しぶりに陽がさしてきそうだな。

天気が良いとやはり気分も良い。

 

ばんえい競馬 帯広競馬場

帯広競馬場は町中にありました。

JRAのレースの他にばんえい競馬もあり、ミィがばんえい競馬に出馬するばん馬を見たいというので来てみました。

残念ながらレースは午後から。

レースを見ようとすると1日帯広で滞在することになるのでレースは見ないことにします。

場内には入らず、併設の馬の博物館とショッピングモールとかちむら を見て回りましたが意外と見る場所がある。

外に出て馬場を見ると遠くの方でばん馬が練習をしていました。

「こっち来ないかなぁ。」と、淡い期待を抱いてもそれは叶わず、豆粒のようなばん馬を眺めてます。

旅を始めて12日、ようやく夏の日差しらしいものが出てきました。

今日は、暑くなりそうです。

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ぶた丼の とん田

帯広に来たから豚丼を食べよう。

お昼に何を食べるか会議は即決だった。

以前、狂牛病で牛肉の輸入が止まった時に牛丼屋が豚丼を始めたことがあった。

苦肉の策か?と思ったが、十勝地方の名物らしい。

「ぶた丼のとん田」は混んでいた。

3、40分並んで席に着くことができた。

メニューはぶた丼のみ、ロース、バラ、ヒレを選ぶことができる。

ミィは脂身が少ないからとヒレを、僕はロース・バラの盛り合わせ。

味付けされた豚肉が丼のご飯を隠すように敷き詰めてある。

その豚肉をご飯と一緒にかき込むとタレと絡んだご飯がいくらでも食べることができそうで箸が止まらない。

豚肉が柔らかくって、

脂身が甘くって、

タレが甘じょっぱくて、

うまい!

あっという間に食べ終えてしまった。

ごちそうさまでした。

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恋問海岸 道の駅しらぬか恋問

帯広から釧路を目指し国道38号線を進み海岸沿いに出る。

釧路市の手前に道の駅しらぬい恋問があった。

目の前が恋問海岸。

太平洋の大海原が見渡せる。

「恋問」という名前の通りやたらハートマークが目立つ道の駅だった。

ただ、「恋問」はアイヌ語でコイ(波)ドゥエ(崩れる)。

打ち寄せる波が砂丘を崩し流れ込んだ土地という意味らしい。

どこまでも続く海岸線がそのことを物語っている気がした。

海岸線のその先に工業地帯が見えてきた。

いよいよ釧路だ。

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鶴の里キャンプフィールド

スーパーで食材を買うと鶴居村へ向かった。

釧路湿原へ入って行く。

鶴の里キャンプフィールドは、森の中を切り開いた元は牧場と思われる所だった。

チェックインすると「車を乗り入れて良いです」と言われた。

キャンプ場にはすでにいくつかテントが立っている。

広いテントサイトに車を入れると、あまりにも広い為どこにテントを立てて良いか悩んでしまう。

結局、テントサイトの真ん中に立ってる木の横に立てることにした。

鶴の里というのは丹頂鶴から来ているのだろうがここに鶴が来ることはあるのだろうか?

テントにはアブが飛んできてちょっとパニックになった。

鶴なら良いけど、アブに来られてもなぁ。

とりあえず、刺されなくて良かった。

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鶴居村温泉 HOTEL TAITO

キャンプ場で教えてもらった温泉へ行くことにした。

鶴居村温泉 HOTEL TAITO 。

車で 10分ほどのところにあった。

おしゃれなホテルで内湯も露天風呂も気持ち良かった。

このままここに泊まって行きたいけど、キャンプ場へ戻って夕飯を作ることにする。

ほんの一時のプチ贅沢な気がした。

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12日目のDATA

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2023/07/03(月)

天候:曇りのち晴れ 最低 15.0℃/最高 25.7℃

北海道河東郡音更町〜北海道阿寒郡鶴居村

走行距離:170.7km

総走行距離:1980.3km

2024/07/10

ぐるっと日本を旅してみた Vol.11

 2023年7月2日(日) 11日目

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旅を始めてから良く歩きます。

ふと iPhone の歩数計を見たら1日平均 12,000歩!

旅を始める前と比べると 3倍も歩いてる。

ほんと、毎日良く歩きます。

 

襟裳岬

「襟裳の春は何もない春です」

初夏の襟裳岬も特に何もない。

その先は、海があるだけだ。

展望台から周囲の海を見渡すとそれを実感する。

「風の館」という半地下のような所に入ってみた。

ビジターセンターとでもいう所だ。

襟裳岬の紹介をチラチラ見ながら建物の端まで行くと大きなガラス窓があり双眼鏡がいくつか置いてある。

アザラシが見える。ということで早速ミィと二人でアザラシ探しを始めた。

最初はなかなか見つからなかったが、岬から続く岩礁の一番先端に数頭が群がっているのが見えた。

「おぉ!見えた!見えた!」と喜んで双眼鏡のレンズにスマホのカメラを近づけて写真を撮ってみた。、ぼやけた景色にどうにかアザラシらしい影をどうにか撮ることができた。

北海道で初めてみる野生動物は、遥か彼方でぼやけた姿を見せていた。

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夏の X'mas 広尾サンタランド

「広尾サンタランド」の文字を見た時、夏にサンタランド! 行ってみよう。と思った。

広尾の町の外れ、山の裾野にあった。

「ランド」というから遊園地のような設備や食事ができたりするんだろうな?とお昼をそこで食べるつもりで行ったのだが。

ノルウェーのオスロ市から認められた日本で唯一のサンタランド。

1年中クリスマス。

・・・平日の夏のサンタランドは、装飾はあるけどクリスマスらしい華やかさもなく。

公園の一角に土産物屋があるといった雰囲気だった。

時期になれば賑わうんだろうな。

今はクリスマスに向け、正気を養っているのだろうな。

ここは冬に来るべき所でした。

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つぶ貝 お食事処 海幸

旧国鉄の広尾駅があったらしいロータリーの一角にお食事処 海幸があった。

そこでお昼を食べようと行ってみると、つぶ貝が名物らしい。

つぶカレーとつぶラーメンのセットを頼んでみる。

カレーとラーメンなのでそれなりにボリュームがあるが、コリッとしたつぶ貝が入ったカレーは美味しかった。

ラーメンも塩味の透き通ったスープでつぶ貝がたくさん入っていて美味しい。

食感と味を楽しんだお昼でした。

ごちそうさまでした。

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道立公園十勝エコロジーパーク

広尾から海沿いを釧路方面へ進むつもりだったのだが、

「ばんえい競馬を見たい。ばん馬が可愛い」とミィが言うので帯広方面へ向かうことにした。

 

この頃から距離感がおかしくなってきたのかもしれない。

高速を使わずに下道を走っていても「100kmなら近いね」という感覚になっている。

これが北海道の感覚なのか。

北海道立十勝エコロジーパークキャンプ場を予約して走り始めたが、広尾から 100km弱 2時間位の行程である。

チェックイン時間には間に合いそうだな。そんな計算をしながら車を進めていく。

北海道らしいどこまでも広がる畑の真ん中を進んでいく。

遠くに日高山脈の山々が見えている。

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夕飯の買い物をしてキャンプ場に到着したのは17時頃だった。

チェックインをして園内の案内を聞く。

「この棟を出て左手に園内の道路を進んで 1km先にテントサイトがあります。」

園内で1km!

さすが北海道立公園。 大きさが半端ない。

サイトの区画も広かった。本州のキャンプ場ならテントが4つ位立ちそうな広さがある。

キャンプ場にはポツポツとテントが立っている。

すごく贅沢な土地の使い方をしてる気になった。

遊歩道を散策してみたが、散歩程度で回れる距離じゃない。

北海道の広さを感じさせる公園でした。

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モール温泉 十勝川温泉富士ホテル

キャンプ場にテントを立てると温泉へ向かった。

道立十勝エコロジーパークの近くには十勝川温泉があった。

道の駅にも温泉があったがガーデンスパという名前で水着着用のプールのような所だったのでそこはやめた。

その向かい側にある十勝川温泉富士ホテルで日帰り入浴してみた。

十勝川温泉は世界で2ヶ所。ドイツのバーデンバーデンとここだけのモール温泉が沸いています。

植物性の有機物質を多く含むその温泉は、茶褐色のお湯でとろっとした感じ。

ここだけのお湯といった気分で気持ちの良いお湯でした。

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11日目のDATA

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2023/07/02(日)

天候:曇りのち晴れ 最低 13.0℃/最高 24.0℃

北海道日高郡新ひだか町〜北海道河東郡音更町

走行距離:232.6km

総走行距離:1809.5km



2024/07/08

ぐるっと日本を旅してみた Vol.10

2023年7月1日(土) 10日目

2024年7月2日

とんでもないニュースが飛び込んできた。

『「シルバーブリーズ」が苫小牧西港で座礁。』

1年前に八戸から北海道へ渡った時に乗った船だった。

乗員乗客に怪我が無かったのが幸いだけど、これが去年起きていたら。

僕らの旅がどう変わっていたか分からない。

状況によってはここで中止になっていたかもしれないわけだし。

フェリーをはじめ、公共交通機関にはあちこちでお世話になった。

くれぐれも事故の無い運用をお願いしたい。

自分達の旅は、2人だけでできた旅では無かった。

フェリー会社、キャンプ場、ホテル、観光で寄った施設、道路管理者等々、名も知らぬ人達のおかげで成し遂げたのだと思った。

去年の旅を無事故で戻れたことに感謝したい。

 

北海道到着 ウトナイ湖

午前1時半、フェリーは定刻通り苫小牧に入港した。

荷物をまとめて下船の準備をし、車に乗り込む。

しばらく車内で待っていると、ガガガガガと、音がして大きな扉が開いていく。

係員が1台1台確かめるように手際良く車を誘導すると、まだ暗い北の大地へと車が散って行った。

いよいよ北海道の旅が始まる事にワクワクしている自分がいる。

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とはいえ、こんな時間にキャンプはできないし、ホテルも取っていない。

北海道の初日は車中泊をすることにした。

20分ほどの所に道の駅があるらしいのでそこへ向かった。

驚いたことに道の駅ウトナイ湖には多くの車が止まっていた。

軽自動車、普通車から大型車。

軽キャンピングカーから大型のマイクロバスやトラック型のキャンピングカーまで。

車中泊の車で埋まっていた。

なんとか駐車スペースを見つけて寝ることにする。

普通車に荷物を積んだ状態なので椅子を倒す事ができないが少しでも寝ておく。

何度か目が覚めては寝るというのを繰り返していたが、フェリーでも寝ていたおかげで割とスッキリと目を覚ます事ができた。

外が明るくなり、人声や出発する車のエンジン音で賑やかになってくる。

ウトナイ湖まで散歩に出る。

ラムサール条約の登録湿地となっているウトナイ湖。

自然保護のため消毒薬で靴底を消毒してから遊歩道へ入っていく。

明け方の湖は、水面も穏やかで静まり返っていた。

鳥や魚の気配すら感じなかった。

何か神聖な場所だと感じた。

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セイコーマートにて

北海道でまず最初にやる事は洗濯だった。

朝7時前にコインランドリーへ行きここまでに溜まった洗濯物を洗濯機に入れる。

終了は1時間後。

その間に朝食を食べることにする。

と言ってもこの時間に開いている食堂もなくコンビニへと向かった。

北海道のローカルコンビニ「セイコーマート」、セコマだ。

近くのセコマへ行って朝食におにぎりやサラダを買ってきて車の中で食べる。

部活動へでも行くのだろうか、ジャージ姿の子供がチラッとこちらを見た。

住宅街のコンビニの駐車場でおにぎりを食べている県外からやってきた人。

彼の目にはどんな風に写っているんだろうか?

それとも良くある観光客の光景なのだろうか?

美味しいおにぎりを食べ終わると、今日はどこをどう通って行こうか?と思いを巡らせる。

この先は未知の世界なのだ。

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支笏湖 王子軽便鉄道ミュージアム

支笏湖に来た。

朝早く着いたのでどの施設も開いてなく、湖畔を散策して回る。

支笏湖から流れ出る千歳川の水が澄んでいてとてもキレイだった。

旧軽便鉄道の赤い鉄橋が周囲の緑と川面に映えてキレイだった。

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支笏湖に来たのには理由があった。

もちろん観光地というのもあるが。

ここには旧軽便鉄道の鉄道博物館があるのだ。

正確には、「王子軽便鉄道ミュージアム 山線湖畔驛」という。

かつて王子製紙が支笏湖周辺から木材を苫小牧の工場へ運ぶために開通した鉄道があった。

旅客営業もやっていたがやがてトラック輸送に切り替わり廃線したという。

その記録がこのミュージアムにはあった。

支笏湖畔には駅もあり当時の鉄橋が残っている。

駅、鉄橋を繋ぐ配線図を見ているだけでも楽しかった。

好きな人しか来ないんだろうな。とちょっと思った。

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ビジターセンターで周囲の自然や動物の展示を眺めたり、湖畔を散策したりして回った。

最後にスイーツショップパティシエ・ラボでシュークリームを買って食べてみた。

大きなシューの中にはクリームがたっぷり入っていて美味しかった。

徐々に混み始めた観光地から次の目的地へ進むことにした。

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ノーザンホースパーク

支笏湖を離れ、平野部へ降りてきた。

千歳空港を右手に見ながら「飛行機がいっぱい!」と話しながら進む。

本来ならば新潟から千歳へ飛行機で来て列車で目的地へ向かうところを 10日もかけて車で来た。

なんか不思議な感じ。

そこから15分程でノーザンホースパークへ着いた。

馬を見たくて来てみました。

ここは競走馬を輩出している牧場で、博物館、資料館、ショップ、レストランが併設されて広大な観光地となっている。

ディープインパクトの記念ゲートもあり競馬を知らなくても名前だけなら聞いた事がある競走馬の名前を見かけた。

競馬のウンチクよりも馬を見ている方が楽しいのだ。

広い牧場で馬が草を食べていたり、人間が気になるのか咲くの直近まできたり、喧嘩をしている馬がいる。

家族で来ていた小さな子供が柵越しに馬を見て喜んでいる。

そんな光景を見ているだけでのんびりと時間が流れていく。

競馬好きな人とは違う時間の流れがそこにあった。

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世界一のランチ

どこでお昼を食べようか?と車を走らせている時だった。

「世界一あつあつ あんかけ焼きそば」

の幟を見つけた。

もう、行くしかない。

鶴の湯温泉 お食事処 和 さんにそれはあった。

メニューには「世界一美味しい ザンギ」というのもある。

ミィが「世界一熱いあんかけ焼きそば」

僕が「世界一美味しいザンギ定食」を頼んだ。

豪勢なランチだ。 なにしろ「世界一」のランチなのだから。

ザンギはボリュームがすごい。

そして味がしみてて、美味しい。

それだけでも食べ応えがあった。

あんかけ焼きそばはグツグツいってて、とにかく「熱い!」

美味しいけど「熱い!」

時間をかけてゆっくり食べていました。

安平町には世界一のランチがありました。

ごちそうさまでした。

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森林公園緑のふるさと「温泉の森」キャンプ場

「森林公園緑のふるさと『温泉の森』キャンプ場」

その名前から温泉があるのは分かっていたので温泉目当てでやってきた。

日帰り温泉施設でチェックインするとテントサイトはさらに奥にあるとのこと。

車を進めてテントサイトへ行く。

おそらく学校の跡地らしきテントサイトで、校舎があったらしき場所は区画サイトになっていてテントがたくさん立っている。

グランド部分がフリーサイトになっていて車は乗り入れできない。

駐車場側はすでにテントで埋まっていたので、駐車場とは反対側の誰もいない広い空間にテントを建てることにした。

北海道での初キャンプ。

そう思うとワクワクした。

設営が終わると早速温泉へ向かった。

静内温泉の小洒落た作りの建物の中は広く、ショップとレストランが併設されていた。

休みということもあり館内は賑わっている。

42度の熱めのお湯が気持ちの良い温泉からあがり冷えたいろはす塩とレモンを飲んでいるとミィもあがってくる。

テントへ戻り、サッポロクラッシックを飲みながら北海道の最初の夕飯を食べた。

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10日目のDATA

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2023/07/01(土)

天候:雨のち曇り 最低 18.7℃/最高 23.8℃

青森県八戸市〜シルバーフェリー〜

北海道苫小牧市〜北海道日高郡新ひだか町

走行距離:188.4km

総走行距離:1576.8km

2024/07/05

ぐるっと日本を旅してみた Vol.9

2023年6月30日(金) 9日目

旅の間、自宅に居る父母には手紙を書いた。

ポータブルプリンタを持ってきていて、時々写真を印刷して送ろうとしたのだが、「絵はがきで良い」と言われて断念。

土産物屋で買った絵はがきにコメントを書いて送るようになった。

家族に手紙を書くなんて、いつ以来だろうか?

カミさんとの連絡はショートメールがほとんどだった。

「おはよ。 今日は**まで行くよ。」

「気をつけて」

といった簡単な内容だったけど、連絡は取っていた。

もう一つは Facebook 。

お互い「友達申請(笑)」をして、ほぼリアルタイムに投稿していたので、どこに居るかは分かるようにしていた。

ミィも写真を撮るとメールしていたようだが、こちらは数週間遅れて送っていたみたい。

だから Facebook は、岩手県だけど、届いたメールは北海道なんて事も。

カミさんは僕らが今どこに居るか混乱していたようだ。

今日もカミさんへメールを送る。

「今日、北海道へ渡ります」

 

ねぶたの家 ワラッセ

外観が独特な形状をした巨大な倉庫のような建物に、巨大なねぶたが4、5台展示してあった。

欧米の観光客が興味深げにその作りを見ている。

それらは今にも動き出しそうな迫力があった。

青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」は青森市内の港のそばにあった。

青森のねぶたは巨大な山車だけではなくその周りで跳ね人が踊ることで有名だ。

「ラッセラー、ラッセラー、ラッセラッセラッセラー」

独特の掛け声が響いている。

実演はなかったが映像でもその迫力が伝わってくる。

「ワ・ラッセ」の周囲には、ねぶたの製作小屋が立ち並んでいる。

小屋と言ってもねぶたを収納するのだから一つ一つが巨大だ。

隙間から中を覗くと製作途中のねぶたが見えた。

これが間もなく街中を練り歩くのか。

夏に開催される祭りを見てみたい。

そう思った。

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青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸

「ワ・ラッセ」の隣に人工の砂浜があり、子供達が砂の上を駆け回っている。

その隣には A-FACTORY という土産物屋があり土産を物色したりリンゴジュースの飲み比べをしたりしてしばらくのんびり散策していた。

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その先へ進むと青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸の船体が見える。

かつて青森駅から函館駅へと鉄道車両を輸送していた船だ。

船内は博物館になっていて、車両を固定していた様子や鉄道資料の他、戦時中の様子、台風により沈没した話、新幹線開業で廃止となった経緯など歴史についての展示や、当時の町の様子、鉄道を利用していた人々の様子などを再現したコーナーなんかがあって結構楽しかった。

大きな船体を使った博物館なので思いの外みて回るのに時間がかかるが、見どころがたくさんあった。

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牛乳味噌ラーメン かわら

青森市内で北海道へ渡る前に必要なものの買い物をして、お昼は青森の名物を食べようと思った。

牛乳味噌ラーメン

度々TVで見かけたラーメンを食べに行くことにする。

国道7号バイパス沿いの「かわら」へ。

味噌カレー牛乳ラーメン と水餃子を頼んでみた。

「味噌」「カレー」「牛乳」と全部のせのような名前だったが、牛乳が入っているからかまろやかな感じのラーメンだった。

水餃子は味がついて意いるのでそのまま食べることができて美味しい。

食事を終えて駐車場に戻ると店の看板がふと目に入った。

「札幌ラーメン専門店 かわら」

食べたラーメンは、青森の牛乳ラーメンだったのか? 札幌の味噌ラーメンだったのか?

名物だと思って食べたら最後に疑問が残ってしまった。

でも、美味しかったから良しとしよう。

ごちそうさまでした。

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小川原湖

青森市内から車を走らせるとまもなく、「道の駅ゆ〜さ浅虫」が見えてきた。

温泉もあるし、近くには県営浅虫水族館がある。

ミィは寄りたがったが今日はこの先の時間が決まっていたので進むことにした。

いつか来よう。

さらに進んで1時間ほどで小川原湖に着いた。

休憩がてら道の駅に寄ったが湖からは離れていたため湖畔の公園へ移動することにした。

公園の展望台からは湖が一望できたが、小雨の降っていたのでどんよりとした景色だった。

公園にはキャンプ場もありここで泊まる事も考えたが、今日は八戸まで行くことにしていた。

八戸の前にもう一箇所、見てみたいものもあった。

あと1時間くらいか。

雨が降ったらやだな。

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スズキ理容店 ガンダムカットの店

八戸へ行く前に立ち寄ってみたいところがあった。

おいらせ町のスズキ理容店、床屋だ。

散髪をしてもらう訳でもなく、ただ見てみたかったのだ。

国道338号線にそれは現れる。

ガンダムの巨大な頭部!

ザクにサザビー?、ナイチンゲール?

ジオングも控えている。

そして、何故か巨大マリオ。

実物大ガンダムも見に行ったこともあるけれど、何気ない町中に溶け込んでいる?ガンダムも良いものです。

良くこんなもの作ったな。

今なお制作を続けているらしく、まだまだ機体が増えるのだとか。

作ってるのは 78才の店主。

散髪のメニューにガンダムカットがあるらしい。

そのバイタリティに脱帽です。

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シルバーフェリー 北海道航路

暗い海上を船は進んでいた。

対岸に見えるのはまだ本州の灯りだろうか。

低いエンジン音のような音が聞こえている。

北海道へどこから渡るか考えて、八戸から苫小牧へ渡ることにした。

深夜便で早朝に着くようにしたかったが満席で取れず、夕方発深夜着の便に乗ることになった。

八戸フェリーターミナルでは同乗者は徒歩で乗船しなければならないらしく、ミィとは別々に乗船した。

混み合っているのか?と思ったが夜中の 1時半に苫小牧に着くこの便は人気がないのかガラガラだった。

予約した2等室は20人位が雑魚寝で寝れるのだが、部屋の中には僕らと年配の御夫婦の4人だけだった。

17時半、定刻に離岸すると船は北海道へ向けて進み始めた。

「いよいよ」

車で本州を離れるのは初めてだった。

この先どんな旅になるのか?ワクワクしていた。

夜中に着くので早めに寝ておきたかったので、コンビニで買ってきた弁当を食べ、風呂に入ると 19時過ぎにはインナーシュラフにくるまって寝ることにした。

いよいよ、北海道だ。

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9日目のDATA

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2023/6/30(金)

天候:曇りのち雨 最低 21.5℃/最高 26.6℃

青森県青森市〜青森県八戸市

走行距離:107.0km

総走行距離:1388.1km

2024/07/04

ぐるっと日本を旅してみた Vol.8

2023年6月29日(木) 8日目

麺類、特にラーメンが好きで毎日でも食べていられる気がする。

だから敢えて旅先での食事はラーメンを避けるようにしていた。

食べ始めたら毎日食べてしまうから。

食事はご当地グルメを探した。

それも B級のご当地グルメ。

良く知れ渡ったご当地グルメは、食べようと思えば食べることができる。

でも B級グルメは普段食べることができないから。

とは言え、ご当地ラーメンは食べてみたい。

たまに食べるラーメンは、また格別美味しいから困る。

結局、ラーメンも食べるのです。

 

芦野公園

朝食を食べ、テントを撤収すると、せっかくなので芦野公園へ寄ってみた。

江戸時代に作られた灌漑用の溜め池 芦野湖を中心に公園が作られています。

オートキャンプ場もその中の一施設。

雨が時よりパラつきますが、公園を散策してみます。

キャンプ場とは別の方向にも吊り橋が架かっているので渡ってみる。

橋のたもとには、「津軽三味線発祥の地」のレリーフや「太宰治文学碑」等があった。

最後に太宰治先生に挨拶して行きます。

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青函トンネル

フォン、フォン、フォン、フォン・・・。

突然警告音が鳴り始める。

「来た!」

車へ引き上げていた足が止まり、身体が自然と反転猛ダッシュで展望台へ駆け上がっていた。

ミィも後ろから付いてくる。

フォン、フォン、フォン、フォン・・・。

ピー!

遠くから汽笛が聞こえてきた。

 

奥津軽いまべつ駅は小高い山に囲まれた平地に建っていた。

屋根付きの駐車場に車を停めると駅舎へ向かう通路を歩く。

高架を走る新幹線の更に上にある駅舎へ登るためのエレベーターがある。

その横には階段が 115段あるようだ。

よく見ると駅員が頭を下げている絵と一緒に注意書きが書いてあった。

「1段間違えていました。 再度数えたら 116段でした。」と。

ちょっと笑ってしまった。

駅構内に入ると新幹線駅にしては小さな改札で、列車本数、乗降者数が少ないことをうかがわせる。

駅の通路から長編成の貨物列車が北海道へ向けて走っているのが見えた。

この先は線路が3本あり、標準軌の新幹線と、それより狭い狭軌の在来線が走れるようになっているのだ。

複雑な線路の配線を眺めながら「よく作ったなぁ」と感心してしまう。

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奥津軽いまべつ駅から10分ほどの所に「青函トンネル入口広場」と書かれた標識が立っていた。

トンネルを見る事が出来るようだったので行ってみることにする。

展望台があり、その正面に新幹線の線路が見渡せるようになっていて、その先にポッカリと穴を開けた青函トンネルが見える。

写真を撮ったり、風景を眺めてしばらく新幹線が通らないかと待ってみたがこの時間は、新幹線は来ないようだった。

車へ戻ろうと階段を降りて駐車場へ向けて歩き出した時、フォンフォンフォン・・・と、警告音が鳴り出した。

「来た!」

反射的に反転して駆け出していた。

急いで展望台に登ると遠くから警笛が聞こえてくる。

どうやら新幹線ではないようだ。

先ほど、奥津軽いまべつ駅で見た貨物列車が、青森方面から走ってきて、目の前を通り過ぎると、吸い込まれるようにその長い身体をトンネルの中へと走り込んでいった。

ガタン、ガタン、ガタン。

長い長い身体は、やがて全てが吸い込まれていった。

「この先が北海道か」いよいよ近いてきたなと思った。

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竜飛岬

本州の最果ての地は、小さな港だった。

この先には道は無い。

その行き止まりの道を少し戻ったところから脇へ逸れる歩道がある。

車が通ることができない狭い歩道を住宅の軒を掠めるように歩くと急斜面を登っていく階段が現れる。

それが国道339号線、階段国道だった。

なぜこれが国道なのか?

理由はよく分からないが、日本で唯一自転車、バイクを含む車両通行不可の国道だそうだ。

観光客が登ったり降りたりしていた。

僕らも早速登ってみる。

登り切ると車両が通れる国道に出た。

そこからさらに上り坂の歩道が続き竜飛岬灯台へと続いている。

国道の方へ逸れていくと眺めの良い場所にでた。

そこには石碑が立っている。「津軽海峡冬景色」の歌碑だった。

そこに付いているボタンを押すと大きな音で「津軽海峡冬景色」が流れた。

「上野発の夜行列車降りた時から〜」

石川さゆりの声が辺りに響き渡る。

「〜津軽海峡・ふゆげしき」

冬は風が強くて寒いんだろうなぁ。

綺麗なのかもしれないが、冬景色を見に来ようとは思わなかった。

今の季節がちょうど良い。

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青函トンネル記念館

展示室に一歩入るとそこはまさにトンネルの中だった。

湾曲した天井、むき出しの鉄骨、大きな支柱。

青函トンネルの構造や工事の様子を模した展示だった。

鉄道マニアらしき人達が何人か写真を撮っている。

青函トンネル記念艦は、竜飛岬の小高い所にあった。

世界初の海底駅「竜飛海底駅」のあった場所。

この足元に北海道へ続くトンネルが通っている。

轟音を立てて貨物列車が走り、大勢の人を乗せた新幹線が走り抜けていく。

いつか新幹線で北海道へ行ってみたいな。と思う。

いつか。

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しじみラーメン和歌山

十三湖の辺りにお食事処 和歌山はあった。

TVでもよく紹介されているしじみラーメンの店だ。

十三湖はしじみが取れることで有名でその特産品を使ったしじみラーメンの発祥の店らしい。

結局、ラーメン。

でも、食べてみたかった。

店内に入るとずらっと並んだしじみが売られている。

大きさによって値段が違うようで小柄なものから大ぶりなものまで様々なしじみが並んでいる。

昼を過ぎていたのでガランとした店内に座る。

有名人の色紙が壁一面に飾られていた。

せっかくだからと「特製しじみラーメン(大貝)」を頼んでみた。

まもなく運ばれてきたラーメンには大粒のしじみが載っていた。

自分がイメージしているしじみとは全然別物のような気がした。

貝殻の中にプリプリした大きな身が詰まっている。

しじみといえば味噌汁くらいしか知らなかったが、出汁の効いたスープは美味しかった。

ごちそうさまでした。

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立佞武多の館

弘前で「ねぷた」を見た。

後に青森で「ねぶた」を見た。

どちらも大きさや色の艶やかさが圧巻だった。

しかし、五所川原の「立佞武多(たちねぷた)」は別物だった。

巨大なのだ、巨大で全容が一目では分からない。

立佞武多の館の展示室へ入るとその大きさに圧倒される。

高さ約24m!

ちょっとしたモビルスーツ位の大きさだ。

エレベーターで3階へ上がり上から見下ろすとその大きさが更に実感できる。

こんな巨大な物が祭りの時には町中を練り歩くのだから驚く。

昔は更に巨大だったらしいが、電線など障害物が増えたので小さくなったらしい。

・・・これでも。

3階からは螺旋状の通路を通り立佞武多の全容を見ながら降りてくる。

通路には製作工程や歴史に関する展示もあり1階に降りて来るまでに立佞武多に関して学べるようになっていた。

昔の立佞武多は、どんだけ大きかったんだろう?

家の向こう側からヌーっと現れてこちらに向かってくる立佞武多。

祭りの様子を想像してみたが、アニメの世界にしか思えなかった。

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4都道府県庁目 青森県庁

青森市に着いた頃にはもう陽が傾いていた。

1週間以上キャンプ生活が続いたので青森市でホテルに泊まることにした。

荷物を置くと久しぶりの「街」に繰り出した。

青森県庁が近くにあるのでまずは写真を撮りにいく。

4都道府県庁目 青森県庁は退庁時間も過ぎているため灯りが少なくなっていた。

建物をぐるりと回ったが、「青森県庁」と書かれた看板が見つからなかったので県庁に掲げられたイベントの「あおもり」という文字を写真に収めた。

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貝焼き味噌 六兵衛

夕飯は名物を食べようと調べていたミィが

「貝焼き味噌が名物みたい」言う。

ネットでいくつか店をピックアップしたが休みの店があったりしてなかなか決まらない。

ようやく見つけた店「六兵衛」は商店街の薄暗い地下へと降りていくところだった。

場末の飲み屋のような入口に躊躇したが、食事を終えて階段を登ってきた女性グループが楽しそうに笑いながら去っていったのをみて入ることにした。

「いらっしゃいませ」店員が振り向いて「マスター」というと厨房のマスターがカウンター席を指差す。

「こちらへどうぞ」と、そのカウンター席に案内された。

和風の居酒屋だけど、「マスター」なんだ。と思った。

10人も入ればいっぱいになりそうな店内だった。

壁に貼られたメニューを見ながらお目当ての貝焼き味噌と目についた料理と生ビールを頼む。

テーブル席の客が帰ると、まもなく二人連れの客が来た。

「マスター」と店員が声をかけるとチラッと顔を上げたマスターが首を振る。

「ごめんなさいね。予約も入っていていっぱいなのよ」店員が申し訳なさそうに答える。

「しょうがないな」と二人は帰っていった。

しばらくして別の客が入ってくる。

「マスター」と声をかけるとマスターがテーブル席を指差す。

このマスターの采配が面白くて、客が来るとついマスターを見てしまう。

ホタテ貝の殻に卵でとじた味噌味の貝焼き味噌、刺身、ホヤ、細筍・・・。

何を食べても美味しい。

ホヤを食べていたらマスターが「これも」と炙ったホヤを出してくれた。

ほんのり海の香りがするホヤはここでなくちゃ食べられないんだろうな。

ごちそうさまでした。

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8日目のDATA

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2023/6/29(木)

天候:曇りのち雨 最低 21.7℃/最高 26.0℃

青森県五所川原市〜青森県青森市

走行距離:180.5km

総走行距離:1281.1km



2024/07/03

ぐるっと日本を旅してみた Vol.7

2023/6/28(水) 7日目

旅の様子は、デジカメかスマホで写真を撮り、SNSにアップしようと思った。

Youtubeにも流せるかも?と、DJI Action2 も持ってきた。

そもそも、デジカメとスマホとアクションカムの3台を持ち替えながら撮影することに無理がある。

そして、毎日毎日、移動、移動の日々。

動画の編集なんて無理。

スキルも無い。

結局、スマホで写真を撮って、そのまま Instagram に投稿し、同時に Facebook と X へ投稿する様になる。

とても Youtuber にはなれそうもない。

 

十和田湖と十和田神社

昨夜の大雨はやんだ。

晴れ渡る空とはならなかったが、それでも雲の切れ目から時折太陽が顔を出した。

朝の十和田湖は観光客も少なく散策にはちょうど良かった。

湖のほとりを乙女の像まで歩く。

高村光太郎の作品、乙女の像は休屋の駐車場から歩いて10分ほどのところに立っていた。

中国人のカップルだろうか、様々なポーズをとりながら像の前で写真を撮っていた。

周囲を散策して戻ってきたが撮影はまだまだ続くようだった。

女性が笑いながらポーズを変えては男性が写真を撮っている。

正面からアングルを変える為場所を移動して写真を撮り始めた。

その隙に、彼らが映らないように写真を何枚か撮る。

「神社を回って戻ろうか」

ミィと歩き始める。

カップルの撮影大会はまだまだ続いているようだった。

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静かな木々の間を歩いていくと十和田神社が姿を現す。

手を合わせた後、ミィが社殿の周囲を念入りに見ている。

「すごいよ!」

目を輝かせながら社殿に彫られた彫刻を見ていく。

確かにすごい。見応えのある彫刻だった。

軒下ぐるりと掘られた彫刻。

奥の柱にも。

拝殿の奥の渡り廊下で繋がった本殿まで入ろうとするミィ。

そこは止めとけ、と慌てて止める。

そこから先は神聖な場所で迂闊に入ってはいけない雰囲気があった。

その本殿にも彫刻が彫られている。

この旅一番の見応えかもしれない。

いつまでも飽きずにその造りを眺めていた。

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酸ヶ湯温泉

「この温泉は、本当に良いから。」

職場の先輩からの言葉が頭に浮かぶ。

せっかく近くまで来たから行ってみようか。

十和田湖から弘前市への道の途中に酸ヶ湯温泉はあった。

背の高い木々が減っていき、標高が高くなったのがわかる。

こんな山の中まで立派な舗装路が続いている。

初夏のこの時期に雪は残っていなかったが冬は厳しいところなんだろうなぁ。

ふと映画「八甲田山」の雪中のシーンを思い出していた。

この近くだったよな。

「八甲田山、はっこうださん」

映画のCMを真似て口に出してみたが、何言ってんの?って顔でミィがこっちをみていた。

「昔、こういう映画があってね・・・」

まぁどうでも良い事だけど。

 

山の中に一軒の大きな宿が建っていた。

それが酸ヶ湯温泉だった。

山奥の静かな佇まいを予想していたが、結構観光客で賑わっていた。

ヒバ千人風呂というのが有名でテレビや写真で見た事があったが、こちらは混浴のお風呂。

娘と来ていることもあり、混浴に入るのは気が引けたので男女別の玉の湯というお風呂に入ることにする。

ほとんどの人が千人風呂に入るのかこちらは誰もいないので独占できた。

強酸性で舐めると酸っぱいお湯にゆっくりと浸かる。

気持ちいい。

風呂上がりに「いろはすりんご」

牛乳ではなくいろはす。

青森だからりんご。

グビグビ飲んでると、ミィも風呂から上がってきた。

さて、お昼をどうしようか?

もう少しのんびりしようか?

冷たいいろはすを飲みながら次はどうしようか考えていた。

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りんごカフェ山崎

十和田から弘前市まで降りてきた。

りんごカフェというのがあるらしい。

青森へ来たのだからりんごを食べるのも悪くないな。

市内の狭い道を回りながらその店「りんごカフェ山崎」へ向かった。

ギリギリ入るのか?と思うほどに狭い駐車場にどうにか車を停めると店内に入る。

3つ程のテーブル席とカウンターのみの小さなお店だった。

隣には系列のレストランもあるらしい。

りんごヴィーガンカレーをいただきました。

もちろんゴロっとしたりんごが入っているわけではなくすりおろされているのでものすごいりんご感はないのだが、美味しいカレーだった。

弘前はカフェの町との事なので珈琲も頼んだけど、美味しかった。

ケーキなどのスイーツもあったので食べてみたかったけど、お腹がいっぱいになったのでそちらは諦めたのが残念。

美味しいんだろうなぁ。

いつかまた来れるだろうか?

ごちそうさまでした。

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津軽藩ねぷた村

青森に来たからには、ねぶたを見て見たかった。

弘前市は「ねぷた」になるのだが。

大きなねぷたを見せてくれるのが「津軽藩ねぷた村」だった。

弘前城址の近くにあり大きな観光バスが何台も止まっている。

修学旅行らしき学生服の団体、海外からの団体。

「津軽藩ねぷた村」の建物には次から次へと人が出入りしている。

一歩中に入ると最初のブースで津軽三味線の実演をやっていた。

ぎっしりと埋まった座席では津軽三味線の演奏に聴き入る人々。

座れずに1番後ろの壁際に立つことになったが、迫力のある演奏に思わず聞き入ってしまった。

演奏が終わり拍手が鳴り止むと皆一斉に次の展示へ向かい始める。

その団体客の合間を縫って展示を見ていく。

修学旅行の学生は、きゃっきゃきゃっきゃと楽しそうに展示を見るより友達と話をすることに夢中になって足早に歩いていき、海外からの観光客は写真を撮りながらガイドの説明を聞いている。

人の流れがバラけてきて自分のペースで展示を見ていけるようになってきた。

ミィは、せっかく来たのだからと案内文をじっくりと読んでいくタイプだ。

周囲の人波が2周、3周するくらいゆっくりと進んでいく。マイペースなのだ。

展示だけでなくお土産もじっくりと見ていく。

ご当地キャラクターグッズがあると真剣に買うかどうか悩んでいるようだ。

全国版のキャラクターでさえ、「ここにしかないんだよ」と言う。

僕が見る分にはどこにでもあるグッズに見えるのだが。

彼女にはそれぞれの場所での価値がわかるようだ。

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仲町伝統的建造物群保存地区

弘前城のお堀沿いの通りから一歩裏通りに入ると雰囲気が変わって住宅街となった。

その住宅街に黒塀があったり、武家屋敷の門があったりと独特の雰囲気を醸し出している。

それが「弘前市仲町伝統的建造物群保存地区」だ。

暑い日差しの中、その中の一軒、武家屋敷に入ってみる。

入口にスタンプラリーの用紙があった。

4館の建物を回るものらしい。

時間的に4館回るには閉館時間に間に合うかどうかだった。

スタンプを押して次へ回ろうとした時、

「いらっしゃいませ」

突然中から声がして「ボランティア」と書かれた札を下げた男性が顔を出した。

「上がってください」

靴を脱いで上がると男性が説明を始める。

「この建物は武家屋敷で・・・」建物の作り等を丁寧に説明してくれる。

「・・・ただ、この建物はもともとここではなく、別場所から移築したものです。

移築の時には医者が使っていたのですが、その前は誰が建てたものかはわかっていないんです。

恐らく、下級の武士が住んでいたのだろうと推測されるのですが。」

誰が建てたのかも、武士が住んでいたかもどうかもはっきりとしない建物を「武家屋敷」として保存しているのが可笑しかった。

足早で他の建物も見て回ったが思いの外範囲が広かった。

4館目に着いたのは閉館時間ギリギリだった。

ボランティアの方の説明を聞いて簡単に見てまわった。

「ありがとうございました」

礼を言って表に出るとボランティアさんも退館の時間なのだろう玄関に鍵をかけて帰るところだった。

古いのか新しいのかなんかよく分からない住宅街の中にある伝統的建造物群保存地区だった。

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芦野公園オートキャンプ場

太宰治の生家「斜陽館」の近くに芦野公園がある。

灌漑用の溜池芦野湖の辺りに広がる公園である。

その公園の一角に芦野公園オートキャンプ場があった。

涙型に車道が通っていて、その奥に炊事場がある。

車道の内側に車止めのあるオートサイトが10サイト位あり、車道の外側にもテントを貼れるようだ。

多少古さや汚れが目につくが無料で利用できるのだからありがたい。

長いことここにいるんじゃないか?と思われるキャンパーもいたりして平日にも関わらず5、6張りのテントが立っていた。

炊事場に近いサイトにテントを立てると周囲を散策してみた。

キャンプ場から芦野湖を渡って公園の中心部へ行く橋もあるようだが、今は老朽化のためか通行止めとなっていて渡れなかった。

遊歩道をぐるっと回ってテントへと戻ってきた。

翌日、公園の中心部にも行ってみたがよく整備された広い公園だった。

炊事場で地元のキャンパーと話をすると

「良いところでしょう。週末はここでキャンプをする事が多いですね。」とのこと。

常連のキャンパーが多いのだろう。

週末の混雑している時じゃなくて良かった。

と、ちょっと、思ってしまった。

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7日目のDATA

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2023/6/28(水)

天候:曇りのち晴 最低 21.2℃/最高 30.2℃

青森県十和田市〜青森県五所川原市

走行距離:131.6km

総走行距離:1100.6km

2024/07/02

ぐるっと日本を旅してみた Vol.6

2023/6/27(火) 6日目

学生時代の友人達と面と向かって会うことはほとんど無くなっていた。

ただ、SNSでの繋がりが残っている。

Facebook、X を使って近況が流れてくる。

「いいね」を押したり、返してもらったりしているだけの付き合い。

でもこんな旅をしていると「近くに来るなら会えるかな?」と言ってもらえる。

時間が合えば会ってみようか。

こんなマイペースで気ままな旅にお付き合いいただきありがとうございます。

友人と出会った事はまた SNSで報告することになる。

 

真山の万体仏

お堂の四方の壁にビッシリと木彫りの地蔵菩薩が安置されている。

壁だけではなく天井にまでビッシリと。

神聖な場所というより、不気味さすら感じてしまう。

 

真山の万体仏は、なまはげオートキャンプ場から5分ほど進んだ道端にある小さなお堂の中にあった。

一万数千体の地蔵菩薩は、幼くして命を失った子供達を弔うために彫られたものだという。

静かに手を合わせるが四方八方から見られているような気になってしまう。

不思議な場所だった。

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なまはげ館と真山神社

秋田といえば、ハタハタ、いぶりがっこ、きりたんぽ、そして なまはげ。

男鹿真山伝承館なまはげ館には、あらゆるなまはげが集められ、展示されていた。

男鹿半島の地域によってこれほど表情が違うものかと驚き、

なまはげと同様の行事が日本全国にあることにも驚いた。

新潟にもあるらしい。

館内でなまはげの映像を見たり、なまはげの格好をしてみたりして楽しんだ。

特にありとあらゆるなまはげを集めた なまはげ勢揃い が圧巻だった。

丸顔、長い顔、赤い顔、黒い顔、様々な表情でこちらを見てくる。

これが自分の家に突然現れたら、そりゃ子供は泣いてしまうな。

「悪い子はいねがぁ〜」低い声がどこかから聞こえてきそうだった。

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なまはげ特別神事が行われる真山神社にも行ってみた。

境内になまはげの気配は無かったが、石段を登り社殿の前に行くと茅の輪がかけてあった。

作法に従い右に左にと八の字を書くようにくぐってみる。

厄払いになるそうだ。

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八郎潟干拓地と富士山

教科書にも載っていた八郎潟干拓地へ行ってみた。

広大な八郎潟を干拓して農地にしたところで、見通しの良いどこまでも田んぼが続くような風景かな?と思っていた。

実際に来てみると、並木があったり所々木が植えてあるので意外と見通しはきかなかった。

それでも道路の作り等からその広さは想像できた。

そんな干拓地の真ん中に山がある。

もちろん人工的に盛られた山なのだろうが、どんな山だろうかと気になって行ってみた。

それが大潟富士、日本一低い富士山である。

1995年に完成した築山で、標高は 3.77m 富士山の 1/1000 となっている。

道端にある三角錐状の山の山頂に登ってみると干拓地の風景を見る事ができるが、決して眺めの良い風景というわけではない。

なにしろ山頂の海抜が 0m なのだから。

なんともこじんまりとした富士山だった。

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秋田犬の里とオナリ座

「久しぶり」

学生時代以来会っていなかった友人と会うことになった。

SNS上で見かけた近況そのままの彼がいた。

待ち合わせの場所、秋田犬の里は犬好きのミィも行きたかった場所なのでちょうど良かった。

我々が近況報告なんかをしている間に目を輝かせて展示を見ている。

残念ながら COVID-19 のせいか秋田犬はガラスの向こう側にいて直接戯れることはできなかった。

それでもフサフサしてちょっと丸っこい秋田犬がトレーナーと遊んでいるのを見ているだけでほんわかしてくる。

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屋上に出ると映画の手書き看板が展示してあった。

「近くにおなり座っていう古い映画館があってね」と、友人が説明してくれる。

「歩いてすぐだから行ってみる?」

秋田犬の里から歩いて数分のところにその映画館「オナリ座」はあった。

1952年会館し一度火災で焼失しているが、再建し今なお上映を続けている映画館だ。

新潟県上越市に「高田世界館」という同じような古い映画館があるが、大館市にもこのような古い映画館があるのは知らなかった。

薄暗い館内に入ると受付とちょっとした物販コーナーがある。

「今、上映中だからお静かにお願いします。」

受付の人にそう言われた、防音がしっかりしていないので音が漏れるのだ。

観覧中の人に迷惑をかけないように、声をひそめて館内を見学すると外に出た。

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オナリ座の前で記念撮影をすると秋田犬の里にもどる。

ここには何故か東急の青ガエルこと 5000系電車が保存されている。

アンバランスさが可笑しくて写真を撮って回った。

「また、いつか、今度はみんなで集まりたいね」

そんないつかに想いを馳せて友人と別れた。

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小坂鉄道レールパーク

大館市から十和田に向かって進むとところどころ線路跡が見える。

廃線になった小坂鉄道の跡だ。

その線路の跡をたどっていった先にあるのが「小坂鉄道レールパーク」だ。

旧小坂鉄道の線路、駅舎、車庫等をそのまま使った小さな鉄道博物館。

キレイに整備された車両を見学することができます。

そこには、24系寝台車が置いてありそこに泊まることもできる!

残念ながら日程が合わず泊まることはできなかった。

いつか泊まって見たい宿です。

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宇樽部の夜

「以前、ご利用はありましたか?」

「30年くらい前に」

「あぁ、野営場の頃ですね」

受付のスタッフが笑いしながら答える。

大学1年生の夏に東北中の学生が集まってこの地でキャンプを行うイベントがあった。

十和田湖畔の宇樽部キャンプ場はそんな思い出の場所だった。

秋田県から青森県へ入る頃は雨模様となっていて心配したがキャンプ場に着いた時には止んでいた。

「雨が止んで良かったですね」

十和田湖を見渡せる場所にテントを建てようと準備をしていると先ほどのスタッフが声をかけてきた。

今のうちにテントを建ててしまおう。

雲行きがちょっと怪しかった。

30年前のキャンプは周囲を観光したり、イベントを行ったりして1週間ほど滞在していた。

その間に大雨に降られた思い出がある。

当時のテントは三角テントで周囲に溝を掘って雨水を避ける必要があった。

大変だったんだよと、記憶の中の自分が言う。

雲行きが怪しくなったのは夕飯を食べ終わる頃だった。

降り始めた雨が強くなり、タープから落ちる水が大きな水溜まりを作り始めた。

このままでは確実にテントへ流れ込んでしまう。

水溜まりの水が捌けるように溝を掘る必要があり、木の棒で引っ掻いていたが間に合わず車から携帯用シャベルを取り出して掘り始める。

これじゃ、30年前と一緒だな。

なんとかテントへの流れを湖へ向けて、水没を免れる事ができた。

歴史は繰り返す?と感じた夜だった。

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6日目のDATA

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2023/6/27(火)

天候:曇りのち晴 最低 18.0℃/最高 30.7℃

秋田県男鹿市〜青森県十和田市

走行距離:182.6km

総走行距離:968.9km



2024/07/01

ぐるっと日本を旅してみた Vol.5

2023年6月26日(月) 5日目

朝、6時前に目が覚めるとまず、車の中で着替える。

そのまま前日に使った金額を集計する。

走行距離を集計する。

終わったらコーヒーを淹れてノンビリと飲む。

朝食の準備をしてミィを起こす。

朝食を食べてから撤収をする。

ここまでで9時、とか10時。

車に荷物を詰め込んだら出発する。

これが、この旅のモーニングルーティーンってヤツです。

 

小安峡 大噴湯

朝食にアベックトーストを食べてからキャンプ場の目の前、小安峡へ行ってみた。

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崖を降りる急な階段を降りると渓谷沿いに遊歩道が続いていた。

その遊歩道のすぐ脇や対岸の崖の所々から蒸気が噴き出ている。

大量の蒸気が崖の割れ目から噴き出て遊歩道にまでかかってくる所もある。

流れる水に手を近づけるとかなり熱い事がわかった。

小安峡の大噴湯は、そんな光景を目にする事ができる所だ。

大量の温泉があちらこちらから噴き出ているのはなんとも不思議な光景だった。

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横手市増田まんが美術館

ここは“危険“だ! と、思った。

大量の漫画本が所狭しと並べられている。

ミィは早速本を物色し出している。

読み始めたら1日ここに沈没してしまう。

横手市増田まんが美術館は、そんな魅力的な場所だった。

住宅街の一角に洋風の大きな建物が建っていた。

一歩中に入るとそこは漫画の世界に。

漫画についての展示が並びそれだけでも時間をかけてじっくりと眺めていたくなる。

その先にあるのがライブラリー。

図書館のように漫画本がずらっと並んでいる。

新しいものから懐かしいものまで。

昔、よく読んでいたなぁ。なんて本を見つけるとついつい手に取って読み始めてしまう。

腰を据えて読み耽っている人も何人かいる。

「読み始めたら動けなくなるから、我慢してるんだよ。」

ミィが言う。

確かに読み始めたら沈没して一日中ここで過ごしてしまいそうだ。

いつか、時間をかけてゆっくり来てみたいな。

そう思った。

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だいせんのハンバーガー 「田村商店」

みちのくの小京都 角館、花火で有名な大曲などの観光地には目もくれず。

行ってみたいところがあった。

ランチはここで食べる。と、決めていた。

それが大仙市の田村商店。

大曲のある大仙市の町外れの道路沿いにその店はある。

いたって変哲もない田舎の酒屋兼雑貨屋の店先に気になる幟が立っている。

「だいせんのハンバーガー」

写真入りのその幟がなんともそそられるのだ。

あまりにも気になるので新潟から日帰りで食べに来た事がある。

今回も必ずルートに入れようと決めていた。

大正元年創業の店舗は、地元の酒屋という店構え。

店内に入ると世間話をしていたらしいおばちゃんがこちらを向いて「いらっしゃい」と声をかけてくる。

土産物なんかもあるので、グルッと店内を見てまわりハンバーガーのコーナーへと向かう。

メニューは、ハンバーガー、チーズバーガー、ビーフバーガーの3つ。

ハンバーガーと、チーズバーガーを頼むと保温機で温められたバーガーを手渡してくれた。

包装紙に包まれた見た目は、有名チェーン店や町のバーガー屋と言うよりは、スーパーのパンコーナーに並んでいるような感じ。

おばちゃんに「新潟から来たんです」と言うと、目を丸くして驚いていた。

まぁ、2度目なんですけどね。

車に戻って早速食べてみる。

ふわっとした食感のバンズに挟まれたさりげなく肉々しいハンバーグとキャベツが良い感じ。

口の中に肉の美味しさが広がっていく。

普段あまりハンバーガーは食べないのだが、ここのバーガーなら食べられるなぁ。

美味しかった。

ごちそうさまでした。

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3都道府県庁目 秋田県庁

大仙市から秋田市を目指して山道を進んだ。

秋田空港付近に来たら、急に道が広く、立派になって思わず ”高速?” と、思ってしまい脇道に入ったら道に迷いそうになってしまう。

どうにか平野部に抜けて国道を走ると秋田市に入った。

秋田県庁は、低い建物での展望フロアがあるわけでもなく、

観光でふらっと入るのは気が引けたので、写真だけ撮って先に進むことにする。

今夜のキャンプ地までまだまだ先が長いのだ。

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なまはげオートキャンプ場

秋田市から1時間ほど走って男鹿半島に入った。

秋田県は風力発電のイメージがあり、どこに行ってもどでかい風車が回っている。

最初はビックリした。

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海岸線から山中へ入っていき、今宵の宿、なまはげオートキャンプ場 といういかにも秋田県!といった名前のキャンプ場にチェクインする。

今日は、2組だけなのでと一番広いサイトを案内された。

もう1組はバイク乗りのソロキャンパーだった。

キャンプ場の隣の温泉で汗を流し、テントに戻って夕飯にする。

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緑のざる中華 というのをスーパーで買ってきた。

ラジオのCMで聞いて、ソウルフード的な話だったので食べてみる。

美味しい!

普通にざる中華ですけどね。

コインランドリーもあったので洗濯をすることにしたが、

町のコインランドリーと違って電気式のコインランドリーはなかなか乾燥しない。

2、3回乾燥機を回してやっと乾いた頃には結構夜も更けてしまった。

この旅では電気式乾燥機の遅さに悩まされる事が度々あったのでした。


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5日目のルート

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2023/6/26(月)

天候:曇りのち晴 最低 17.0℃/最高 27.4℃

秋田県湯沢市〜秋田県男鹿市

走行距離:151.5km

総走行距離:786.3km

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