麦くんと絹ちゃんの話をしよう その17
麦くんと絹ちゃんの話をしよう その17
「映画 花束みたいな恋をした」
・「好きなこと」を続ける為に 個人的見解
麦くんと絹ちゃんは、何故離れていったのか?
何故、別れなくてはならなかったのか?
静岡の海岸がきっかけだったとか、
麦くんの就職がきっかけだったとか、
絹ちゃんの浮気とか。
いろいろな意見がネット上に出てきているけど、
自分なりに気付いた点は・・・。
オタクっぽい2人は内に籠もっている感じを受けてしまう、
でも、絹ちゃんは、実は外に向けて生きている感じがする。
・ネット上のめいさん
・バイト先の人
・歯科の先輩
・麦くんの友人達、ナナさん
・加持さん
・加持さんの会社の人
状況に応じて2人以外の人との関わりが描かれている。
そして、2人以外の外側の人から影響を受けて自分の進む道を選んでいる。
「好きなこと」をやる為に職を転々とする。
それは、自分勝手なように見えるけど、自分以外の人から影響を受けて自分で導き出した結果だと思う。
これは、極々当たり前なことじゃないだろうか?
そして、これは決して「遊び」じゃないと思う。
一方、麦くん
全てが内向きな気がする。
外部の人との付き合いは、ほぼほぼ大学の友人と先輩。
先輩の海人さんが紹介してくれたイラストの仕事も、Line でやりとりしているだけ。
バイトをしていたとの表現もあるけど、外部の人との接点が何も無い。
イラストの仕事ができなくなって、「就職」を考えている時もアドバイスをくれる人はたぶん絹ちゃんくらいしかいない。
そんな状況で仕事を決めても、この仕事が他と比べてどうだとか、自分に向いているか、とかそんな事を考えられなくなっている。
その反動で、仕事にある意味没頭していく。
仕事が決まり「僕の目標は、絹ちゃんとの現状維持です」と宣言した時。
絹ちゃんはどう思ったんだろう?
「現状維持」とは、衰退はないけど、発展もない状態。
今が良ければそれで良し、と言うことだろうか。
自分の「好きなこと」をやる為に次のことを考える絹ちゃん。
自分の「好きなこと」を続ける為に「現状維持」を考える麦くん。
結果的に麦くんは「現状維持」の為に「好きなこと」も手放してしまう。
これは本末転倒なのだが。
お互いが「好き」であることには違いがないが、「好き」でいる為の方向性が微妙にずれていく。
それが「好き」だけど、「別れたくない」けど、「別れ」を決めた結論に繋がるんじゃないだろうか?
物語の先の話として、2人はよりを戻すかという事が話題になっている。
個人的見解としては、それはない。
冒頭、顔を合わせた2人が「久しぶり」とはならない。
無言のまま背中合わせに手を振る2人。
このすがすがしさが、この映画の良さだと思う。
続編とか、2人が実はよりを戻すとか、そんな話になったらこの映画は元も子もなくなってしまうから。
このすがすがしさのまま、映画が終わるのがこの映画の良いところだと思う。
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