ぐるっと日本を旅してみた Vol.4
この頃になると、日常の流れが決まってくる。
滞在型キャンプでは無く、ツーリングキャンプをやっているので、キャンプ場の滞在時間が短くなってしまう。
食事もしっかり作ろうと思っていたが、惣菜を買ってきてそれを温める。
ご飯だけは毎日炊いてワンプレートで盛り付ける。
そこにインスタントみそ汁を添えてビールを飲む。
朝は、パンに温めたコロッケやフライを挟んで食べる。
シンプルだけど、毎日美味しそうな惣菜をあれこれ悩んで食べるのも楽しかった。
細い川の両側に旅館が立ち並ぶ。
川沿いには歩道があり観光客が思い思いに散策している。
そんな銀山温泉に来ていた。
宿泊するわけでもなく、温泉に入るわけでもなく。
僕らを含め大半の観光客はこの旅館街を見に来たのだ。
木造の古い旅館が所狭しと立ち並ぶ様子は他で見た事がなかった。
旅館の入口の構造。
古めかしい建物の風情。
所々に置かれた小物。
橋の上には、川を見下ろしながら入れる足湯。
散策する人々。
日本語だけでなく、様々な国の言葉が飛び交う。
飽きる事なくいつまでも見ていられる風景。
その中をぶらぶらと旅館街を歩いていく。
旅館街の外れは、鉱山跡や滝を巡る遊歩道になっている。
滝まで行ってみることにした。
5分ほど歩くと滝が現れる。
ざぁざぁと滝を流れ落ちる水音が辺りを包んでいる。
その滝に向かって海外からの観光客が写真を撮っている。
そろそろお腹が空いてきたなぁ。
お昼ご飯を食べて、次へ進もうと思った。
銀山温泉を後にして、国道13号線を北上した。
新庄市でちょっとした小物を買うためにショッピングセンターに入り、ついでにお昼もそこで取ろうかと思っていた。
しかし食事の場所を探している時に、秋田県に入ってすぐ「稲庭」という地名があることに気づいた。
「稲庭うどんを食べに行こう!」
新庄市から1時間ほどかかるがそんなに遅くなるわけでもない。
ミィもその位なら大丈夫というので早速、秋田県へと向かった。
県境の山道は思った以上に時間がかかるもので、稲庭町まで行くとうどん屋のランチタイムに間に合わない。
老舗店が湯沢市に店舗を出しているのがわかり、ここなら間に合いそうなので、そこへ向かうことにする。
稲庭うどん佐藤養助商店は、古民家的な佇まいだろうと勝手に思っていたが、思いのほかモダンな作りをしていた。
畳敷の小上がりもあるのだが、テーブル席に案内され早速稲庭うどんを注文する。
細くてツヤツヤとしたうどんは、腰がありツルッと喉越しが良い。
いくらでも食べられそうな感じで、あっという間に食べてしまった。
ここまで食べにきて正解!と思った。
会計を終えると手土産をもらった。
稲庭うどんの切れ端である。それもたっぷり入った袋を2人分。
今夜の夕食はうどんだな。と、ミィと2人で笑ってしまった。
秋田犬の里らしく「いぬっこ通り」があった。
そこは、白の世界だった。
白い地面のあちこちから蒸気のような物が噴き上がっている。
遊歩道の両側にロープが張られていてその先は立ち入り禁止となっている。
「地獄」とはこういう世界なのか?
硫黄の匂いが鼻をつく、白い世界。
それが川原毛地獄だった。
砂利で歩きにくい下り坂の遊歩道は白い世界を彷徨う陽に続いていた。
「もう、いいんじゃない?」
歩きづらさに辟易していたミィが言う。
「あそこまで行けば何か見えるんじゃない?」
先の見えないカーブの先端を目指すが、そこに辿り着いてもその先の白い世界が見えるだけだった。
もう良いか、今来た道を戻り始めるがあの歩きづらい坂道を登るのか。と思うとちょっとうんざりしていた。
とことん山キャンプ場は、スキー場のゲレンデにあるキャンプ場だった。
3つのフリーサイトと区画サイトがあり、この日は平日だったので各サイトに1組づつ入っているだけだった。
僕らも林の中のサイトを独占するようにテントを設営した。
最近建てたのか小綺麗な水場があり気持ちの良いキャンプ場だった。
何より、無料の露天風呂が併設されている。
食事の片付けが終わると早速、露天風呂へ向かった。
木々の間で周囲は真っ暗だったので風景を楽しむことはできなかったが、4、5人入れるこじんまりとしたお風呂は気持ち良かった。
これで星空でも見えると最高なのにな。
独り占めした湯船の中で思いっきり手足を伸ばしてお風呂を楽しんだ。
2023/6/25(日)
天候:曇りのち晴 最低 18.3℃/最高 27.4℃
山形県尾花沢市〜
走行距離:151.5km
総走行距離:615.2km
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